現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > え?? このタイミングで!? アテンザ改めMAZDA6発表!!! マツダの車名戦略は成功するのか!?

ここから本文です

え?? このタイミングで!? アテンザ改めMAZDA6発表!!! マツダの車名戦略は成功するのか!?

掲載 更新
え?? このタイミングで!? アテンザ改めMAZDA6発表!!! マツダの車名戦略は成功するのか!?

 ついにアテンザも「マツダ6」に!

 2019年5月にアクセラがマツダ3へ車名を刷新したのに続き、アテンザがマイナーチェンジでMAZDA6(マツダ6)へと車名を変更。7月4日から予約受注が開始し、8月1日に発売される。

【安いクルマと高額車の塗装は何が違う?】スペシャリストが教える”いい塗装のクルマ”

 フルモデルチェンジで車名を変えたマツダ3に対して、今回のマツダ6はあくまでマイナーチェンジ。2012年11月の発売から7年目の改良となる。

 過去にモデルライフの途中で車名を変えた車はほとんどなく、極めて異例のタイミングだ。

 なぜ今なのか? そして、マツダの戦略は果たして成功するのか? 自動車評論家の渡辺陽一郎氏が解説する。

文:渡辺陽一郎
写真:MAZDA、編集部

アテンザが「マツダ6」に! 同時にターボエンジンを追加

2018年5月改良型のアテンザ

2019年8月改良型のマツダ6「25T・Sパッケージ」 (423万9000円)。外観は従来のアテンザと同様で、専用装備のブラック塗装ホイールを採用。また、G-ベクタリングコントロールプラス(GVCプラス)が全車標準装備に

 今回のマツダ6の変更で注目されるのは、直列4気筒2.5Lガソリンターボエンジンを新たに用意したこと。CX-5とCX-8には以前から搭載され、チューニングも同じだ。

(編注:上記のGVCプラスなど装備追加と合わせて、価格はグレード毎に1万800~7万5000円の上昇)

 2.5Lターボを搭載する「25T・Sパッケージ」のスペックは、2.2Lクリーンディーゼルターボに近い。

 もともとこのガソリンターボは、北米で売られるCX-9が搭載しており、一定速度で長時間にわたり走り続ける用途に適する。ディーゼルエンジンに近い使われ方を想定したガソリンターボだ。

マツダ6に新設定の2.5Lターボエンジン。最高出力230ps/4250rpm、最大トルク42.8kgm/2000rpmはCX-5と同一スペック

 CX-5やCX-8の同型エンジンでは、1300回転付近から過給効果が感じられ、1500~4000回転が最も力強い。シフトアップはフル加速でも5000回転少々で行われ、実用回転域の駆動力に重点を置く。扱いやすいエンジンだ。

 ただし、日本でマツダ6「25T・Sパッケージ」を購入するユーザーは、もっと高回転指向のスポーティなエンジンを求めるだろう。

 CX-5のような高重心のSUVなら、ディーゼル風のガソリンターボも分からなくはないが、マツダ6は低重心のセダン&ワゴンだ。動力性能が大人しすぎる。

 趣味性の強いグレードだから価格が高いのは問題ないと思うが、エンジン特性は変えるべきだ。今のマツダ車の性格を考えると、ターボよりも6速MTで乗りこなす高回転指向の自然吸気エンジンが喜ばれるだろう。

なぜいま車名変えた? デミオも近日マツダ2へ

写真は海外仕様のマツダ2。「デミオ」はほぼ日本専用車名だが、こちらもフルモデルチェンジを待たずに車名変更される見込みだ


 それにしても不可解なのは、アテンザがガソリンターボの追加とマイナーチェンジのタイミングで、車名をマツダ6に変えたことだ。

 マツダ3がアクセラから車名を変えたのは、フルモデルチェンジの時だった。

 この時に開発者は、「マツダ3は、魂動デザインからプラットフォームまで、すべてを刷新した。スカイアクティブXも新搭載している。きわめて大きな変更だから、車名も海外と同じマツダ3にした」と説明している。

