かつては、ファミリーカーの定番モデルとして圧倒的な人気を誇ったミニバン。SUVの台頭やモデルの統廃合などによって車種数自体が減少傾向となっている。
2019年のトヨタエスティマをはじめ、2021年にはトヨタエスクァイア、ホンダオデッセイと一世を風靡し、ミニバン人気を支えたモデルが続々と生産終了となったのは記憶に新しい。
正式発売前に大人気の新型ステップワゴン、ライバルの新型ノア/ヴォクシー試乗からその走りを予想する!
ここでは、絶版となり中古車でしか手に入らなくなった人気ミニバン3モデルは狙い目なのかどうかを検証してみたい。
文、写真/萩原文博
ヒットモデルのエスティマは1,000台を超える中古車が流通
トヨタエスティマのフロントスタイル
まずは、2019年に生産終了したトヨタエスティマからだ。初代モデルは1990年に登場。天才たまごと呼ばれたワンモーションフォルムを採用し、ミニバンのドレスアップブームの火付け役となった。当時はミニバン=エスティマと言われるほど高いブランド力を確立したモデルだった。
2000年に登場した2代目モデルから、FFの駆動方式を採用し、最終型となった3代目は2006年1月にエスティマ/エスティマハイブリッドが同時に登場した。
ガソリン車のエスティマは2.4L直4エンジンと最高出力280psを発生する3.5L V6エンジンを搭載した2種類を用意。またエスティマハイブリッドのハイブリッドシステムは先代のTHS-CからTHS-IIに変更。動力性能と燃費性能を向上させたのが特徴となっている。
2006年に販売開始して以降、最終型エスティマは内外装の変更とともに商品力を向上させるマイナーチェンジを何度も行っている。2008年に1回目のマイナーチェンジを行いそして、2012年に2回目のマイナーチェンジでは、ハイブリッド車にもエアロ系グレードのアエラスを設定した。
販売開始から10年が経過した2016年に、3度目のマイナーチェンジ実施。3.5L V6エンジンを廃止し、パワートレインは2.4Lガソリンエンジンとハイブリッドのみと変更したのをはじめ、またグレード体系もエアロ系グレードのアエラスのみに統一。物足りなさのあった運転支援システムは「トヨタセーフティセンスC」を標準装備することにより、充実させている。
現在、ガソリン車のエスティマの中古車は約1,670台流通していて、そのうち約1,510台が最終型となっている。最終型エスティマガソリン車の中古車の平均価格は約90.4万円。価格帯は約11万~約362万円だ。
一方、エスティマハイブリッドの中古車は約310台流通していて、そのうち約285台が最終型となっている。中古車の平均価格は約154.1万円で、価格帯は約23.2万~約449万円とガソリン車、ハイブリッド車ともにかなり広い価格帯となっている。
年式で見ると、エスティマのガソリン車は2009年~2012年式の中期型と呼ばれるモデルが約292台と最も多く、続いて、2016年式以降の3度目のマイナーチェンジ以降のモデルが約231台となっている。一方のエスティマハイブリッドは2016年以降が約54台で最も多く、次いで約50台の2009年~2012年式の約50台と中古車の分布が異なっている。
タクシーでも活躍する上級ミニバンのエスクァイア
ミニバン激戦区である2Lミドルサイズクラスに、ヴォクシー/ノアの兄弟車として、トヨタエスクァイアは2014年10月に投入された。ファミリーユースメインのヴォクシー/ノアがエアロパーツを装着したスポーティな3ナンバー仕様を設定しているのに対してエスクァイアは「新上級コンパクトワゴン」というキャッチグレーズどおり、5ナンバーサイズのみで上質さを追求したモデルとして差別化を図っている。
外観デザインでは上級モデルであるアルファード譲りのバンパー下部まで伸びる堂々とした縦基調のフロントグリルが特徴。さらにドアハンドルにバックドアなどにメッキ加飾を施し存在感と上質さを演出している。インテリアでは、インストルメントパネルからドアトリムにかけて、合成皮革をあしらい金属調加飾を施し質感の高さを演出した。
搭載されているパワートレーンは2L直列4気筒ガソリンエンジン。そして1.8L直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。両ユニットともに、組み合わされるトランスミッションはCVTで、駆動方式は2Lガソリン車が2WDと4WD、ハイブリッド車は2WDのみとなる。2014年に販売開始して以降
エスクァイアはマイナーチェンジを1度、一部改良は2度行い商品力を向上させている。2016年1月の一部改良では、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティはじめ、4つの機能がセットとなった運転支援システムのトヨタセーフティセンスCを設定。
2017年に7月に実施したマイナーチェンジでは、外観デザインではヘッドランプを変更し、先進性と精悍さを強調。特徴的なフロントグリルの横幅を拡大するとともに、メッキバーをセンター部分は太く、サイド部分を細くし、その間にシルバーの樹脂を挟み込むことにより、立体感を強めて高級感や堂々とした存在感を強化した。
