ホンダ N-WGN カスタム 「最後の純内燃機関軽ワゴン」のユーザーレビュー

わら太 わら太さん

ホンダ N-WGN カスタム

グレード:L・ターボ ホンダセンシング(CVT_0.66) 2019年式

乗車形式:マイカー

評価

1

走行性能
5
乗り心地
5
燃費
-
デザイン
3
積載性
5
価格
5

最後の純内燃機関軽ワゴン

2021.2.23

総評

今回レビューを書くにあたって14インチモデルのN-WGNを一日借りて乗り回した。日常の道具としてなら14インチモデルもアリだが、やはりクルマが好きで運転が好きなら15インチモデル一択でしょう。走行性能、乗り心地の差は歴然で、価格差以上の満足感が得られること請け合い。一番の不満は”同じ車によく出会うこと”で、あまり増えて欲しくないという願いを込めて★ひとつ。オススメしません!


あとよく「宗一郎が亡くなってホンダ車はダメになった」とかいうオジさんいるでしょ?でも本田宗一郎氏が実際に開発に関わっていたのはせいぜい1970年頃まで。「若い社員がのびのび仕事出来れば自然にいいモノが出来る」という信念のもと、現場からは早々に引退し、組織改革に尽力されていたのです。個人的には本田宗一郎没後30年でようやく初ホンダ車ですが、現在のホンダも氏の願い通り若手社員がいい仕事してると思いますよ!
満足している点

やはりホンダ軽自動車初採用の横力キャンセルスプリングを用いた低フリクションサスがもたらす乗り心地でしょう。近年軽自動車は燃費も静粛性も格段に良くなったが乗り心地だけは無理なんだなあ、と諦めていた矢先の新技術に心躍った。ただし15インチモデルに限る。クルマでいこう!の岡崎五郎氏が15インチだけ上質なショックアブソーバーと評しているが、あれはちょっと褒め過ぎ。そもそも2代目N-BOX以降ショックアブソーバーにはアコード級の上級部品が用いられているから、15インチモデルはバネが柔らかい分乗り心地向上を感じやすいということだろう。


スズキのR06Aも感心したがこのN-WGNのS07Bはさらに上を行くトルク感、スムーズさを味わえる。特にエンジンブレーキを使用したときの「シューッ!」というとんでもなく精密な回転感はちょっと他メーカー車種では経験できないものだ。申し訳ないが日産のBR06ではトルク感、スムーズさ、静粛性どれも比較にならない。そもそも2400回転から10.2kgmの最大トルクを発生するという立派なカタログスペックは本当なのか?実際はデイズだと4000回転ぐらい回さないと登れなかった坂をN-WGNは2500回転ぐらいで登ってしまう印象だ。ただ、S07BもVTECを採用する関係で吸気弁が直打ちとなったNAモデルはやや騒音が大きめに感じた。


ワゴンRスティングレーもデイズもハンドルを180度ぐらい切った状態で段差を通過するとステアリングコラムからカチャカチャとバックラッシュのような安っぽい嫌な音が聞こえていたが、N-WGNではあの音が一切出ない!構造上避けられない音だと諦めていたからこれは驚いた。


ドア下部にウェザーストリップ採用!今まで所有したクルマの中でこれがついてたのはチェイサー、セプター、セルシオと高級車ばかり。軽自動車でこれがついてるクルマ他にないでしょ?その他とても書ききれないぐらい細かい部分に手が入っていて、「こんなとこに金をかけてもカタログ映えしないのによくやるなあ」という変態的こだわり、直接セールスに影響なさそうな作りこみが随所にみられ、オタクとしては大いに満足。逆に単なる経済的移動手段として軽自動車を選ぶ人にとってはちょっとやりすぎかもしれない。


バンパーに埋め込まれたソナーはデイズは雨が降ると誤警報が多かったがN-WGNは大雨が降っても(今のところ)誤警報が出ない。また、N-WGNには余計なブレーキ制御が無いのも嬉しい。壁際15センチ以内に寄せているときに「ガッ!」と自動ブレーキがかかった時の恐怖は実際に経験した人にしかわかるまい。ブレーキ制御をつけたほうがJNCAPの評価点は上がるんだけどね。
不満な点

電動パーキングブレーキの操作性がよろしくない。デイズも不満だったが、このN-WGNもまるで洗練されておらず、ほぼ毎回手動操作を強いられている。エンジンオフで作動する設定もあるにはあるが、電動パーツはエンジンがかかっている状態で使用したいし、フットブレーキを踏みながら電動パーキングブレーキの動作完了を待たされるのもスマートではない。悔しいことに、シフトレバーPで無条件にパーキングブレーキがかかるのは今のところタフトだけなのだ。ちなみにデイズと同じくシートベルトをしてDでアクセルを踏み込めば自動解除はされるものの、柔らかい足回りのせいで大きくリアが沈んでしまうため自動解除は使う気になれない。やはりDに入れたらすんなり解除されるのがシンプルかつベストだが、まあ保安上やれない事情もあるのでしょう。


後席が半ドアになりやすい。開閉にクリック感が無く、最後まできっちり押し込まないとだいたい半ドアになる。


仕事でいろんな場所へ出向くので本当は4駆が欲しいが、燃料タンク25Lではさすがに買えない。VSAにトラクションコントロール機能も含まれるからFFでもよっぽど大丈夫なはずだが、先日さっそく水たまりでスタックしかけた。また、最低地上高がワゴンRより10ミリ、デイズより15ミリ低いのも注意が必要。純正シャコタンのおかげですでに1度腹を擦ったことがある。
デザイン