 大きな節目の時に車名を変えたが、アテンザはマイナーチェンジだから矛盾している。同様に今後は、デミオもマイナーチェンジでマツダ2になるようだ。

 要は先を急いだのだろう。アテンザは2018年5月に規模の大きな変更を行い、エンジン、サスペンション、ステアリング、さらにインパネのレイアウトなども変更した。

 現行アテンザの発売は、先代CX-5と同じ2012年だから、6年後の大幅変更にはフルモデルチェンジと同様の意味があった。つまり現行モデルは、2022年頃まで造り続けるわけだ。

 そうなると車名を変えるタイミングが難しい。フルモデルチェンジを待っていたら、先伸ばしになってしまう。そこでマイナーチェンジの時点で、マツダ6、マツダ2に変えるわけだ。

ロードスターまで「MX-5」になってしまうのか?

日本を象徴するオープン・スポーツのロードスター。海外では「MX-5」の名で発売されている

 問題はロードスターだろう。

 開発者は「ロードスターには各世代ごとに熱心なファンが多く、車名にも親しみを持っている。これを変えるのは難しい」という。海外のウェブサイトを見ても、イギリスはMX-5の表記だが、北米はMX-5ミアータになる。

 だからといって、ロードスターだけ従来の車名を使い続けたら統一が取れない。アクセラやアテンザも変える必要がなかったことになってしまう。

 車の人気度や売れ行きの効果を考えると、車名の変更がプラスに作用する可能性は低い。車名は大切だが、売れ行きを左右するのは、商品力だからだ。

 むしろマイナーチェンジで中途半端に車名を変えると、ややこしい結果を招く可能性もある。

 例えばインターネットで「アクセラ」と検索すると、今では中古車の記事が冒頭に出てくる。

 車名の変更を知らない人が「次のクルマはアクセラにしようかな」と思って検索すると、過去の車になっているわけだ。「マツダ3(旧アクセラ)」といった但し書きはない。

マツダの世界統一車名戦略は成功するのか

写真は海外仕様の従来型マツダ6。海外では、この車名を初代アテンザの登場時から採用している

 マイナーチェンジの変更はなおさら心配だ。「アテンザがマツダ6に生まれ変わりました!!」とCMなどで大々的に宣伝すれば話は別だが、おそらく地味に車名を変えるのだろう。

 マツダのウェブサイトを閲覧すれば「どうやらマツダ6が今までのアテンザらしい」と気付くが、とても分かりにくい。

 マツダは1990年頃に、新しい販売系列として、ユーノス店/アンフィニ店/オートザム店を短期間で用意した。ユーザーがどこで何を売っているのかが分からず、失敗したことがあるが、同じような結果を招くかも知れない。

 車にあまり詳しくないユーザーにとって、車名はその車の存在そのものだ。

 アテンザがマツダ6に変わるのは、メーカーにとっては車名の変更でも、ユーザーから見れば「アテンザが消滅してマツダ6が登場したこと」を意味する。従って車名を変えるなら、それだけの目新しさが求められる。

 過去を振り返ると、トヨタスターレットがヴィッツに変わり、ホンダ ロゴはフィットになり、スズキ パレットはスペーシアに車名を変えた。

 この時にはすべて車両のコンセプトと機能を大幅に変えており、その表現として車名も変更した。まさに生まれ変わりであった。

 車名とはこういうものなのに、アテンザはマイナーチェンジで軽く済ませてマツダ6になった。どう見ても車名の変更に相応しいモデルチェンジではない。

 販売面の効果は乏しく、マイナスに作用する可能性もある。車名は人名と同じで、もっと大切に扱うべきだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

