レクサス LSハイブリッド 「2019年式LS500h_I_PKG_AWD感想文」のユーザーレビュー

ノイマイヤー ノイマイヤーさん

レクサス LSハイブリッド

グレード:500h“Iパッケージ”_AWD(CVT_3.5) 2018年式

乗車形式:その他

評価

4

走行性能
3
乗り心地
-
燃費
5
デザイン
-
積載性
3
価格
-

2019年式LS500h_I_PKG_AWD感想文

2020.3.2

総評
2017年にレクサスのフラッグシップとしてFMCされたLS。今回は2019年式のLS500h_I_PKG_AWD(1254万円!!)に丸一日試乗した。



先代のV8を積んだLS600hと較べると控えめなV6に変わった。キャラクターも大きく変わり、ショーファードリブンからオーナー自らが運転を楽しむドライバーズカーとしての性格を強めた。そもそもLSはオーナーがゆったりと後席に座る用途と、オーナー自らが運転を楽しむ二つの用途が考えられていた。先代はホイールベースが二種類あったが、新型はショーファードリブンに適したロングホイールベースを残し、車両全体の性格をドライバーズカー指向にするという車作りを行った。

結果、全長:5235mm 全幅:1900mm 全高:1460mmという大柄なドライバーズカーが生まれたのだ。

スタイリングも変わった。従来までのクオーターピラーに守られた端正なセダンスタイルから、6ライトのクーペルックを採用した。ボディサイズが大きいので居住性は問題ないが、何処もかしこも技巧に凝った造形だ。未来の自動車感があって私は嫌いじゃないのだが、LSとしてこれ程まで鳥みたいな意匠になる必要があったのか。



大きくて威厳があるのに上品で優しさすら感じるテイストこそがLSだと思っていたのでこの意匠はLSよりGS向きだと感じた。

内装は大型ディスプレイとワイド方向に琴の様なイメージのモールとインテグレートされたエアコン吹き出し口が印象的だ。



装備品だらけの割りにすっきり見えるのはほとんどの装備をタッチパッドで操作するように集約したからだ。高級車なので表皮材で覆われているが悲しいかなすぐに底付いて高級感が無い。薄いビニールの裏に発泡率の高いスポンジが居て・・・と言うのが透けてしまっている。フラッグシップなのだからアルファードみたいな表皮はやめるべきだ。手で触れる部分だからもっと凄みを利かせて欲しかったと言うのは求めすぎか。しかし妥協の産物では決して無い。運転席から見たトリムのステッチが部品単位では合っていないのに、運転席でドラポジを取るとぴったり繋がっているように見える点は作りこまれているなぁ、と感心した。



E/Gは299psを発揮するV6_3.4L自然吸気エンジンにダウンサイジングされつつも、モーター最高出力:180ps(132kW)、モーター最大トルク:300Nm(30.6kgm)を組み合わせてシステム最高出力:359ps(264kW)を発揮する堂々たる性能を誇る。



特にモーターに4速ATを組み合わせたマルチステージハイブリッドシステムによりEV走行領域が高速域までEV走行可能に拡大するなど、今までのHVとは異なる電動化時代の走りを垣間見させてくれる。

運転してみると2300kgに迫る車重を感じさせない強烈な加速に息を呑む。都市部では向かうところ敵無しという感じで運転が楽しめるが、少々乗り心地が硬いのと、EV走行からE/Gが始動する際に空回り感が付きまとう点が不満に感じる。

ドライバーズカーなのだからとスポーツモードを選択してちょっとした山道を走らせてみたが、車体が大き過ぎて楽しいかと聞かれると歯切れが悪くなってしまう。日本の道路でキビキビ走れるサイズではもはや無い。

高速をゆったりと走らせると硬めのサスセッティングがやっと落ち着いてきて、車体の大きさが走りの安定感に繋がって輝けるステージになる。特に音楽をかけながら高速ドライブを楽しむとゆったりとした気分で運転が楽しめた。普段、NVもオーディオ性能も悪い車に乗っているので、高速で音楽を聴こうとすると大音量になってしまい疲れてしまうがLSでは適度に心地よい音量で楽しめる。車線維持、車線変更補助などの運転支援機能を試したが、システムのエラーでうまく作動できないシーンもあり、まだまだこれから改善されるだろう。

