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ホンダの“ラグジュアリー・スポーツ”──新型シビック・タイプR RACING BLACK Package試乗記

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ホンダの“ラグジュアリー・スポーツ”──新型シビック・タイプR RACING BLACK Package試乗記

ホンダの新型「シビック・タイプR」に追加された「RACING BLACK Package(レーシングブラックパッケージ)」の魅力とは? サトータケシがリポートする。

尖った存在であってほしい

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2025年1月に行われた「東京オートサロン2025」で披露されたホンダ・シビック・タイプRの新たなバージョン、RACING BLACK Packageに試乗した。

新しいグレードのポイントは、スポーツドライビングに集中できるようなインテリアのコーディネイトで、メカニズムに関しての変更はアナウンスされていない。

まもなく新ビル建築のための取り壊しが始まる東京・青山一丁目のホンダ青山本社ビル地下駐車場で、試乗車と対面。外観は見慣れたタイプRと変わらない。

けれどもドライバーズシートに収まると、新鮮な景色が目に飛び込んでくる。ダッシュボードやドアの内張りは、いかにも手触りのよさそうな黒い人工皮革「ウルトラスウェード」で覆われ、ステアリングホイールやシート、6MTのシフトセレクターのブーツには専用のステッチがあしらわれている。

マットなブラックでトータルコーディネイトされたインテリアは、ラグジュアリー・スポーツといった趣。“スポ根”ではなく、“ラグスポ”な装いにしているのがイマっぽい。

ただし、ノーマルのシビック・タイプRが¥4,997,300であるのに対して、RACING BLACK Packageは¥5,998,300という価格設定になっているのは、賛否両論あるだろう。筆者もケチな人間なので、インテリアだけで¥1,000,000か……、と、ため息が出た。

でも、それがいい。ホンダ、特にタイプRというブランドに関しては、万人受けを狙うのではなく、尖った存在であってほしい。

そんなことを思いながら、スタートボタンをプッシュして2.0リッター直列4気筒のVTECエンジンを始動する。絶妙な重さ加減のクラッチペダルを踏み込んで1速にシフト、カチッと決まるだけでなく、最後の数mmが吸い込まれるようなシフトフィールに、別の意味でため息が出る。

エンジンは低回転域からトルキー。クラッチのミートポイントがわかりやすいこともあって、アクセルペダルを踏まずにアイドル回転のままでスーッと滑らかに発進する。

地下駐車場から春の陽射しが降り注ぐ青山通りに出ると、ダッシュボードを漆黒のウルトラスウェードで覆ったことがただの装飾ではないことを体感する。フロントウィンドウへの映り込みを極力廃するための機能部品なのだ。キラキラやギラギラが排除された運転席は、確かにドライビングに集中できる。

それにしても、VTECエンジンの完成度の高さには恐れ入る。低回転域でトルキーだと記したけれど、中速域では回転の上昇とともに力感がみなぎり、そのまま7000rpm+αでカットオフが働くまで一気に回る。ターボラグはまったく感じることはなく、右足とエンジンが直結していると感じるくらいレスポンスが鋭い。

フラットで引き締まった快適な乗り心地は、ファミリーカーとして使ってもまったく問題がない。この乗り心地を実現できた理由としては、高いボディ剛性、可変ダンパー、そして出来のよいシートやタイヤなど、さまざまな要因があげられる。そしてこうした要素をすべて揃えたうえで、クルマと運転を知り尽くしたエンジニアが、納得いくまでチューニングしたことが伝わる。

「NORMAL」「SPORT」「+R」「INDIVIDUAL」が、用意されるドライブモードでSPORTを選ぶと、NORMALに比べてクルマ全体が1割ほどコンパクトになったかのように、ぎゅっと引き締まった印象に変わる。

じゃあ+Rはもっとスポーティで気持ちがいいか? というと難しいところで、確かにソリッドさを増す排気音にはゾクゾクするけれど、舗装の荒れたワインディングロードでは足まわりが少しバタつく。市街地や高速巡航「NORMAL、ワインディングロードがSPORT」、クローズドコースが+Rといったあたりか。

このクルマの素晴らしいところは、速くてエキサイティングというだけでなく、エンジンもシフトも乗り心地もブレーキも、すべての手触りが繊細に作り込まれている点にある。量産モデルの評価にふさわしい言葉ではないけれど、“手作りの”という表現を使いたくなるほど、丁寧に作られている。

文句がつけようがない入魂の傑作であるけれど、残念なのはこのRACING BLACK Packageも、タイプRの標準仕様も、受注を停止している点だ。世界中のクルマ好き、ホンダファンのためにも、一刻も早くこの事態が解消することを願いたい。

文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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