3


誰が言ったか、やられメカってうまい表現だよね(笑)。eKクロスはガンダムっぽい顔だと思っていたけど、N-WGNカスタムは登場してもすぐ破壊されそうな顔。まあそれでも毎日見てるとだんだん好きになっちゃうもんですよ。平面なのに横から見ると立体的に見えるフェンダーアーチもよく出来ている。


数十万円で買えた時代の軽自動車とは比べ物にならない美しいパーティングラインが生産技術の高さを物語る。側面に軽自動車の常とう手段である強度確保のためのプレスラインを引かなかったのもデザイン上の特徴で、こだわった分余計に製造コストがかかっている。具体的な数値は明かされていないものの、空気抵抗係数Cdもクラストップだそうだ。ただし、車高が高いぶん前面投影面積も広いから、実際の空気抵抗はそれなりと思われる。
走行性能

5


世界で初めて圧縮比10:0を達成したのは1981年に登場したホンダシティ。いまやターボでも圧縮比9.8に届き、電動ウェイストゲートまで備える。カタログを見ている限り各社64馬力で横並びだが、実際に運転した印象は明らかにS07Bが力強く、おかげでまだ一度も全開加速を試す機会に恵まれていない。また、デイズはエンジンが冷えていると極端にパワーダウンしたが、このN-WGNはエンジンが冷えていてもまあまあ走る。


先に発売された二代目N-BOXを踏襲したハイドロリックブレーキブーストも他社軽自動車にはない特徴的な技術。確かに軽く踏むだけで強力な制動力を得られる。そのかわりブレーキはストロークで利かせるタイプであり、実際に油圧ブーストがかかった時に違和感が無いとはいえない。


アジャイルハンドリングアシストもたまげた。いつもの通勤コース、デイズだとわずかに修正舵が必要だった場面でN-WGNは”ピタッ!”と収まる。タイヤが鳴くような高速旋回時の話ではない。車速20~30キロで曲がるいつもの交差点で十分効果を実感できる。ただし14インチモデルはステアリングギヤ比が低く緩慢な設定にされており、ハンドルを多めに回さなければならず、ここでも15インチモデルが運転しやすい。


ただし、LKASに関してはステアリングがローギヤード化されているNAグレードのほうが若干落ち着いているかもしれない。パワステにブラシ付きモーターを採用している関係で、どうしてもブラシレスモーターを採用するデイズ等と比べ制御が荒くなるのはやむを得ないところか。
乗り心地

5


外観ではわからないが、フロントスタビライザーは14インチモデルが中空、15インチモデルは中実タイプ。FF15インチモデルはリヤにもスタビライザーを装備し、ロール剛性を高めた分バネレートを下げて乗り心地に振っている。デイズから乗り換えた直後は「こんな舗装の良い道だっけ?」と錯覚するほどフラットな乗り心地に驚愕。あたりの柔らかさはちょっぴりエアサスの雰囲気さえ感じる。ただしサスペンションストロークを使い切ってしまえば普通の軽自動車で、特にピッチング挙動は普段が大人しいだけに大きめに感じる。


アイドリングストップからの再始動も静かに短時間で行われ、かつ驚くほど振動が少ない!デイズはスタータージェネレーターで再始動をしているから音は静かだが振動は大きめだった。新型N-WGNはアイドリングストップのみならず通常の冷間始動も同じく短い時間+低振動を実現しており、わずかなセル回転でエンジンが始動するから鉛バッテリーの負担も低減されているはずだ。この優れたアイドリングストップシステムをキャンセルしてしまうなんてもったいない。


ちなみにNAとターボではCVTの変速比や制御が異なり、特にNAは停車状態からの発進時に限り変速ショックが気になった。これはNA用のトルコンがストール回転数を高めに設定されているために起こる現象で、そろ~りとアクセルを踏めばスムーズにつながるものの、普通に操作するとエンジン回転が高まった直後にクラッチがつながる印象になる。昔から低速トルクの細いNAではよく見られるセッティングだが、少々時代遅れではないかと思う。また、NAのVTEC採用に関しても個人的に少々思うところがあるが、それはまた別の機会に。
積載性

5


空気清浄機ってだいたい天地無用で寝かすことは出来ないのですが、N-WGNは立てたままズドンと積めてしまいます。しかもリアシートを倒さなくても積めるから楽だし、走行中に倒れる心配が無い。バックドアを持ち上げるガススプリングもちゃんと車外についているから荷物に干渉しないのも素晴らしい。現行ワゴンRと比べても荷室の実用性は高いでしょう。しかもシート下も鉄板むき出しにはなっておらず、隅々までフロアカーペットが敷かれている。大きな開口部を持つわりにボディ剛性も高く平らじゃない場所に停めた時にバックドアが閉まりにくくなるようなこともない。
燃費

-


過去に乗っていたワゴンRスティングレー、デイズと比べれば良いものの、今回は4駆ではなく単なるFF車なので無評価としておきましょう。
価格

5


ナビレスとはいえ総額173万円。安すぎでしょ。eKクロスは同じくナビレスで213万円で買ったのに・・・。
故障経験
故障じゃないけど、新車初日からエアバッグユニットから異音が出てましたね(DIYで自己解決)。

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