“蛇口をひねれば全て天然温泉”の「朝野家」で楽しむ美肌の湯【風呂じまんの宿31選】
“蛇口をひねれば全て天然温泉”の「朝野家」で楽しむ美肌の湯【風呂じまんの宿31選】
グーネット
BYD 2025年導入予定 国内4台目の新型モデルを初公開!東京オートサロン2025
BYD 2025年導入予定 国内4台目の新型モデルを初公開!東京オートサロン2025
グーネット
無限 新型「シビック タイプR」開発1年の新量産パーツまとい見参!東京オートサロン2025
無限 新型「シビック タイプR」開発1年の新量産パーツまとい見参!東京オートサロン2025
グーネット
スズキが新型ルアー開発!?釣具メーカー「メガバス」コラボ商品販売 東京オートサロン2025
スズキが新型ルアー開発!?釣具メーカー「メガバス」コラボ商品販売 東京オートサロン2025
グーネット
30周年とModulo Nakajima Racingへの応援に感謝を込めて『モデューロ・サンクスデー2025』が2月24日開催
30周年とModulo Nakajima Racingへの応援に感謝を込めて『モデューロ・サンクスデー2025』が2月24日開催
AUTOSPORT web
そろそろ[変化]必要!? 日本の[自動車税]制の正解を探る
そろそろ[変化]必要!? 日本の[自動車税]制の正解を探る
ベストカーWeb
ホンダ フリードの車検費用の相場を解説!節約方法や2回目以降の金額も紹介
ホンダ フリードの車検費用の相場を解説!節約方法や2回目以降の金額も紹介
グーネット
2025最新版《セレナ》ズバリ! “買い”のポイント
2025最新版《セレナ》ズバリ! “買い”のポイント
グーネット
ホンダと日産が経営統合を検討! あくまで立場は同等も「ホンダ主導」が見える会見
ホンダと日産が経営統合を検討! あくまで立場は同等も「ホンダ主導」が見える会見
WEB CARTOP
2026年登場!? [予想CG]大公開! 次期ホンダ プレリュードが楽しみすぎる件
2026年登場!? [予想CG]大公開! 次期ホンダ プレリュードが楽しみすぎる件
ベストカーWeb
正月休みを使って約10年かけて仕上げたアルファ ロメオ「ジュリエッタ スプリント」の秘密と誰でもうまく運転できる秘訣とは?
正月休みを使って約10年かけて仕上げたアルファ ロメオ「ジュリエッタ スプリント」の秘密と誰でもうまく運転できる秘訣とは?
Auto Messe Web
【東京オートサロン2025】当日公開予定のコンセプトカーをチラ見せ!【日産】
【東京オートサロン2025】当日公開予定のコンセプトカーをチラ見せ!【日産】
グーネット
この世界に必要なワゴン! ボルボV60 B4へ試乗 クラス最大級の荷室 2025年にも不満ナシ
この世界に必要なワゴン! ボルボV60 B4へ試乗 クラス最大級の荷室 2025年にも不満ナシ
AUTOCAR JAPAN
メルセデス・ベンツミュージアムで朝までディスコパーティ!「メルセデスAMG カスタマーレーシング」の表彰イベントに潜入【みどり独乙通信】
メルセデス・ベンツミュージアムで朝までディスコパーティ!「メルセデスAMG カスタマーレーシング」の表彰イベントに潜入【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
プレリュードの試乗で実感したe:HEVでの操る喜び【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
プレリュードの試乗で実感したe:HEVでの操る喜び【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
グーネット
シボレー『コルベット』『Z06』が仕様変更。内外装をアップデートし、電動『E-Ray』も通年受注に
シボレー『コルベット』『Z06』が仕様変更。内外装をアップデートし、電動『E-Ray』も通年受注に
AUTOSPORT web
日産自動車、本田技研工業、三菱自動車、3社協業の検討を開始!
日産自動車、本田技研工業、三菱自動車、3社協業の検討を開始!
AUTOCAR JAPAN
ローソン、フェルスタッペンは“最も手強い相手”である一方「彼以上に学ぶべき人はいない」とレッドブル昇格の好機を喜ぶ
ローソン、フェルスタッペンは“最も手強い相手”である一方「彼以上に学ぶべき人はいない」とレッドブル昇格の好機を喜ぶ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

281.1422.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8388.5万円

中古車を検索
CX-5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

281.1422.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8388.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村