一日で出来る限りLS500hを楽しむべく、トヨタグループの社祖の功績を後世に伝える豊田佐吉記念館、LS5500hの生まれ故郷であるトヨタ自動車田原工場、おまけに名古屋市内を走らせてみたし、ごみ捨て(当然汚してません)にも使わせていただいた。



パワーユニットもドライブトレーンもシャシーもボディも装備品もハイテク満載であることは事実だが、結果的に高級車としての上品なステータスになるかというと疑問が残る。単にヘッドレストを調整するだけでイライラするタッチパッドを何階層も操作しなければならなかったり、分厚い電子インナーミラーを見ようとすると、焦点が合うまで時間がかかったり、像が二重に映って見難くなるような場面があるなど、社会的に成功した人が余分にお金を払って「安楽を買う」とか「便利・快適な移動を買う」という目的には合わない面も垣間見える。



加えて私がついつい期待しすぎてしまった結果、
LSでもロードノイズがするんだ、とかブルブル振動があるんだ、という「アイドルは●●なんてしない!」的な幻想は無事打ち砕かれた。



この車は都市部在住の運転好きな方で休日に高速道路を使って中距離走行が多いという方なら星が5つかもしれない。ただ、そんな方はBMWを選ぶのではないか。かつての優しい高級車的な味を求めるとしたら星3つだろう。ちょっと迷っているのかなぁと感じることも。



蛇足だがこの車で星ヶ丘の某販売店の前を通過した。噂どおりガードマンがこちらに向かってお辞儀をしてくれた。レクサスオーナーが大切にされていると感じることが出来た一瞬だった。今回はそんな販売店の工夫に敬意を表し、星4つとする。
最後にぶっ飛んだ代車を貸して下さったお店の方に感謝。
満足している点
1.現代のハイテク装備が味わえる
2.普通に乗ってリッター10を超える燃費
3.広い道ならストレスフリーの走り
4.煽られたり割り込まれたりするストレスが無い
5.心から音楽が楽しめるオーディオ



レクサスのフラッグシップだけあってアルミと鉄を中心としたマルチマテリアルボディ、EV走行領域を広げたマルチステージHV、自動運転の前段階ともいえる運転支援装備など2020年代の自動車の姿を一足先に体験できるだけでなく、現金なものでLSに乗ると、周囲から割り込まれたり煽られたりすることがなくストレス無くドライブできる。ラジオのオペラをそれなりの音量で聞いても楽しめる点も普段オーディオにこだわりが無い私には素晴らしく感じられた。
不満な点
1.「エモーショナル」に引きずられた商品企画
2.高級セダンとして硬すぎる乗り心地
3.運転支援装備にはまだ命を預けられない
4.せわしないV6エンジン
5.豊富な装備の操作方法が複雑すぎる



初代トヨタ・セルシオが生み出した「緻密な高級車」という境地があったが、5代目となるLSはエモーショナル方向に急ハンドルを切った。ゆったりと運転できる高級サルーンではなく、アドレナリンを出しながら運転を楽しむようなドライバーズカーへ変わったのだ。それゆえか路面の凹凸を良く拾うし、室内にE/G音が進入していて旧来のセルシオを知る私は受け入れにくいと感じた。また、高速道路において車線維持に加え、車線変更を補助してくれるレーンチェンジアシストも試したが、レーンキープしてくれたりしてくれなかったりするケースがあり、本当に車にハンドルを預けることは到底出来そうになかった。また、高級車全体が抱える問題だが、装備類の操作が大変複雑でヘッドレストを上下させることすら面倒でやりたくなくなる様には閉口した。
デザイン

-

走行性能

3

LSはフラッグシップゆえ走行性能はレクサスが考える最良になっているはずだ。あのセルシオの後継車なのだからNVに対する執着も凄いのだろう。普段乗っているチープな車とは一線を画す車なのだろうと想像していた。

この車の運転方法は、乗り込んでシートベルトを締めると、予めプリセットされたドラポジにパワーシートが動く。スタートボタンを押すと起動し、エレクトロシフトマチックをDに入れればパーキングブレーキは自動で解除され、簡単にスタートできる。運転をするのに特別な作法は無く、このままブレーキをかければ止まるしPレンジに入れれば再びパーキングブレーキが作動してスタートボタンを押してシステムを切れば良い。つまり他のトヨタのハイブリッドカーと何ら変わらない。



