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競合だらけのなかで目標の6倍を受注した新型ヴェゼル! 鍵は「使い勝手」にあった

掲載 更新 52
競合だらけのなかで目標の6倍を受注した新型ヴェゼル! 鍵は「使い勝手」にあった

 SUVの価値を踏まえたクルマづくりを行ったことで人気を得た

 コンパクトSUVのホンダ・ヴェゼルは、2021年4月23日に発売され、5月24日には3万2000台を受注したと発表された。高人気の背景には複数の理由がある。

名前は「ヴェゼル」だが別モノ感たっぷり! 正常進化「じゃない」クルマ作りを行ったワケ

 まずはヴェゼルの商品力だ。今はSUVが人気のカテゴリーになり、なおかつクルマの価格が全般的に高まった影響もあって、コンパクトな車種も好調に売られている。ヴェゼルのようなコンパクトなSUVは、売れ筋の要素を2つ備えるわけだ。

 ただしコンパクトなSUVには競争相手も多い。トヨタはヤリスクロスとライズ、日産はキックス、マツダはCX-30やCX-3をそろえる。

 競争相手の多い中でヴェゼルが好調に売れる理由は、これらのコンパクトSUVの中で、後席の居住性と荷室の使い勝手がもっとも優れているからだ。ヤリスクロスやCX-3をファミリーで使おうとすれば、後席と荷室が狭いが、ヴェセルなら十分に満足できる。

 この優れた実用性は、SUVというカテゴリーの魅力とも合致する。SUVが高い人気を得た理由も、外観のカッコ良さと、居住性や積載性の両立にあるからだ。つまりヴェゼルは、SUVの価値を踏まえたクルマづくりをすることで人気車になった。

 そしてヴェゼルの優れた実用性は、燃料タンクを前席の下に搭載するホンダ独自のプラットフォームで実現され、2013年に発売した先代(初代)モデルも同じ特徴を備えていた。

 今のホンダのブランド内では上級車種に位置する

 従って先代ヴェゼルも売れ行きは好調で、2014年から2016年には、SUVの国内最多販売車種になった。2017年と2018年は、SUV国内販売1位をトヨタC-HRに譲ったが、2019年にはモデル末期ながらもヴェゼルが1位に返り咲いた。

 このようにヴェゼルの高人気は、先代モデルによるところが大きい。先代モデルも、発売後1か月の受注台数が3万3000台に達していた。新型ヴェゼルは先代型からの乗り替え需要も豊富だから、好調に売れて当然といえるだろう。

 ホンダのブランドイメージも変化している。今のホンダの国内新車販売状況を見ると、N-BOXをはじめとする軽自動車+フィット+フリードを合計すれば、国内で売られるホンダ車の70~80%を占めてしまう。中高年齢層のユーザーにとって、ホンダのブランドイメージはスポーティカーだが、今の比較的若い人達から見れば「小さなクルマのメーカー」だ。

 そのためにステップワゴンやオデッセイは、以前に比べて売れ行きを下げた。その点でヴェゼルは、コンパクトSUVだから、今のブランドイメージにも上限ギリギリで合っている。今のホンダにとって、ヴェゼルが事実上の最上級車種なのだ。

 ヴェゼルの人気動向を販売店に尋ねると以下のように返答された。「ヴェゼルは従来型からの乗り替えが多いが、ステップワゴンやオデッセイからのダウンサイジングもある。さらに日産エクストレイルなど、他メーカーのお客様が購入されることもあるから売れ行きを増やした。ただし納期は長く、2021年6月上旬の契約で、大半のグレードが2021年末の納車になる。最上級のPLaYは2022年(来年)6月だ」。

 ヴェゼルは商品力が高く、今のホンダのブランドイメージも追い風になって人気を高めたが、納期を半年から1年に遅延させながら「1カ月で3万台を受注」と誇ることはできない。今はホンダに限らず、各メーカーともに受注台数を人気の証として公表するが、宣伝に使うなら納車を伴った「登録台数」にすべきだ。購入した顧客が納期の遅延で不愉快になっているときに、「1か月で3万台を受注」と宣伝されたら、どのような気分になるのか。ちょっと考えればわかることだろう。

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