■まるで「ミニシビック」? 新型「シティ」初公開
2024年2月7日、ホンダ・オートモービル・タイランドはマイナーチェンジした現地仕様の新型「シティ」を初公開しました。
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マイナーチェンジにおけるわかりやすい変更部分は刷新されたフロント部の意匠。そのデザインを見て筆者が感じたこと、それは「ミニシビック」です。
もちろんシビックは現地でも販売されていて、今回新型が発表されたシティはシビックよりもひとまわり小さな車体のコンパクトカー。
しかし、従来モデルに比べて明らかにシビックの雰囲気が感じられるのです。フロントグリルのデザイン変更(「RS」以外のモデルも水平基調からハニカム形状になった)などで、よりシャープに感じる意匠となったことがその理由でしょう。
さらにスポーティタイプの「RS」はボンネットフードとヘッドランプ&グリルの境目やバンパー下部中央もブラックで引き締められることで、よりシビック(ただし先代)に近い印象。従来モデルよりもスポーティ感が増したように感じられます。
今回のマイナーチェンジではフロントのみならず、リアバンパーやアルミホイールも新しいデザインに。
また一部グレードにはルーフをブラックとした2トーンカラーも設定さするなど新しいトライもおこなっています。こちらもスポーティな雰囲気を強調するコーディネートと言っていいでしょう。
パワーユニットは従来モデルと変わらず、4気筒の1.5リッター自然吸気エンジンと2モーターを組み合わせたフルハイブリッドの「e:HEV」と、3気筒の1リッターターボエンジン(122ps)を積むガソリン車「VTEC TURBO」の2タイプを設定。
シティは日本でいうと「フィット」に相当するモデルですが、ガソリン車に関してはフィットと異なるエンジンを積むのが興味深いところですね。タイ仕様のほうがパワフルなので、「日本向けにもこのターボエンジンを組み合わせたらもっと楽しくなりそう」と思うところです。
ところで「シティ」といえば、ある程度の年代以上の人はかつて日本で売っていたモデルを思い出すかもしれません。
背の高いフォルムで人気を博した国内版シティの初代モデルは1981年から1986年にかけて、一転してロー&ワイドなプロポーションとなった2代目は1986年から1995年に日本で販売されていました。
日本ではその後「ロゴ」時代を経て「フィット」へと続くわけですが、海外では独自の道をたどっているというわけです。
タイにおいては、「シビックフェリオ」をベースとしたモデルをシティとして販売したのをはじめ、日本でも「フィットアリア」や「グレイス」として発売したコンパクトセダンもタイでの名称は「シティ」でした。
現在はセダンのほかにハッチバックも展開。ハッチバックに関して先代までは日本のフィットと同じモデルを「ジャズ」として売っていましたが、現行世代からセダンと同じ名前を冠した「シティハッチバック」へと変更されています(欧州向けは日本のフィットに準ずる車体の「ジャズ」を継続)。
同時に、フィットとは決別しデザインだけでなくボディサイズも異なるコンパクトカーの道を歩むこととなったのです。
車体サイズは日本のフィットが全長3995mm×全幅1695mmなのに対し、タイ仕様のシティハッチバックは同じプラットフォームを活用しつつ全長4360mm×全幅1748mmとひとまわり大きなサイズです。
ところで、「シティハッチバック」が、同じ5ドアハッチバックのコンパクトカーながらフィットとサイズが異なるのにはふたつの理由が考えられます。
ひとつは実用性の面です。
タイをはじめ東南アジアでは、コンパクトカーを5人家族のファミリーカーとして使うことも一般的。そこで、コンパクトカーとは言っても“大きなこと”と“余裕”が求められるというわけです。
もうひとつは見栄えの面です。
タイなどではクルマは見栄えが重要で、ライバルよりも大きいほうが立派に見えるから好まれるというわけです。
逆に日本のコンパクトカーは“小ささ”が重視され、5ナンバー枠からはみ出ると敬遠されるほど(シティハッチバックは5ナンバー枠に収まっていない)。
同じメーカーのコンパクトハッチバックながら、仕向け地のニーズによって車体サイズを変えて対応しているのはなかなか興味深いですね。
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みんなのコメント
タイトルも「初公開!?」など「!」を乱発しないで普通にタイのシビックというタイトルで良い。
引っかかってしまった。