マツダ CX-80 「質の高さで攻める3列シートSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
5
燃費
5
価格
3

質の高さで攻める3列シートSUV

2024.11.26

年式
2024年10月〜モデル
総評
新世代のFRプラットフォームを用いたマツダ渾身の大型SUV。CX-60に3列目を加えたことで全長は5m級(4990mm)と大きくなったが、車幅は日本の道路事情に合わせて1890mmに抑えた。最小回転半径も5.8mと、このサイズにしては小さめだ。直列6気筒3.3Lディーゼルターボ、同マイルドハイブリッド、直列4気筒2.5LのPHEVを揃える。徹底して高い質感にこだわり、デザインもマツダ流で上質だ。
満足している点
394万3500円から購入できるところ。多人数乗車といえばミニバンだが、CX-80に並ぶ大型ミニバンとなると500万円台スタートが一般的。後部ドアこそ一般的なヒンジ式だが、2列目シートの前倒し角度は3列目シートへの乗降性が考慮され、乗り降りする際のステップ位置やサイズも絶妙だ。3列目シートは身長170cmの筆者でも余裕をもって座れ快適な移動が楽しめた。
不満な点
CX-60同様に2列目シートでの乗り味だ。ディーゼルターボ+マイルドハイブリッドモデルに長距離試乗したが、40〜50km/hあたりにシート座面から背もたれにかけて高い周波数帯域での振動(ビリビリ感)が確認できた。だが、前席や3列目シートではそれがほとんど感じられない。また、PHEVモデルはサスペンション特性が異なり乗り味が全般的にソフトな傾向だが、やはり2列目シートはわずかに振動する。
デザイン

4

ここは素直に上質ですばらしいと評価したい。CX-80では2列シートモデルのCX-60とは異なり、3列目の頭上空間を確保するためにルーフラインをボディ後端まで直線的に描きつつ、フロントグリルやテールゲート下部の形状にはおおらかさを演出して差別化を図っている。インテリアは高評価のCX-60同様に上質なナッパレザーが選択できる。メーター類やディスプレイ表示には視認性の高いフォントを使い文字間隔にまでこだわっている。
走行性能

4

不満点で述べた乗り味での振動面を除けば、走行パフォーマンスはとても高い。ディーゼル/PHEVともにスペック重視ではなく、体感トルク重視でアクセルペダル操作に対して従順に反応する。過敏でも鈍感でもない。アシストするのはトルクコンバーターを使わずに2組の電子制御クラッチを駆使する8速ATだ。これらの共演で最軽量1990kg、最重量で2210kgにもなるボディを遅れなく走らせる。
乗り心地

3

不満点で述べた振動が3点とした理由。しかし前席、もしくは3列目での乗り味はクラス相応だ。前席が良いのはイメージがつきやすいだろうが、意外なことに3列目シートの乗り味が良い。後輪より後ろのオーバーハング部分に座るため、一般的には前後や上下の揺れに悩まされることが多いが、CX-80は大人2名が座って快適に長距離移動ができる。頭上空間の広さも快適さを助長する。
積載性

5

2列目シートは3タイプで、キャプテンシート/センターウォークスルー/6:4分割可倒式。センターウォークスルーと6:4分割式は背もたれの前倒しが可能で、3列目シートとの段差がほぼなくなりフラットになる。ラゲッジルームにはゴルフバッグが縦に4個積載できる。その場合は3列目シートを前倒しにして2列目シートを最前位置にすることが条件だが、3列目シート使用時も1個積める。
燃費

5

ディーゼルターボ+マイルドハイブリッドの燃費数値はとても優秀だ。CX-60でもそうだったが高速巡航燃費ではカタログ記載のWLTC値を大きく超える。筆者のロングランテストでも80km/h巡行時はコンスタントに23.0km/L以上を記録し続けていた。PHEVは走行パフォーマンス性能に振っているものの、ディーゼルと同じ乗り方で17.0km/L台を記録する。ちなみにPHEVはレギュラーガソリン仕様だ。
価格

3

ディーゼル「XD」後輪駆動方式が394万3500円と300万円台を達成。これが4WD方式になっても418万円だ。基本的な先進安全技術をはじめ装備は充実しているため、実用的な3列シートSUVを望むなら最適なグレードだ。筆者ならドライバー異常時対応システム「DEA」を装備したいので標準装備となるLパッケージを、そして4WDグレードを選ぶ。これで501万6000円。大台を超えるが装備内容からすれば妥当だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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