2020年9月
■2020年9月
アウディジャパンは、アウディブランドとしては日本初導入となるEV(電気自動車)「e-tronスポーツバック」を2020年9月17日に発表、同日より販売を開始した。
今回導入されたe-tronスポーツバックはなだらかなルーフラインを特徴とするクーペフォルムを採用する。フロントにはアウディのQファミリーをイメージさせる8角形のシングルフレームグリルを装着。プラチナグレーのフレームや「e-tron」のロゴにより、他のQファミリーとの差別化が図られたほか、前後のブリスターフェンダーがquattro(クワトロ)の力強い走行性能をアピールする。ボディサイズは、全長4900㎜×全幅1935㎜×全高1615㎜、ホイールベース2930㎜。
インテリアは水平基調のダッシュボード中央に2つのMMIタッチレスポンスを上下に配置。アウディバーチャルコックピットなどのデジタルオペレーション機能は最新のアウディ各モデルと共通だ。乗車定員は5名でラゲッジスペースには616Lの容量が確保されている。
パワーユニットは前輪、後輪をそれぞれ駆動する2基の電気モーター。システム最大出力300kW、最大トルク664Nmを発生し、0-100km/h加速は5.7秒(Sモードのブースト時。Dレンジでは6.6秒)を実現。95kWhのリチウムイオンバッテリーにより、一充電あたりの航続可能距離は最大405km(WLTCモード)とした。充電には家庭用の普通AC(交流200V標準3kW、オプションで8kW対応)充電器、公共の急速DC(直流)に対応。CHAdeMO規格の急速充電器(出力50kW)も利用可能で、e-tronの95kWh(正味86.5kWh)のバッテリーを0から80%まで充電するための所要時間は50kWhの出力で1時間半とのこと。
通常はリヤモーターのみが駆動し、滑りやすい路面、急加速やコーナリング時など、4WD走行が望ましいとシステムが検知した際にフロントモーターが駆動する。モーターのトルクが立ち上がるまでに要する時間は0.03秒と素早く、瞬時にモーターパワーを路面に伝えることが可能だ。
日本導入記念の限定モデル「e-tronスポーツバック ファーストエディション」には、サイレンスパッケージ(アコースティックサイドガラス、プライバシーガラス、Bang&Olufsen 3Dサウンドシステム、パワークロージングドア)をはじめ、SVスポークスターデザインの21インチアルミホイール、カラードブレーキキャリパーオレンジを特別装備。これにバーチャルエクステリアミラーを追加したモデルも設定されている。
■2021年1月
アウディジャパンは、電気自動車「e-tronスポーツバック」にバッテリー容量71kWhのグレード「50」を追加設定して、2021年1月13日に発売した。
■2021年10月
アウディジャパンは、電気自動車「e-トロン スポーツバック」を価格改定するとともに、「55 クワトロ Sライン」を追加設定して、2021年10月1日に発売した。
■2022年4月
アウディ ジャパンは、電気自動車「e-tronスポーツバック」シリーズにハイパフォーマンスグレードのSモデル「e-tron Sスポーツバック」を2022年3月22日に追加、同年4月初旬以降に発売した。
追加された「e-tron Sスポーツバック」には総容量95kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。モーターはベースモデルの前後各1基の軽2基に対して、フロントに150kWを1基、リヤには132kWを2基、合計3基の駆動用モーターが搭載される。システム最高出力370kW、最大トルク973Nmを発生し、0-100km/h加速4.5秒の動力性能を実現。一充電走行距離は415km(WLTCモード)と表記されている。
技術的なハイライトとしては、電動トルクベクタリング機構「クワトロシステム」の採用が挙げられる。通常走行時はリヤモーター2基で駆動して効率を高め、より多くのパワーを必要とする際、あるいは天候や路面状況に応じてフロントモーターが作動して四輪駆動となる。リヤにある2基のモーターは左右独立してホイールに駆動力を伝達することが可能で、従来のリヤスポーツディファレンシャルの機能を果たし、より俊敏で自然なハンドリング特性をもたらし、旋回性能を向上させる。
エクステリアはS専用デザインの前後バンパー、アルミニウムルックのエクステリアミラーハウジング、リヤにはスポイラーリップ、幅広のディフューザーインサート、20インチのアルミホイールを装備。ボディサイドにはセレナイトシルバーのパネルを配し、さらにベースモデルに対して左右それぞれ2.3㎝ずつ張り出したホイールアーチがSモデルの力強いイメージを表現している。ホイールアーチに刻まれたスリット、独自のシングルフレームグリルが空力性能への影響を最小限に抑制し、Cd値はベースモデルと同等の0.26に抑えられている。
装備では、100万個のデジタルマイクロミラーを5000分の1秒単位で制御することで高精細な光を路面に照射することが可能な「デジタルマトリクスLEDヘッドライト」を初めてオプション設定とした。自車の走行レーンを明るく照らす「レーンライト」、安全に車線内に留まることをサポートする「オリエンテーションライト」のほか、車両前方の壁や路面に5種類のアニメーションを投影する「カミングホーム/リービングホーム」機能も備わる。
同年8月23日には一部改良するとともに価格改定を実施して、同年9月に発売を予定している。
今回の一部改良では、CHAdeMO方式の急速充電を高性能化。「e-tron スポーツバック 55」では、従来の最大50kWから最大150kWに対応させた。