キャデラック CT5 「楽ちん快適・軽快カジュアル・キャデラック」のユーザーレビュー

Don Johnson Don Johnsonさん

キャデラック CT5

グレード:スポーツ_LHD_AWD(AT_2.0) 2021年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
5
乗り心地
5
燃費
5
デザイン
5
積載性
3
価格
5

楽ちん快適・軽快カジュアル・キャデラック

2022.7.5

総評
納車6ケ月が経過したので、評価を残したい。このクルマの魅力は、時代の波に贖いながらもキャデラックの伝統を踏襲しながらスポーティな(軽快な)ドライバーズカーとしていろいろな部分を煮詰めて上品にバランスよくまとめあげて変貌しているところだ。往年のキャデラックの後継とは思えないシャープでスポーティな方向性でKeep Youngなのかカジュアルさを随分と盛り込んで、こびりついたキャデラックのイメージを革新しようとしている国内で手にはいる唯一の新世代キャデラック・セダンである。もう少しコンサバでもいいのではないかとも思うが、カジュアルに振りながらも軽快さと重厚さのバランスを模索している。出来の良い新エンジンと10段ATに加え秀逸なハンドリング、静粛性を確保しながら小気味よいスポーティさを持ち合わせ、上質で丁寧な造りとあらゆる先進機能が標準でテンコ盛りされていながらEセグメントの競合車を凌駕する価格設定である。テンコ盛装備の一例としては、例えばカーナビはクラウドストリーミングナビが標準で付いていて、しかも3年間無料。このナビ、ちょっとおバカだが(首都高速山手トンネルで迷子になることがある)必要にして十分。ナビの代替手段はCarPlayだが、どうしたものかと3年悩むとする。(今のところはこのまま有償移行するが優勢)
安心安全の運転支援機能は一通り装備し(車線逸脱防止は優しく軽め)、HUD(GM車に多く搭載されている判りやすいものの進化版)が前方歩行者警報などで赤くフラッシュするのは極めて安心な装備。(ガードレールの向こうにいる人間をも検知する)警告系もピーピー言わず、シートがブルブルしてお知らせする。後退時も、例えば駐車場でゆっくりバックしないと後ろの車止めにまで反応して勝手にブレーキ掛ける。オーディオはBOSEのノイキャン付15スピーカー(特筆するほど良い音ではないが)、便利なサラウンドビジョン、老眼には少し辛いリアカメラミラー、花粉症とコロナ禍の時代にうれしいイオナイザー(空気殺菌浄化汚染物質除去排出装置)、さらには気持ちよくはならないシートマッサージが助手席にもついている、、、、価格に照らして盛りすぎだと思わざるを得ない。5年乗っても装備の点で時代遅れにはならないだろう。
しかしながら、キャデラック唯一のセダンでお買い得感最高なのにそもそもセダンは人気ないのか、それともCT5が人気無いのか、あるいはまだ半導体不足の影響で国内流通が少ないのか、兎に角も街中で一度も見たことがない。寂しいくらい被らない稀少車になっているのが嬉しさ通り越して嘆かわしい。往年のキャデラックの世界観ではないし、大排気量NAの悦楽もないけれど、このセグメントでセダンを検討されている諸兄には是非とお奨めしたい。
満足している点
①基本的動力性能:中低速トルクがたっぷりのLSY2Lターボエンジンにスムーズな10速AT 
②良くできたボディ性能:しっかりしたシャシーにより、基本的には静かで安楽。しっとり秀逸なハンドリングで軽快、ボディサイズを感じさせない
③質感高い造りと先進機能テンコ盛り:充実した運転支援安全機能に加え先進機能が満載。それでも物理スイッチを要所に複数配置し、かつ質感にも拘ってると理解できる造作(ウィンカーレバーの感触すらいい)、随所にみられる丁寧な造り込み(ドアストライカーにもカバーが付いている)。
④ボディカラー:シャドーメタリックを選んだが、結構気に入っている。グレーにブルーを混ぜたような色で、光の加減で表情が変わる。何色?と聞かれて返答に困る色。
⑤コストパフォーマンス:秀逸な基本性能に先進機能満載で、しっかりしたディーラー対応がついてきて、それでいて兎に角も驚くほど安い。 
不満な点
①シート:見た目は良いのだが座面前端の幅が足りない。エクステンダーついてるが、真ん中だけなので不都合が増大する。(つまりは安楽でない)スポーティ路線なのか運転席廻りもタイト。乗り込む際に工夫が必要。シートベルト装着が難儀(エクステンショナーを装着した)座面も革張りなので前方向に滑って姿勢が乱れる。(ここはアルカンターラのようなのがいい)2,000km乗ってもシートポジションを試行錯誤しながらメモリー再設定している。後席は、着座位置高めで視界よく座ってしまえば思いのほかゆったりだが、頭上まわりは窮屈。ドライバーズカーと割り切った~後席におもてなしを求めない設計。後ろに殆ど人を乗せないので良しとする。
それでもサンルーフ/ムーンルーフの設定が無いのは残念。
②トランク:開口部が小さめ(ゴルフバックの横収納に苦労)
ファストバックスタイルにした独立した3BOXの破綻がでている。トランクスルー部分の隔壁がでかい。(ボディ剛性を稼ぐためだろう)
③マニュアル(説明書):機能が多いのでさすがにマニュアルを調べたくなるがこれの出来が誠によくない。随所でxx頁を参照と記載されていて、その先でまた別の個所を指してたり日本導入仕様には不要な箇所も多く、煩雑で調べたいことが結局判らない。(今だに解決しない?が幾つかある)US版も観てみたが、元からの問題だと思われる。
④左ハンドル:その昔は(20年前位)結構左側にも発券・精算機があったので苦にならなかったが、暫く右ハンのアメ車に乗り続けている間に世の中は左ハンドルに気遣いしない世の中になっていたと気づかされた。高速はETCあるからいいけれど、近所のスーパーなどは右にしか無くなってしまってた。事前精算でスルーできるところも増えてきたが、いちいち降りていかねばならない。入口発券機は左にもあるのに、出口の精算機が左になかったりする。後続車を待たせねばならないので、その都度申し訳なさそうに振る舞うか、文句言わせぬぞと怖いひとを演じてみたりメンドクサイ。それで慌てて乗り込み発進させねばならないので、踏み間違えないよう気を遣わねばならない。慌てるとマニュアルシフトモードに入ったりしてえらいことになる。
ただ左ハンドルの恩恵もあって、左足先の余裕は良い。置き場所がしっかり確保されており左にも捻れるので安楽。(これまで乗ってきた右ハンアメ車はどれも長時間運転すると左足首が辛くなってた)しかして、コルベットとて右ハンドルを導入したのだから、GMは考えたほうがいいだろう。
⑤カスタムパーツが少ない:クライスラー系はあちこち弄れるパーツが豊富にマーケットに出ていて、それらを検討するだけでもある意味わくわく楽しかったのであるが、キャデラックはそういう車でないのだろうがほとんど無い。少し寂しい。
デザイン

