フェラーリのV12気筒の排気音はなぜあんなに甲高い音が出るのか詳しく教えてください。よろしければぬけのいいV10とガラガラV8も同様に教えてください。

Answer 1

前提として、音の高い・低いは周波数で決まります。

だから、気筒数が多ければ多いほど、周波数が高くなり、音が高くなります。

音の周波数の図が掲載されているHPを検索すれば、周波数と音の高低は理解できるはずです。


あと、エンジンの音を左右するのは、点火の順番です。
同じV8エンジンでも、ベンツのC63はアメリカンなデロデロって音ですが、BMWのM3はそんな音しません。
理由は点火の順番が異なるので、音の波の高低圧のタイミングも異なるから というわけです。

もう一つの要素は、マフラーですね。

ちょっと、理由とはズレますが、ギア比の問題で、常に高回転ってのもあります。


抜けがいいV10は、ポルシェのカレラGTですかね。
BMWのMのV10もいいです。

Answer 2

イタリヤのマフラー職人が作ったマフラーだからです。
他の職人には作れないマフラーです。
音だけまねすることはできますがすぐに割れてしまいます。
一種の工芸品ですね。

Answer 3

高い音と低い音の理屈がわかれば、ある程度は理解できるでしょうね。

音は波です。
波には波形があります。
簡単に言うと、瞬間的な大きな音と音の無い（小さい）時間が周期的に繰り返しているわけです。
低い音というのは、一定の時間内の繰り返しの回数が少なく（大きな音が鳴る回数が少ない）、高い音は繰り返し回数が多くなります。
周波数というのが、このことです。
高周波＝高音、低周波＝低音と考えて良いです。


排気音で一番大きな影響を与えるのは、シリンダの中での爆発でしょう。
仮に単気筒エンジンだと、クランクシャフトが２回回転すると１回爆発。
１２気筒エンジンだと、同じ２回転で１２回爆発します。

ざっくり言ってしまえば、シリンダの数が多くなれば高周波音になります。
それで高い音が出ます。

ただ、それだけでは甲高いというほどにはならないはず。
おそらく、Ｆ１などのイメージでしょうけど、別の理由もあります。

Ｆ１などのレースでは排気量の制限があり、結果的にパワーを求めるために上限の排気量になってしまいます。
そうすると、シリンダ数が多くなると、ひとつのシリンダの容積が小さくなります。
爆発するエネルギーも小さくなるのですけど、それは多くのピストンで補うことが出来ます。
それよりも、一つづつのピストンが小さくなって軽量になるので、往復運動のときの慣性力が小さくなり、高回転まで回すことが可能になります。
高回転まで回すという事は、それだけ馬力を稼げます（馬力は回転数に比例すると考えてよいですから）。

高回転で回すという事は一定の時間内の爆発回数は増えます。
一般的な乗用車の使用上限の6000rpmに比べれば、12000rpmでは２倍の爆発回数が発生し、その分音も高くなるわけです。

ただ、実際に耳に聞こえてくる音は排気管の影響も無視できませんので、普通の乗用車では判りにくいでしょうね。


Ｖ８エンジンの「ガラガラ」（ドロドロという感じかな？）は別な理由です。
４サイクルエンジンの場合、プラグで点火しますので燃焼室の中では１点から火が燃え広がって行きます。
端まで燃え広がるにはある程度の時間がかかり、あまり大きなピストンでは燃焼不良を起こします。
実用的には10cm程度と言われています。
ところが、そうすると排気量の上限が出来てしまい、一般的な例では４気筒では2500cc程度、６気筒では3500ccていどとなり、それより大きくしようとすると、８気筒、１０気筒という事になります。

シリンダ数が大きくなれば、メカも複雑になりますし、重量もかさむのが普通ですから、できれはシリンダ数は少なくしたいわけです。
Ｖ８は丁度都合がよかったのか、大排気量エンジンの代名詞的な存在ですね。
実用車では（おそらく）一番シリンダ容積が大きいのでは？
排出される排気ガスの量も同じ排気量のＶ１２に比べれば、大量に、回数が少なく排出されます。
大量のガスは大きな音を出し、大きな音と小さい音の差が大きくなります。
先ほどの理由で回数が低ければ低音になります。

結果として「ドッ、ドッ、ドッ・・」と言う感じの音になるのでしょう。

Ｖ１０は存在が少なくて評価は難しいですけど、考えられる理由はあります。

昔からあるエンジンですけど、直列６気筒エンジンと言うのは回転バランスでは理想と言われています。
４気筒エンジンも悪くは無いはずです。
ところが直列５気筒エンジンは爆発のタイミングを同取るかが難しく、クランクの角度等も難しいでしょう。均等の７２度なのかも判りません。
それが左右のバンクにあるわけですから、バランス取りは難しいと考えて良いでしょうね。

フェラーリが昔から１２気筒にするのは、それが理由だったりするのかも知れませんね。

ただ、コストはいきなり上がりますので、それが許容される世界だけで成立する話です。