2014年4月
■2014年4月
マクラーレンはエンスージアストに向けた最新かつ最上級のモデルである650Sを発表した。650SはP1、12Cに続く最新モデルで、12Cの上級に位置するモデルとなる。オンロードとサーキットにおいて、クルマとドライバーの究極の一体化を目指して開発されたもので、クーペのほか2分割型のリトラクタブルハードトップを備えたスパイダーもラインナップされている。
アルミ製のフレームにカーボン製のボディシェルを組み合わせたボディの外観は、マクラーレンのモデルらしいスポーツカーデザインが採用され、ドラマチックという言葉がぴったりするような演出がなされている。LEDヘッドランプはP1を連想させるものだ。
650Sの外観デザインは機能に裏打ちされたものだ。バンパーと一体化したフロントスプリッターは高いダウンフォースを発生させてドライバーに優れたステアリングフィールを伝え、確実なコーナーリング、敏捷性、ハンドリング・バランスをもたらす。また、ホイール後方のドアブレードは、フロントスプリッターから流れてくる空気を誘導し、フロントエンドのグリップと車体のバランスを高めている。
空気抵抗係数は12Cと同等ながら、車体の上部に効果的に空気を流すことでダウンフォースを高めている。150mph(約240km/h)で走行するときのダウンフォースは12Cに比べ24%増大するという。
12Cと同スパイダーで初めて採用されたマクラーレン独自のエアブレーキは、ダウンフォースを高めてスタビリティをさらに向上させている。より大きなダウンフォースが必要と検知されると、通常のブレーキ時やエアロモードでの手動操作時以外にも、エア・ブレーキが自動的に作動する。
搭載エンジンはV型8気筒3.8リッターのツインターボ仕様で、650psの最高出力を発生する。車名の650Sはこの動力性能とスポーツを意味するものだ。7速SSGとの組み合わせによって0-100km/h加速はわずか3.0秒、0-200km/h加速は8.4秒、 0-400m加速は10.5秒、最高速度は333km/hなどの加速データが公表されている。
ムダをそぎ落として洗練さを徹底追求したロードレーサーでありながら、650Sはパフォーマンスだけでなく、装備の充実度も注目される。走りに関するものとしては、日本の曙ブレーキ製のカーボンセラミックブレーキをはじめ、独自の軽量アロイホイールとピレリのPゼロ・コルサタイヤなどが採用された。
快適装備は、ブルートゥース対応のIRISサテライトナビゲーション、ワイヤレステザリング、オーディオ・ストリーミング、音声コマンド機能などを標準装備し、内装はアルカンターラを採用している。