スライドドアにシールを追加し遮音性の向上をはじめ、空力パーツの追加やボディ剛性能向上、そのうえサスペンションに加えることで優れた操縦性と乗り心地、静粛性を実現した。また、アクセルを踏まなくても定速走行が可能なクルーズコントロールをはじめ、紫外線を約99%、赤外線を効率良く遮断するウインドウシールドガラスを全車標準装備するなどユーティリティが向上している。
そして2019年1月の2度目の一部改良では衝突回避支援パッケージであるトヨタセーフティセンスをバージョンアップ。昼間の歩行者も検知対象に加わった最新鋭のプリクラッシュセーフティを搭載した。また、駐車場でのアクセルとブレーキのペダル踏み間違い時における衝突被害軽減に寄与する安全機能であるインテリジェントクリアランスソナーを新設定している。
現在、エスクァイアの中古車は約1,115台流通していて、平均価格は約229.2万円。価格帯は約90万~約438万円となっている。3カ月前の2021年12月の時点では、流通台数は約1280台、平均価格が約221万円だったので、流通台数が減少し平均価格は上昇となっている。
エスクァイアの中古車は2014年~2018年式に集中しているのが特徴。グレードでは、ハイブリッドの上級グレードであるGiや特別仕様車のGiブラックテーラードが多くなっている。
まだ新車も手に入るかもしれない最終型オデッセイ
ビッグマイナーチェンジから1年で生産終了となったオデッセイ
最後に紹介するのは、現在のミニバンブームの火付け役となったホンダオデッセイ。すでに生産終了しているが、在庫車ならば新車が手に入るようだ。
2013年10月に登場した5代目となる最終モデルのオデッセイは、上級モデル、エリシオンとのモデル統合によってシリーズ初となるリアスライドドアを採用したのが特徴。さらに、天井高を上げるだけでなく、床面高を下げる「超低床プラットフォーム」を開発。従来モデルをはるかにしのぐ広い室内空間と歴代オデッセイで定評のあった爽快で安定した走行性能を確保している。
搭載するエンジンは全車レギュラーガソリン仕様の新開発2.4L直列4気筒i-VTECエンジンだが、スポーティ仕様のアブソルートには、力強い加速を発揮する2.4L直噴 i-VTECを搭載。トランスミッションは全車CVTで、アブソルートにはパドルシフトを採用した7スピードモード付CVTを採用した。
先進の安全装備として、リアバンパーに設置したレーダーで車両の後側方を監視し、死角エリアに存在する車両をドライバーに知らせる「ブラインドスポットインフォメーション」や前走車だけでなく、対向車にも作動し、誤発進抑制機能も備えるなどさらに進化した「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」、前走車への追突や誤発進の未然防止をサポートするシティブレーキアクティブシステムなどを採用している。
2015年に行った一部改良で、オデッセイは先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を搭載。衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめ7つの運転支援機能をパッケージ化して採用。
2016年には「スポーツハイブリッドi-MMD」と呼ばれるハイブリッドシステム搭載車を設定。2Lガソリンエンジンと駆動、発電を行う2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは積極的にモーターによる走行を行い、JC08モード燃費で26.0km/Lという優れた燃費性能を発揮した。このハイブリッド車は2WD車のみの設定となる。
2017年11月には内外装の変更と同時に、機能性が向上した安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車に標準装備した。そして2020年11月オデッセイはマイナーチェンジを行い、内外装のデザインを一新。
安全運転支援システム「Honda SENSING」に後方誤発進抑制機能を追加するなど商品力に磨きを掛けている。さらにグレードの整理を実施し、標準モデルを廃止しアブソルートのみなった。また直噴エンジンが廃止され、標準モデルに搭載されていた2.4L直列4気筒i-VTECエンジンのみとなっている。
現在、最終型オデッセイの中古車は約1,600台流通していて、平均価格は約215.9万円。価格帯は約60万~約499万円となっている。2021年10月の時点では流通台数は約1,985台で平均価格は約216万円。価格帯は約50万~約497万円だった。
平均価格は横這いとなっているが、中古車の流通台数は減少傾向となっている。最近まで販売されていたエスクァイアやオデッセイは、昨今の新車の納車遅延の影響も多少は影響が出ているようだ。
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ベストカーは無責任な妄想スクープ記事で平気で嘘つくカー雑誌ですからねぇ。