スペインのぺガソは嘗てＺ-102、Ｚ-103というスポーツカーを生産していましたが、当時はフランコの独裁政権でした。その為、販売された国はスペインのみだったのでしょうか？

Answer 1

確かに独裁政権故に制裁を科せられていたことは事実で、当時のスペインは厳しい経済状況に置かれていました。ただし、禁輸や鎖国状態ではありません。
ENASA(国営商業車製作所)は外貨を獲得すべく、戦前のアルファロメオの如き超豪華グラントゥーリズモを企画し、さらにそれをベースにモータースポーツへの参戦に打って出ようとしました。
余談ですが、当時のフェラーリは未だグランプリマシンの被せ物を造って売り捌いていたに過ぎず、GTと認識して買った顧客とのギャップ(快適性をはじめとするクレーム)に苦しんでいました。そうした雰囲気の中で生まれたのが、自らもフェラーリ・ストラダーレの持ち主だったランボルギーニ、レンツォ・リヴォルタ(イソ社主)です。
かくして誕生したペガソZシリーズは当時のRRシルヴァーレイス標準仕様の1.5倍もの値付けで売り出されましたが、新興ブランドの常で知名度はゼロに等しく、従ってそれに大枚をはたく者も少なく、商業的に大失敗に終わりました。
イラン皇帝パーレビ、ファン・ペロン・アルゼンチン大統領など、スポーツカー好きの海外セレブリティがオーナーに名を連ねていることは有名で、国外販売は少ないながらも行われました。
しかし、大半はスペイン国内で販売され、その点でも目論見が外れてしまいました。これまたフェラーリと同じく、戦後復興でのし上がった成金たちのステータスシンボルとなったのです。モータースポーツでの成否が、その後の二社の未来を決定づけたと言えるかもしれません。

質問者からのお礼コメント

なるほど、当時も知る人ぞ知るブランドだったわけですか。
回答ありがとうございました。