新型アウディTTに公道試乗、3モデルそれぞれの個性に迫る
掲載 更新 carview! 文:河村 康彦/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:河村 康彦/写真:菊池 貴之
そんなベースグレードからTTSクーペに乗り換えると、こちらでは絶対的な運動性能がさらなる高みへと引き上げられると同時に、様々な演出によりピュアスポーツカーらしさが巧みに表現されていることも印象に残った。
同じ2リッター4気筒ながら、強化されたピストンやコンロッド、さらにはブースト圧が高められたターボチャージャーなどの専用アイテムを採用し、最高出力が50ps以上も高められたTTSの心臓は、選択するドライブモードによってはあろうことか、アウディ車のイメージリーダーであるR8に搭載されたV10エンジンもかくや、という派手で逞しいサウンドを楽しませてくれるのだ。
レッドラインの6700rpmまでパワフルに吹けきるエンジンが発するそんなサウンドは、実は電気的に強調されたもの。やり方の是非はともかく、こうした演出がまたベースグレードとは別の世界が存在することを、分かりやすく表現していることは確かだ。
電子制御式の可変減衰力ダンパー「マグネティックライド」を用いたサスペンションは、基本的にはベースグレードよりもやや硬い一方で減衰性能が高いため、人によっては「こちらの方が乗り心地に優れる」とも評価をしそう。コーナリング時のロールはより抑制され、大容量化されたブレーキシステムがより強靭な減速感を生み出す…と、全般によりピュアなスポーツモデルらしさが演じられることになっている。
TTロードスター、TTクーペ、さらにはTTSクーペと、そのテイストはまさに3車3様。17年と3世代を経てますます演技力が高まった、そんな新型シリーズの誕生なのだ。
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