■小さく軽ければ燃費も伸びるはず! 気になる軽自動車の燃費は?
クルマの燃費向上策といえば、ハイブリッドシステムを搭載するなどの方法もありますが、基本は車体を小さくして軽く作り、エンジンの排気量もそれに合わせて小さくすることです。まさに軽自動車のことではないでしょうか。
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しかし、規格で定められている660ccのエンジンに対して車重が重めの軽自動車もあるため、各モデル燃費には大きな差があります。
そこで、国土交通省が2019年3月に公開した「自動車燃費一覧」から、軽乗用車に分類されるクルマの燃費上位の5台を紹介します。
●1位 スズキ「アルト」 JC08モード燃費 37.0km/L
軽自動車のなかで、「ベーシックな軽自動車」の象徴的存在ともいえるクルマがスズキ「アルト」です。昭和時代に登場した初代のキャッチコピー「アルト47万円」というフレーズをご存知の方も多いのではないでしょうか。
現行型の8代目は「原点回帰」がテーマとされ、軽量化と低燃費化、4人がゆったりと座れる室内空間、安全性能など実用性能を高めています。
そんな現行型アルトは37.0km/Lという低燃費を実現。これはハイブリッドシステムなどコストのかかる仕組みに頼ることなく、軽量化やエンジンの高効率化など細かな燃費向上技術の積み重ねで達成されたものだといいます。
37.0km/LはFF・CVT車の数値で、4WD・CVT車は33.2km/L、最もベーシックなグレード「F」に用意される5MT車はFFで27.2km/L、MTをベースにクラッチ操作、変速を自動化したトランスミッションの「5AGS」車は29.6km/Lとなっています。
また価格も抑えられており、最も安価なのは「F」で5MT車、5AGS車ともに84万7800円(消費税込:以下同様)から。燃費が37.0km/Lのグレードでは「L」のFF・CVT車で89万4240円、安全装備が多数備わる「L」の「スズキ セーフティ サポート装着車」で95万3640円となっています。
●2位 スズキ「アルトラパン」 JC08モード燃費 35.6km/L
アルトの派生車ともいうべき「アルトラパン」は、時には女性向きともいわれるデザインを持つクルマですが、アルトの小柄なボディを引き継いでいるため軽量化されており、35.6km/Lの低燃費となっています。
エンジンやトランスミッションは基本的にアルトと同じもので、FF、CVT車の燃費は35.6km/Lを実現。アルトに比べて若干劣っているのは、車重が30kgほど重くなっているためと思われます。
一方で内外装のデザインを重視したクルマのためか、価格はやや高くなっており、最も安価な「G」のFF、5AGS仕様で107万7840円です。
安全装備の点ではレーダーブレーキサポートや誤発進抑制機能などは標準装備となっていますが、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、後退時ブレーキサポートといったものは用意されていません。
安全性能の高さを重視する人に向け、最新の「スズキ セーフティ サポート」へアップデートすることを期待します。
●3位 ダイハツ「ミラ イース」 JC08モード燃費 35.2km/L
ダイハツの最もベーシックな軽自動車となる「ミラ イース」は、もともとダイハツのベーシックな軽自動車はミラでしたが、さらに軽量化で燃費を追求するというミラ イースが登場し、現在はかつてのミラの役割を引き受けています。
重量増の要因となるハイブリッドシステムは搭載しないというコンセプトを掲げて登場したミライースには、現在もハイブリッド仕様はありません。
軽量化や駆動系のフリクションロスを抑える工夫を積み重ねて燃費を稼ぎ、同時に低価格化も実現するという方針は、2代目となった現行モデルでも受け継がれています。
なお、35.2km/はFFで下位グレードの「L」と「B」で実現しており、充実装備の「G」や「X」では34.2km/Lで、4WDは全車32.2km/Lとなっています。なお、トランスミッションはすべてCVTです。
価格は「B」のFFで84万2400円から。そこに安全装備のスマートアシストIIIが付く「B “SA III”」は6万4800円プラスの90万7200円。
さらに基本的な装備を備えて安全装備の付いた「L “SA III”」では93万9600円と、アルトに対抗した価格設定となっています。
■“燃費戦争”はスズキ強し? 4位と5位のクルマをチェック
●4位 スズキ「ワゴンR ハイブリッド」 JC08モード燃費 33.4km/L
スズキの人気軽自動車のひとつが「ワゴンR」です。少し背を高くした軽自動車として1993年に登場し、すぐに人気車種となりました。一時は軽自動車販売台数1位となった時期もあります。
現在は2017年登場の6代目が販売されていて、上位グレードはハイブリッド仕様となっています。
ワゴンRに搭載されているハイブリッドシステムは、発進時に10秒間のクリープ動作を電気モーターで行い、加速時も電気モーターでアシストするマイルドハイブリッド方式です。
電気モーターは発電機と役割を兼ねたISG(モーター機能付発電機)が使用されているため、ハイブリッド化による部品増加も最小限にとどめられています。
燃費はFFのハイブリッドで33.4km/L、4WDのハイブリッドが30.4km/L、ハイブリッドではないFFのCVT仕様で25.6km/Lとなっています。なお、カスタム仕様の「ワゴンRスティングレー」がありますが、燃費は同等となっています。
価格はハイブリッドの下位グレードの「HYBRID FX」でFFが117万7200円、4WDが129万8160円です。
●5位 スズキ「ハスラー」 JC08モード燃費 32.0km/L
SUVの要素を持ったスズキの軽自動車が「ハスラー」です。2014年に登場以来、ユニークなデザインからすぐに人気に火が付いた一台です。
グレード名称などでとくに表記されてはいませんが、上位グレードはマイルドハイブリッドの「S-エネチャージ」仕様で燃費も伸びています。
ハスラーに搭載される「S-エネチャージ」は、発電機と役割を兼ねたISG(モーター機能付発電機)を使い、加速時にモーターがアシストする方式です。ワゴンRのハイブリッドと比べてモーターだけの発進はしない、より簡易的な方式といえます。
燃費はワゴンRほど伸びないものの、FFのCVT仕様で32.0km/Lを実現しています。なお、よりパワーが欲しい人にはターボ車も用意されていて、こちらの燃費はFFで27.8km/Lです。
価格は32.0km/Lを実現するなかで最も安価な「G」グレードのFF・CVT仕様で132万3000円と、やや高めの価格設定です。最上位グレードの「Jターボ」で157万8960円となっています。
* * *
軽量で燃費に有利な軽自動車ですが、よりいっそうの低燃費を実現するためには、最新技術を駆使した軽量化やハイブリッドシステムの搭載が不可欠のようです。
燃費を重視するなら、搭載されている技術をよく理解して選ぶことが必要かもしれません。
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