パフォーマンスはもちろん、官能性でも極上
ライトウェイトオープンカーテイストの旧型から一転、リトラクタブルハードルーフをもつグランドツーリングカー色の
2011.12.30
- 総評
- パフォーマンスはもちろん、官能性でも極上
ライトウェイトオープンカーテイストの旧型から一転、リトラクタブルハードルーフをもつグランドツーリングカー色の強いスポーツカーに大変身を遂げたZ4。
賛否両論あるだろうが、そのいかにもスポーツカーらしいロングノーズ&ショートデッキのスタイリングと、便利なハードルーフオープン、そしてオールマイティなパフォーマンスを評価する声も多く、好調なセールスを続けている。
これまでパワートレーンは2種類用意していたが、トップモデルとしてこのたび、sDrive35isが追加された。これまでの35iとどう違うのか。
基本的には同じエンジン、トランスミッションを積む。すなわちN54B30Aタイプの3リッター直噴直6ツインターボエンジンに7速DCT(ダブルクラッチトランスミッション)の組み合わせである。ただし、パワー&トルクが引き上げられた。特にトルクは450Nmで、オーバーブースと機能を使えば500NmというV8エンジンなみの大トルクを発揮する。
0→100km/h加速4.8秒は、このクラスのスポーツカーとしては驚異的。
- 満足している点
- インテリアエクステリア
今このツインターボタイプを使っているのは、Z4と7シリーズだけ。3シリーズはシングルターボのN55B30Aタイプへとスイッチされた。大トルク対応の高級モデルやグレードにはよりパワフルなセッティングが可能なN54を、400Nm以下でいいモデルにはN55でより燃焼効率を求める、という使い分けである。
もうひとつ、このトップグレードに特徴的なのは、Mスポーツパッケージパーツの数々を標準で装備したということ。エアロパーツ類は専用デザインのMエアロダイナミクスパッケージで、それと見分ける方法はフロントエアインテーク内のマットアルミバーやリアスカートインサートのボディ同色塗装(下部は黒)である。また、ドアミラーにはマットオキサイドシルバーのドアミラーが配された。
コクピットは一見、他グレードと変わらないが、Mフットレストや専用速度計、Mスポーツレザーハンドル、Mドアシルプレートなど、細部にトップモデルらしいこだわりが見える。
走らせて見て
アダプティブMサスペンションを標準で装備する。まずはコンフォートでゆっくりと走ってみた。
急いでいないのに気分が急くのは、エンジンサウンドが獰猛だからだ。オープンだと余計にサウンドがダイレクトに聞こえてきて、気分が盛り上がる。加えて、ちょっと踏み込んだ際のアクセルペダルから受ける圧力が図太い。いかにもカッ飛びそうなクルマであることが、低速で流していてもひしひしと乗り手に伝わってくる。
乗り心地がいいのに、ゆっくり流して乗るのが辛いクルマである。セッティングをスポーツ+にし、ワインディングロードに向かう。
強大なトルクが、1.6トンの車重をものともせず、車体をけたたましく加速させる。サウンドも豪快で、人によってはマフラーを市販品に換えたと勘違いするかもしれない。ノーズの重さがあるため、ライトウェイトスポーツカーのような当意即妙さには欠けるものの、アクセルコントロールを積極的に使ってのスポーツドライビングは、豪快で楽しいものだ。
GTカーとしても、スポーツカーとしても一級の性能をもつトップグレード。問題は、乗り手がどこまで冷静に対処できるか、だろう。事実上のMモデルで、旧型のM6より速い凄い隠れモデル
- 不満な点
- -
- デザイン
-
-
- 走行性能
-
-
- 乗り心地
-
-
- 積載性
-
-
- 燃費
-
-
- 価格
-
-
- 故障経験