シトロエン C5 X プラグインハイブリッド 「シトロエンらしい個性を放ちつつ実用性も兼ね備えたモダンな高級車」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

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評価

4

デザイン
5
走行性能
3
乗り心地
5
積載性
4
燃費
3
価格
4

シトロエンらしい個性を放ちつつ実用性も兼ね備えたモダンな高級車

2023.3.9

年式
2022年10月〜モデル
総評
「C5 X」は、2022年8月に登場。セダン、ステーションワゴン、SUVの要素を持ちわせた独創的なデザインと、「魔法のじゅうたん」のような乗り味を実現するという「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)」を全車に標準装備し、シトロエンらしい独特の世界観を備えたフラッグシップだ。クロスオーバースタイルの高級車というジャンルが同年7月に発表されたトヨタ「クラウン クロスオーバー」と似ているような気がしなくもないが、発表自体はC5 Xのほうが先である(2021年4月)。(担当:KK)
満足している点
このクルマの最大の魅力はセダン、ワゴン、SUVをかけ合わせた個性的なデザインと、かつてシトロエンが採用していた「ハイドロニューマチックサスペンション(ハイドラクティブサスペンション)」の現代版解釈「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)」の2点ではないだろうか。どのクルマにも似ていないデザインは周囲の人を驚かせ続けるだろうし、PHCの乗り心地は乗るたびに悦に入るはず。かつてのフランス車は故障が心配だったが、各部の品質はかなり向上しており、シトロエンの個性を安心して味わえるというのも大きな魅力だ。
不満な点
全体的によくまとまっていて致命的なものはないと思う。強いて言うのであれば、これはフランス車全体に言えるのだが、各種スイッチ類の操作方法にクセがある。国産車の感覚でエアコンやクルーズコントロールなどの操作しようとすると思った通りに動かなかったり、そもそもスイッチが見つけられなかったりする。これは慣れの問題ではあるが、特に長く国産に乗ってきた人は動作が染み込んでいたりするので慣れるまで時間がかかるかもしれない。このあたりは良くも悪くもフランス車の個性であり、むしろ楽しんでほしいと思う。
デザイン

5

一見奇抜な感じがするが、よく見ると全体的にうまくまとめられていて、よく出来たデザインなのではないかと思う。ボンネット、リアフェンダーのボリューム感や、リアに向かって流れるルーフラインは「SM」や「BX」など、シトロエンの名車の雰囲気をオマージュしているようにも感じる。一方でインテリアは奇をてらったようなところは無く落ち着いたもの。勝手なことを言うのであればもう少し個性的でもよかった気はするというか、このクルマの購入検討層はそれを期待していそうな気はする。
走行性能

3

PHEVのパワートレーンは1.6L 4気筒ガソリンエンジン+モーターに8速ATを組み合わせ、システム出力は最高出力225PS、最大トルク360Nmを発揮する。PHEVは車重が約1.8トンとやや重めなせいなのか、数値ほどのパワー感は感じられず、遅くはないけど速くもないという印象。普通に走る分には物足りないと感じることはないだろう。フラッグシップとして強心臓モデルがあってもいいのではと一瞬思ったが、かつてのシトロエンは小さいエンジンにでっかいボディという組み合わせが流儀だったことを考えると「シトロエンはこうだよね」と納得して乗るのが正解なのかもしれない。
乗り心地

5

個性的なデザインと並んで「プログレッシブ・ハイドロリック・クッション(PHC)」が生み出す「ふんわりやわらかい乗り心地」がこのクルマの大きな魅力。その乗り味は路面と車体の間に一つ空気の層があるような感じで、しなやかに路面の凹凸をやり過ごしていく。やわらかいというと船の揺れのようなものを想像してしまうかもしれないが、そのあたりはうまく制御されていて、特にPHEVは電子制御式ショックアブソーバーにより揺れを細かく制御してくれるので、クルマの挙動はフラット。この乗り心地は好みがあるようで、同乗者からは「やわらかすぎるかも」という声もあったので、購入検討時は可能であれば一度試乗することをおすすめしたい。
積載性

4

ラゲッジ容量は通常時545L、リアシートの背もたれを倒せば最大1646Lを確保する。大きな容量も魅力だが、それ以上にハッチ式ゲートなので荷物の積み下ろしがしやすいのがいい。そのゲートも全車電動式と実用性が高く、フラッグシップでありながら普段遣いの様々なシーンで活躍できそうだ。
燃費

3

ちょい乗り試乗のため(60分程度)実燃費がわからないのでカタログ値を参考にすると、PHEVモデルの燃費はWLTCモードで17.4km/L。20km/L台をマークする国産車と比べると見劣るが、このクルマを選んだ時点で国産車と燃費比較するのはナンセンスかもしれない。
価格

4

PHEVの車両本体価格は636万円。アクティブクルーズコントロールなどの先進運転支援機能はもちろん、ヒーター&ベンチレーション付きレザーシート、ステアリングヒーターやサンルーフまで標準で備えるので「オプション追加したらプラス100万円」みたいなことがない。むしろPHEVと考えるとお買い得感すらある。ちなみにガソリンモデルは530万円とPHEVより106万円も安いのでさらにコスパがいい。ただしガソリンモデルの試乗はしていないので、いくつかレビューを見ると「乗り心地はPHEVのほういい」という意見が多数のようなので、シトロエンの「魔法のじゅうたん」を味わいたいのであればPHEVをチョイスすることをおすすめしたい。
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スポーツカー&チューニング大好物な20〜30代から、華麗なる(?)クルマ遍歴やマニアックな知識を持つ40〜50代の家族持ちお父さんまで。個性豊かなクルマ大好き編集メンバーが日々奮闘しながら記事を制作中。感じたことをリアルに書いていくスタイルで、みなさんのカーライフがハッピーになる情報を発信していきます。
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