プレミアムセダンを名乗るには・・
レクサス初のハイブリッド専用車。お世話になっているレクサス店からお誘いがあったので見に出かけた。
さてこの車。レク
2009.7.27
- 総評
- プレミアムセダンを名乗るには・・
レクサス初のハイブリッド専用車。お世話になっているレクサス店からお誘いがあったので見に出かけた。
さてこの車。レクサスでありながら395万円という「低価格?」を前面に出して売り出したが、どうだろうか。プリウスのように「お買い得感」で売り上げを伸ばそうとしたのだと思うが、ベースモデルはイマイチ。ステアリングはかろうじて本革だが、内装は本木目とレザーシートはオプション設定もなし。インパネも見えるところはまだ良いが、下半分は硬質プラスチック感たっぷり。
この内容で「プレミアムセダン」を名乗るのはどうかと思う。自分で選ぶなら、60万円も高くなるが、内装が充実したバージョンIを選択する。
試乗したのはバージョンS。動力性能は、2.4Lで3.5L(GS)並とまでは行かないが、アクセルを踏めばレスポンスよく加速する。プリウスでは不満だった出足の悪さは解消されている。ただ、車体が重いためか、最初の一歩はまだ重さを感じる。この点はレガシーB4やアコードには負けているなと思った。
サスはバージョンSといってもそれほど固くはなかった。Sでこれなので、他のグレードはもっと柔らかめだろう。試乗コースは比較的流れの良い郊外であったが、試乗車の平均燃費の表示は16.6km/L。これは予想していたよりも良かった。
全長はISより長く、レガシーB4とほぼ同じ。このため、後席はISよりも余裕ができている。とはいっても、前席優先のドライバーズカーであり、後席はおもてなしの席ではない。
コクピット周りのデザインはなかなか斬新で良いと思うし、この走りでこの燃費はハイブリッドでしかできない。トータルでみれば悪くはないと思う。ただ、今乗っているGSは結構気に入っていて、これを買い換えてまで「是非欲しい」という気にはならなかった。
- 満足している点
- ①外装:
塗装はいいね。「レクサス」の長所一つだと思う。マイカ系の色はキラメキ感がありいい感じ。下地の塗装に手間をかけているので仕上がりが違うというだが、こういうところは大事にして欲しい。
残念ながら、雑誌やネットの写真ではこのキラメキ感がうまく表現されない。写真だけ見てイマイチと思っている方は、是非一度近くで実物を見てみることをお勧めする。
②使い勝手の良さ
ハイブリッド専用車だけあって他のレクサスハイブリッドよりもパッケージングが良い。バッテリーも小型化されていて、ラゲッジルームもGSハイブリッドよりも広くなっている。センタートンネルが無く、スッキリしていて広くなったリアフロアはFFの利点だ。
最近やたら幅広の車が増える中、全幅は1.8m以内に抑えられている。取り回しもそれほど気を使わなくても済む。
③コクピットのデザイン
オーディオなどの操作部分は、ドライバー近くに引き寄せられたフローティング形状のセンタークラスターにまとめられていて使いやすい。デザインとしても斬新で美しい。
④燃費
試乗車の平均燃費は16.6km/Lだった。プリウスほどではないが、2.4Lでこの値ならちょい乗りがほとんどの試乗車としては優秀だと思う。通常の2.4Lクラスの2倍程度、フィットと同じくらいの燃費ではないだろうか。
⑤インテリアカラーが豊富
バージョンIとLはレザーシートが標準装備となるが、HS専用色も含めてカラーは5色と豊富。組み合わせによって10パターン。自分の好みによっていろいろと選べるのはとても嬉しい。
- 不満な点
- ①ベースグレードの中途半端な品質と価格設定
ベースグレードはレクサスのエントリーモデルにするということで、敢えてISよりも安い395万円という価格が設定された。
レクサスで「低価格」を前面に出すことが本当に良かったのか?そのために、いたるところでコストダウンに苦労した後が見られる。総評にも書いたが、ベースグレードではレザーシートがオプションでも設定できず、比較的目立たない箇所とはいえインパネの下半分は硬質プラスチック感たっぷり。これでは「プレミアム」とはとても言えない。
いくらハイブリッド車といっても、この内容で395万円はちょっとなあ・・・。「低価格」といっても総額では400万を軽く超え、プリウスなら2台買えてしまう。2.4Lの直4にしては高すぎると酷評されたアコードの最高級グレードでさえ380万円だ。
この車の何に対してこれだけの金額を出すのか?納得できなかった。
人を乗せて走るだけならプリウスやカローラで十分だ。このクラスの車を買うのは、従来の「トヨタ車」では得られない満足感が欲しくて「レクサス」を選ぶのだ。「プレミアムセダン」を名乗るならば、中途半端なグレードは出さずに、多少価格は高くなっても「買って良かった」と満足できるそれなりの内容を揃えて欲しかった。
安易なブランドのバーゲンセールは現レクサスユーザーにとっても面白くはない。
②ナビのリモートコントロールシステム
RXでも採用されたリモートコントロールシステムがHSでも採用された。
「慣れればこちらの方が便利ですよ」と営業マン氏は言うが、運転をしながら、前方のナビ画面を見て、手元のマウスの操作。しかも普段はマウスの操作をしない左手で。
どう考えても集中力は分散する。自分の前に試乗をしていたご年配の夫婦もナビの操作については、ちょっと首をかしげていた。慣れる前に事故ってしまっては元も子もないと思うのだが。
これからのレクサスのナビ操作システムは全てこのタイプになってしまうのだろうか?
だとしたら困るなあ。
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