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業界ニュース 2019.11.2

【ヒットの法則43】アウディA6は独自技術と高品質でFFでもプレミアムを標榜した

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伝統的な価値や格式といったものも重視されるEセグメントサルーンのジャンルにおいて、2005年当時、アウディはどういうポジションにあったのか、そしてA6はどういうモデルだったのか。ブランドの個性がよく現れるプレミアムサルーンのベーシックモデルの試乗をとおして見てみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年7月号より)

内外装の際立った質感、メカニズムの確かさに納得
メルセデス・ベンツEクラスやBMW5シリーズが直接的なライバルとなるアウディA6は、2004年のフルモデルチェンジで大胆な「シングルフレーム・フロントグリル」を採用して話題となった。そして「ライバルたちの次のモデルチェンジまでもを見越したパッケージングづくりを行った」というコメントも大いに興味を引くものとなった。

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全長、全幅は従来型に対してそれぞれ110mm、45mmと大きくアップ。骨格の基準となるホイールベースも、やはり80mmと大幅に伸ばしている。兄貴分であるA8へとグンと接近し、もはや「A7」と呼んでもおかしくないほどに成長を遂げた。

今回試乗したグレードは、現在日本に導入されるA6シリーズの中で唯一クワトロシステムを搭載しないモデル。3.2クワトロ同様V型6気筒のエンジンを搭載するものの、2.4Lのユニットには直噴ヘッドは採用されていない。こうした点からもこのクルマが新型A6シリーズの中でのベーシックモデル的な役割を与えられていることがわかる。実際、その価格は3.2クワトロに対して140万円も安い560万円を提示する。

とは言え、ラインナップ中のモデルすべてがプレミアム性の高さを標榜するアウディ車だけに、そこにチープな印象はまったく漂わない。内外装の見た目質感の高さは定評あるところ。特に「デザインや高品質が気に入ったから」という理由でA6に食指を伸ばそうという人には、このモデルは見逃せない。

ところで、位置付けとしてはベーシックモデルであるこのグレードにも、アウディらしい意欲的な先進メカニズムは採用されている。マルチロニックと名付けられた無段変速機(CVT)もその一例だ。A6のこのトランスミッションがユニークなのは、パワーパック縦置きというレイアウトにもかかわらず、そこにプーリー&ベルト式ユニットを採用していること。ただし、他ブランドのこのタイプのCVTの場合にはほとんどがベルトを「押す」ことによって動力を伝達するのに対し、アウディのユニットでは「引く」ことでそれを達成させる点が面白い。縦置きのパワーパックのレイアウトによって一般的な横置きFF車用ユニットを流用できないという事情もあろうが、こうして独自の技術の新展開を図ろうというのは、いかにもアウディらしいやり方だ。

およそ1.7トンの重量を最高177ps/230Nmの心臓で引っ張るが、トラクションの能力は「ドライの平坦な舗装路面であれば何とか問題なし」というレベルに落ちつく。アクセル操作に伴うステアリングフィールの悪化もこうしたシーンではまず気にならない。CVTの威力でクルージング時のエンジン回転数は低く抑えられるが、それでもエンジンからの透過音は期待値をやや上回るレベルに感じられたのは少々惜しい。

ハンドリングの感覚は、やはりアンダーステアが基本だ。やや速いペースでコーナーに飛び込んだりすると、どうしてもノーズの重さを意識させられる。このあたりのハンドリング感覚の自在度の高さというのは、やはり4WDのクワトロの方が上だ。

同じA6でも、エンジン出力の大きなモデルを重点的にクワトロ化しているのは、やはりこうした傾向をアウディも認識しているからと考えられる。見方を変えると、大排気量・大出力のエンジンを搭載するとなると、ライバル達と同じ土俵に上がるためにクワトロ化が必須となるのだろう。

そういえば、ホンダ レジェンドもフェートンも、FFベースの4WDレイアウト。そうした事情からもA6 2.4というモデルは、「最大級のFFセダン」というポジションに位置する1台として完成されている。(文:河村康彦/Motor Magazine 2005年7月号より)

ヒットの法則のバックナンバー

アウディA6 2.4(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4915×1855×1455mm
●ホイールベース:2845mm
●車両重量:1670kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2393cc
●最高出力:177ps/6000rpm
●最大トルク:230Nm/3000-5000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:560万円(2005年当時)

[ アルバム : アウディA6 2.4(2005年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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(Webモーターマガジン Motor Magazine編集部)

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