5

面構えは挑戦的で全体的に優雅さよりもシャープでスポーティさと“若さ”を訴求していると思われる。流行りの細目に、プジョーの“牙”よりかっちょええ縦ライト。ちょっと最近のマツダ系の顔に似てもないが流行りなのだろう。2グレード構成で、Sport(4WD)とPlatinum(2WD)とで若干顔が違う。4WDが欲しかったのでSportにしたがPlatinumの方がすっきりした顔つきの方が好みだった。
ファストバックスタイルは個人的に好みではなく、特にテール(お尻)のデザインは特筆しうる個性に欠ける。トランク廻りの造形には詰めが足りない。(300のお尻は大好きだった)流行りのファストバックに拘ったのだろうが、トランクの使い勝手を犠牲にしている。そこまで時代に媚びを売る必要があったのかと思うところである。
サイドビュー的には、サイドショルダーラインがリアトランクまでに巧妙に伸びているところは秀逸なデザインだ。前後ともフェンダー部分がグラマアラスでキャビンが絞りこまれている感じもいい。
Cピラーにまで伸びるダミーウィンドウ、特に後端の意匠は好き嫌いが分かれるところ(慣れたけれども)全体的には実際よりコンパクトに見えるが、しっかり5m近くある。運転するとそうは感じない。些細な点だが、サイドミラーの下側が三角になってる形状は使い勝手よく気に入った。
ただ、右側Aピラー廻りの死角はやや多めに思える。路地から広い道に出る際や、逆に右折して狭い道へ入るときなどやや気を遣う。
デザイン総評としては、カジュアルに振ってドライバーズカーの方向に的を絞り、“後席おもてなしを捨てた”スポーティなデザインだ。
走行性能

5

期待以上の出来だ。それに想像以上にスポーティ。GM新鋭のLSY(直4・2Lターボ)は中低速域でたっぷりのトルクが出る使い勝手の良いエンジンだ。しっかりしたシャシーと10速ATの組み合わせに加え、応答性が軽快な素直でしっとりとしたハンドリングが思いのほか気持ちよい。1,500回転で350N出ているので普段使いにはまったく不満はない。パドルシフトも暫くすると勝手にオートに戻るので使い勝手が良い。直4エンジンは普段は存在を消しているかの如く振動も音もしない。アクセルを踏めばガバっとパワーがでて牙をむく。しかし、さらに踏んで4,000以上回しても2Lターボなりの苦しそうな音がでるだけで、大排気量NAの様な“ほとばしる”パワーによるドラマチックな加速は望めない。
排気音は(2Lだから仕方ないが)オトナシイ優等生的で、SRTのような半社会的なところは微塵もない。コールドスタート時もクォンッ!なんてしないし、近所に気を遣わずに済む。でも、トンネル内で窓を開けたくなる楽しみも無い。
ステアリングが基本重めでしっかりしている。ツーリングでも重め。スポーツにすると疲れるくらいに重くなる。
ブレーキはブレンボじゃないので不安だったが、車重が軽いからかなんら不満も問題もない。タッチも良い。
ホイールベース3m、全長5mもある立派なボディサイズの割に小回りが利くし見切りが良いので一回り小さい車に感じて扱いやすい。ほぼ同サイズだった前の300SRTのときよりも近所の狭小路地が広く感じる程だ。その意味で運転はし易くお気楽だ。
ワインディングに持ち込むと、流石にタイトな登りでは喘ぎだすが、細かいコーナーもくるくる軽快にこなしていく。この秀逸なハンドリングはもはや“アメ車”の面影はない。やはりフロントの軽さと高いボディ剛性の恩恵を感じる。タイトなカーブ(首都高のICとか)を高速旋回しながら継目を超えるようなところでも何事もなく安定して通過していく。(以前の6L・HEMIだとフロントがちょい横に吹っ飛んだ)これは賢いコンピュータが4輪の駆動力を細かく制御しているかららしい。
フルデジタルのメーターはいろいろ弄れる。始動時はタコ表示が4,000からレッドになってて、暖気中だから我慢せよとの指図だ。(暖気に応じてお許しがでて完了すると6,200位に戻る)
国内ではVシリーズがリリースされてないが、ブラックウィングはやりすぎだがV6でもう少しパワーがあればもっと楽しいかもしれない。
乗り心地