市街地を走った。このサイズの車に乗るのは初めてに近い。周辺カメラのサポートとステアリング切れ角が大きさに助けられ、想像したほど扱いに苦労するシーンは無かった。狭い道のすれ違いではこちらが端に寄ったとして対向車がすれ違えないようなシーンもあり、そうなると全ての対向車が後退して道を譲ってくれた。そういう他車の気配り込みならばLSの取り回しは問題ない。



道路が広い新し目の住宅地に住んでいる人ならば困ることは無いが、旧い街並みの中では取り回しに苦労する事は確実だ。

発進から40km/hまではほぼモーターで加速するから、そーっとすり足で道路をすべるように走って幹線道路に出る。丁寧にアクセルを踏んで加速するが、ある速度に達するとE/Gが始動する。ぶわんと空ぶかしをしたような音がしてこれを無駄吼えと表現するレビュアーが居られたが上手い表現だと思う。速度が出ているときは気にならないが発進から加速する際の空ぶかし感は毎回オーナーが体感する場面ゆえに気になる人も少なくないだろう。

また、高級車だから魔法の絨毯の様な乗り心地なのだろう、と淡い期待を抱いていたが違ったようでサスセッティングは硬い。路面をスキャンしているかの如く凹凸を伝えてくる。さすがにドシンと来る事は無いが、工事中の路面でマンホールを通過すると許容しがたいショックが出る。昔のセルシオ味を想像してしまうと新型LSはそれとは明確に異なっていた。こういうときはドライブモードをコンフォートに切り替えると多少マイルドに変わるが、それでも堅めの印象だ。



一方市街地での静粛性は期待通り高い。時々聞こえるV6のE/Gノイズとロードノイズが主に聞こえているが、私が普段乗っている騒音の塊と較べるのも失礼なほどだ。広い都市部の市街地を走っている限りはボディサイズが仇にならずに、都会の喧騒と遮断された移動が楽しめる。特に新世代のHVだからモーター走行領域が拡大されており、長時間EV走行が可能でちょっとした優越感に浸れるし、必要があって少しアクセルを踏むだけでビューンと周囲を置き去りにするような加速もこなす。

山道を走ってみた、今度はドライブモードをスポーツにするのだが元気に走ろうとアクセルを深く踏み込むとびっくりする様なレスポンスに驚いた。



スピードメーターがタコ表示に変わり擬似10段変速で低めのギアを選択してくれる。ステアリングもクイックで立ち上がりでアクセルを踏み込むともはや速すぎて怖いほどだ。コーナリング性能も高いが、コース幅一杯の車幅のせいで線形に沿って走ることしか出来ず、ライン取りの楽しさは味わえない。速度域が高めでも車線幅が狭い首都高では持て余す。東名高速の厚木から御殿場の山岳区間で使おうにもそんなにE/Gをぶん回す必要が無く、使いどころに困るスポーツモードであった。万が一の時、本格スポーツカー顔負けの走りが可能、という余裕が高級車と言うことなのかも知れない。

私が考えるLSの主戦場は都市部市街地と高速道路だ。ノーマルモードですら硬いと感じるサスが高速道路ならビシッと決まる。(それでも私は時々コンフォートを選択していたが)合流の加速も前回にするとぶっ飛んでいきそうになるのでかなり余裕を残して加速しても周囲を引き離すことが出来る。

高速道路で是非試してみたかった装備がLexus Safety System + Aに含まれるLexus CoDrive (レーダークルーズコントロール (全車速追従機能付) ・
レーントレーシングアシスト[LTA]・レーンチェンジアシスト[LCA]) だ。



