兵器についての質問です

Question

日本の74式戦車や90式戦車などに搭載されている油圧サスペンション(油気圧サスペンションとも？)の仕組みを教えてください

Answer 1

shi********さんへ

先ずはこちらをご一読下さいな。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

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車のサスペンション覗き込むと、シリンダー筒内でピストンが上下する「ダンパー」が見て取れます。よね?
このダンパー(金属シリンダー)に油圧ホースを繋ぎ、密閉タンクに作動油をチャンバー部に導く様にする。
チャンバー内部はゴム膜で仕切り、片側には高圧の気体(窒素等)を封入しておく。

車のダンパーのピストンには油を通過させるオリフィス(孔)が開いてますので、オリフィス無しのピストンに換えれば、ピストンの動きはダイレクトにチャンバーに伝わる事に成る。
と、サスのストロークに連れて、この気体部がダイレクトに圧縮される事に成ります。
これが「気体ばね」に成る。
油量をポンプで押し出して増やしてやれば、サスのストロークする位置を変えられる。イコール車高調整に成る。

戦車の場合、後部のスプロケット、前部のプーリーの間で、転輪が無限軌道に車重を伝えます。
この転輪を押し出しているのがサスペンション。なので、車重を支えるのを金属ばねにせず、この気体ばねにすれば、油量で車高調整も可能に成る、、、のです。
(前下げ、後ろ上げ、とかも)

車重全部を気体ばねで支えるのも中々大変なので(油圧が高く成って、漏れ止めするのも難しく成る)、金属ばねを併用する構造もアリ、なのでした。

Answer 2

油気圧懸架装置（ハイドロ・ニューマチック・サスペンション）です。

懸架形式は74式が連成懸架、90式が独立懸架です。
空気バネは74式がプラダ式アキュームレータ、90式がフリーピストン方式を用いています。

74式と90式の同じところは、懸架アームはトレーリングアームでありピストン、シリンダーが付くところです。

74式は転輪が上がることでピストンが押され、作動油が移動します。
作動油のみだとピストンは動かないのですが、アキュームレータ（畜圧器）の中のプラダ（ゴム風船）が押し圧により縮むことでバネ効果が得られます。
また送油管（オイルパイプ）にオリフィスと呼ばれるクビレを付けることでショックアブソーバーの効果が得られます。
74式は前2輪が1個のアキュームレータ、後3輪が１個のアキュームレータに繋がれているので片側5個の転輪を2個の空気バネで支えている構造になります。
油圧回路は走行系と姿勢制御系があり、姿勢制御時には油圧を抜いたり増加させる回路が開き姿勢を変化させることができます。

90式はピストンが入ったシリンダーが2個あります。
懸架アームに付いたピストンが移動すると、もう片方のシリンダーピストンが押されます。このピストンにはアームなどは付いてない、ただのピストンであることから「フリーピストン」と呼ばれますフリーピストンを挟んだ作動油の反対側は空気バネ用のガス（窒素ガス）が封入されています。
走行時には閉じた油圧回路ですが姿勢制御時にはシリンダー内の作動油を増減して姿勢を変化させることができます。

なお、74式、90式共に誘導輪は走行時には閉じた油圧回路で空気バネを有しませんから固定状態となります。
姿勢制御時には油圧回路が開き高姿勢になると誘導輪は引き込み、低姿勢では伸びることで履帯調度が保たれます。標準姿勢に戻る際には定められた履帯調度圧で回路が閉じるので履帯調度は常に適正なものになります。