この記事をまとめると
■タイのバンコクでは日本の軽自動車が最近人気となっている
日本は世界から見たら特殊な市場! 日本じゃイマイチな車種がアメリカでは30倍も売れる例もあった
■正規輸出はされていないので、業者が並行輸入で仕入れており価格は日本の4倍ほどだ
■タイの富裕層は「日本仕様」のクルマを好むので、大金を積んででも買うケースが目立つ
バンコクでは軽自動車が大人気!
バンコクを訪れると、たいてい帰国前日には地下鉄フワラポーン駅で降りて、タイ国鉄のフワラポーン駅を横に見ながら、古い街並みの残るチャイナタウンを散策するのを楽しみにしている。最近では古い街並みのなかを、BEV(バッテリー電気自動車)路線バスやBYD(比亜迪汽車)といった中国系BEVが走っていたりもするが、古い街並みにマッチした旧車も数多く見かけることができる。
そのなかで、今回はチャイナタウンでホンダN-BOXが停まっているのを見かけた。チャイナタウンだけではなく、バンコク市内ではN-BOXに限らず、日本の軽自動車を見かけることがある。そこで現地在住の事情通に聞いてみると……。
「もちろん日本の軽自動車はタイ国内に正規輸入されておりません。これらのクルマは日本仕様のアルファード&ヴェルファイアなどと同様に、現地の個人輸入業者が車両を輸入して販売しています」とのこと。
ちなみに写真の車両ではないが、現地の某個人輸入業者のWebサイトに掲載されていたホンダN-BOX(先代型カスタム)の価格は279万バーツ(約1135万円)からという驚きの販売価格になっていた。希望するグレードやボディカラー、細かいオプションなどの仕様についてはリクエストも可能とのこと。
「この手の業者の値付けの目安では、日本での新車販売価格が100万円のモデルがあったとすると、タイでは100万バーツ(約400万円)といった感じになります(前出事情通)」。
仮に、新型アルファードの2.5X Zハイブリッド(FF)をタイで買おうとすると、日本での販売価格は620万円なので、日本仕様を並行輸入して販売すると620万バーツ(約2500万円)になるものと計算できる(ちなみにタイに正規輸入されているアルファードは2.5リッターハイブリッドしかなく、ベーシック仕様の価格は412万9000バーツ[約1680万円]となっている)。
予算を度外視してでも日本仕様に乗りたい!
タイでのN-BOXの販売価格を見れば、どんな人が購入しているのかは自ずとわかってくるのだが、一応事情通に確認してみると、やはり富裕層になるとのこと。「自宅にメルセデス・ベンツやポルシェなどのメインユースのクルマがあるなかで、“オシャレ感覚”で乗っている人がほとんどのように見えます」(事情通)
さらにユーザーの絞り込みを事情通が行ってくれた。「バンコク中心部にはまだ古いお屋敷街が残っており、そのような地域のソイ(通路)は狭いです。そのため、お屋敷に住む奥さまやお嬢さんが自分でクルマを運転してお買い物へ行くときなど、『小さい軽自動車が便利』という実用性を考慮したセレクトもあるのではないかと考えます」
2023年春にバンコクを訪れたときには、別の現地在住の知人から「ダイハツ・ムーヴ キャンバスがお金持ちの間でちょっと流行っています。ただし価格は1000万円ほどします」という話を聞いた。
そして、たまたまバンコク中心部でピンクとホワイトの2トーンカラーのムーヴ・キャンバスが走っているのを見かけた。ムーヴ・キャンバスあたりなら、事情通の分析どおり富裕層の奥さまやお嬢さんが運転しているのかもしれない。
タイというか、東南アジア全体に言えるのだが、同じ富裕層と言っても、日本のそれとはスケールがまったく異なり、まさに大富豪という表現が似合うほどのスーパーリッチ層となっている。日本仕様のアルファードやヴェルファイアも「金に糸目はつけないので、正規輸入モデルではなく日本仕様に乗りたい」というニーズが目立つとも聞いている。
筆者のような日本人からすると、“軽自動車が1000万円以上”となれば、「えっ~!」となるが、正規輸入販売されておらず、1000万円以上払って乗ろうという人もいない日本の軽自動車だが、タイでは目立ち度抜群で富裕層にはコスパがいいのかもしれない。
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自民党が「売上税は」導入しませんと言って、国民を騙して導入した「消費税が」生み出した日本経済空白の30年は大きな人災だなとつくづく思います。