全車速追従のレータークルコンは既に他車で体感済だが、車線変更をアシストしてくれるというのはまだ珍しい機能だ。使い方は、レーダークルコン使用時に車線変更したい方に軽くウインカーレバーを操作するだけだ。1秒以上ウインカーを出すと後方確認した上でステアリングが勝手に動いて車線変更を終える。初めて操作したときは感動した。何回も試してみたが、段々自分で車線変更した方が簡単な気がしてしまい、最終的には手動運転となった。曲がりなりにもLSは高速道路に乗り、前方に走っている車さえいれば準自動運転が可能になった。前を走る車との車間距離を適度に保ち、カーブであってもステアリングを切るのだから疲労軽減効果は計り知れないが、あとはこの装備がどれくらい信頼できるのかという部分が残る。

条件が合わずうまくセッティングできないシーンもあったし、遅い前々走車を追い越した車両が居なくなり加速を始めたら、すぐに遅い前々走車(今は前走者)を検知せず突っ込んで行きそうになることが一度あった。自動運転時代に至る前のスタディであると理解しつつ、これら装備群はまだまだドライバーの代理は務められない。

またあらゆる状況に対応する為に各種のドライブモードが用意されている。ステアリングのすぐ手が届く場所にロータリースイッチがある。EPS、エアサス、スロットル特性に加え、空調性能もドライバーの意思に応じて切り替えられるのだが、各種モードを試すことが出来た。

山道でスポーツモードは既に試したので他のモードを試した。燃費最優先のエコモードはアクセルを踏んでも全然加速しないので、普段の運転で選択する意味は無いが、高速道路で追従走行する際に活用した。前の車が車線変更して前が空くとセット速度まで加速するのだが、ノーマルだと期待より加速がきつい。エコモードだと静々加速してくれるので極めてジェントルで好ましい。特に車任せで走らせているとGの変化が強いとが不快なのでエコモードの加速は好ましかった。

もう一つ、コンフォートというモードがありエアサスのセッティングが乗り心地重視に変わる。ノーマルでは脚が硬すぎるのでコンフォートを多用した。

試乗と言うこともありノーマルを基本に試乗したが、高速道路では大型ゆえの安定感、余裕のある動力性能を活かした走りが可能で特に定常走行時のNVは高かった。ドアガラスやドアの柱とのフラッシュサーフェス化の効果が感じられる。この部分にはLSの完璧主義を感じた。間違ってもこの車にドアバイザーをつけるべきではない。(恐らく、風きり音性能の担当者が泣いてしまうだろう)



運転してみた結果、新型LS500hはエモーショナルだった。だが、高級車でこれほどまでのエモーショナル性が必要?という疑問も沸く。V6は加速時のE/Gノイズのせいで「回ってます感」が強い。LSはエモーショナル性能は胸に秘め、Fスポーツやスポーツモードの時だけ獰猛な実力の片鱗を覗かせるような慎ましい万能選手であって欲しかった。ハイブリッド高級車としては少し迷ってる感があるのでマイナスだ。
乗り心地

-

積載性

3

せっかくなので後席に座ってスギレン氏に運転してもらった。クーペルックで後ろが狭くなっているのだが、ルーフヘッドライニングを持ち上げてヘッドクリアランスは十分確保されている。ヒップポイントは低めで脚を投げ出すようなスタイルだが、レッグスペースがだだっ広く、リムジン感覚。



オーナードライバー向けのIパッケージなので後席のリクライニングなどは備わらないが、バニティミラーや空調レジスター、助手席格納スイッチなどが備わる。乗せてもらうと、基本的に快適ではあるが、乗せてもらっている時の方が硬めの脚の悪さが特に気になる。加えてバッテリー用のファンの音が絶えず聞こえる点は大幅マイナス。

トランクルームはHVは少々狭いがゴルフバッグは四つ積めるそうだ。



ガソリンエンジンよりも奥が浅くなっているが、そもそもクーペルックのせいでトランク開口が狭く、奥行きがあっても鰻の寝床のようで使い勝手は悪そう。奥のスペースが減っていたとしてもこの意匠であればデメリットは小さい。
燃費

5

500km以上試乗して13km/Lを記録した。2.3tの乗用車がこれだけの性能を出すなら上出来では無いだろうか。ハイブリッド車の面目躍如と言って良いだろう。

市街地ばかり走らせるとリッター10km/Lは厳しいかもしれない。LSも他のHV車同様に市街地EV走行→充電量足りなくなるとE/G始動で燃費がた落ち→EV走行で燃費を取り返すというのこぎり波形だ。
価格

-

故障経験

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