5

走り出しから巡行まで、とにかく静かで割とフラットな印象。低速からたっぷりしたトルク特性のエンジンなので不必要に回さなくて済む。静粛性は高い。始動時もアイドリング時も音も振動も無くアイドリングストップからの復帰も静かでスムーズだ。BOSEのノイキャンが利いているのかもしれないが、GMアルファアーキテクチャの軽量高剛性に加え伝統の遮音吸音技術が効果しているのだと想像する。後軸まわりのボディ剛性が高く、ステアリングに後ろがちゃんとついてくる感じがする。ハンドリングが抜群にいいので気持ちよく楽しくなる。しかして、シートが十分な大きさに無く(座面前端の幅が不足)あえてタイトなスポーティテイストを狙ったのだろうが安楽でないのが勿体ない。
積載性

3

トランク容量は十分あるのだが、ボディ形状からトランク開口部が小さく使い勝手が良くない。ゴルフバックは1個ならなんとか横置きできるが、開口部がほとんど塞がるのでその奥の荷物の出し入れができなくなる。室内の収納はまあまあだ。助手席グローブボックスは大きく、車検証マニュアル一式も収納して余る。ドアポケット内には小さな折りたたみ傘程度を差し込める収納もある。(手持ちの傘は入らず)
燃費

5

10段ATに気筒休止にて簡単に10Km/L出てしまう。(加えてアイドリングストップもつくが嫌いなので使わない)現代の水準からすれば当たり前なのかもしれないし劣後しているかもしれないが、昨今のガソリン高騰のなか満タンで800Km位走れるのは助かる。これまで自動車税11万超のHEMIを乗り継いできた自分からすると拍子抜けだ。
価格

5

GMの戦略的挑戦的価格設定に感嘆した。(さすがに最近値上げしたが)基本性能に加えてあらゆる装備が標準で付いており、もともとアメ車はコスパに優れるのであるが、Eセグメントの欧州車を完全に凌駕しているといっても過言ではない。日本車のセダンを考えるなら十分候補になりうる。ディーラもしっかりしているので、もし右ハンドルを設定したらもっと売れるかもしれない。
ところで、D営業さんから聞いた話だが、このところの品薄で納期が延び延びになっているなかでの円安問題勃発で、契約済バックオーダー分も納車前に価格改定せねばならなくなってるそうだ。もし自分が長いこと納車待ちなのに追加x百万円とか云われたら、絶対キレちゃうと思う。
故障経験
納車後6ケ月時点で、言及せねばならない困窮するような不具合・故障は無い。(実際にはHUD他で潜在してたプログラム不具合があったが、既にパッチが用意されていた)アメ車に永年乗っているが、耐故障という点でも、予防保守という点でも、アメ車は極めて高い水準だと思っている。欧州車を選択し乗っている友人との会話限りでは、欧州車は耐故障性能を維持する為に定期的に多くの部品を交換を求める前提(しかもパーツが高い)の考え方であるようで、アメ車のそれとは真逆だと思っている。
ただ、複雑なことがあれこれ便利にはなっても、益々コンピュータ制御への依存度合いが大きくなってる訳で、ソフトウェア的な不具合による故障(障害)発生は心配なところだ。乗り込むときのドアラッチ解除は電気制御で機械式でないし(固定されてるドアノブ裏のスイッチでラッチを電気的に少しの時間だけリリースするやり方なので、ドアを一気に引かないと引っ掛かる~慣れが必要)、バッテリーがあがったらどうなるんだ。。パーキングブレーキも電動で走り出せば勝手に解除するし(足踏式のがっつりと大違い)、ドアや給油口のロックも解除も勝手にやってくれるし、やたらあちこち電子制御だらけだと不具合が出たらどうなるのかと(やや)不安である。特にソフトウェアバグによる不具合は、いつ露呈・発現するかの予見ができないから、厄介だ。輻輳したタイミングで発生するかもしれない再現性が低いトラブルが心配だ。

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