徳大寺さんはホンダビートのデザインを称賛して、ＮＳＸのデザインをバランスが悪くてカッコ悪いと言ったのはビートがピニンファリーナでＮＳＸはピニンファリーナに断られたからですか？

Answer 1

車体の構成が分かりやすいように、両車を横から見ると、その意味が分かると思います。
両方とも、ミッドシップ車ですので、その本質を生かすためには、オーバーハングを切り詰めて、ホイールベース外のマスを小さくすることが、運動性能の向上につながります。
ビートの場合、前後のオーバーハングは、ほぼぎりぎりまで切り詰められていますので、ミッドシップの雛形のような形をしています。
車体全長に対して、ホイールベースが長いのですが、軽自動車という枠の中で、
ミッドシップを纏め上げると、どうしてもそのようになりますし、
トーボード近くまでフロント車軸は寄せてあるはずです。
対して、NSXは、フロントとリアのオーバーハングが非常に長く、運動性能の向上という観点からは、外れています。
一般には、ゴルフバックを入れるために、トランクを伸ばしたから・・・と言われていますが、前面衝突の際に、マスの大きなエンジンがコクピットを押しつぶさないように、コックピットを頑丈にし、かつ快適性確保のために若干容積を稼いだために、グリーンハウスが大きくなってしまい、デザインがずんぐりしてしまったので、バランスをとるために、リアのオーバーハングを伸ばさざるを得なくなってしまったのだと思っています。
グリーンハウスを少しでも小さく見せるために、コクピット全体を黒く塗っています。
リアを切り詰めると、デザイン上、緊張感が生まれますので、そのあたりNSXのデザインのダルさが許せなかったのでしょう。
個人的には、ああしたクルマを、日本車として最初に世に送り出すことのリスクと苦悩があのような形を作ったのだと理解しています。
それを考えると、バランスが悪くても、嫌いにはなりませんね、NSX。