3月10日に鈴鹿サーキットで開催された2024年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース JSB1000クラスの決勝。長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)はポールスタートからホールショットを奪い、レースは4位で終えた。ダンロップタイヤの開発、JSB1000デビューレース、そして赤旗でレースが再開された展開を長島はどう戦ったのだろうか。
Moto2を経て日本に戻り、鈴鹿8耐での2連覇、MotoGPやWorldSBKでの代役参戦を経験してきた長島が、2024年から全日本ロードJSB1000クラスに挑むことになった。それも多くのライダーが使用するブリヂストンタイヤではなく、3年計画でダンロップタイヤの開発を担い、購入できるパーツを使用してキットのホンダCBR1000RR-Rでチャンピオンを狙うというものだ。
SF第1戦/全日本ロード第1戦鈴鹿2&4レースは2日間で3万3000人が来場。水樹奈々さんの国歌斉唱も
ワークスマシンではなくキット車に乗り、初戦でタイヤもまだこれから開発していくものを履いたが、事前テストと木曜日と金曜日の走行では速さを見せて、予選は中止となったがポールポジションの位置を獲得。決勝では中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)と3台でバトルを繰り広げたが、赤旗中断となった。
長島は「一番難しかったのはスーパーフォーミュラの(タイヤ)ラバーです。予選がキャンセルとなり(路面の)フィーリングの確認もできなかったので、対策ができなかったですし、序盤のタイヤがあるときはごまかせましたが、どんどん厳しくなりました」と振り返った。
これは2&4レースならではの路面変化で、タイヤのグリップがなくなるようで、「アクセルを開けたときに、グリップさせて向きを変えたりサスペンションを沈めたりしますが、そこのグリップがなくなるので、サスを沈める前にリヤが滑ってしまいます。本来、向きを変えたいところで変えられなくなる。自分はラインがワイドになり、バイクも起こせなくて、それで立ち上がりでロスして、ストレートで抜かれる展開でした」と語る。
そんななか赤旗中断となり再度レースが行われることになった。長島は「また14周のレースということで結構厳しかったです」というが、ライバル勢は国内競技規則 付則4 24-1-2にある『マシンのセッティング変更、部品・タイヤ交換(タイヤ本数規定に抵触する場合は不可)を含む修理・給油ができる。』にあたるタイヤ交換をしていたが、長島は「タイヤがなかった」ようで、赤旗前と同じタイヤで再開後のレースを戦ったからだ。
「どうにもできなくて、14周と聞いた瞬間にキツいなと思いました。序盤のペースが(水野)涼選手も中須賀選手も想定していたラップタイムより速かったです。テストと比較しているタイムより全然速かった」と、もしSC導入がなくてもトップ集団から離されていたというが、「セーフティカーが出たときにすごいチャンスだと思いました。唯一チャンスが巡ってきたので、勝つためにはなんでもやろうと思って、しっかり備えようと思ったんすけどね。でもこれがレースなんでね」と一発の速さを生かしてSC明けに一気にトップに食い込む作戦を立てていた。
しかし、SC中の転倒がありそのままレースは赤旗終了。長島はデビュー戦を4位で終えたが、「そもそもこのプロジェクトのスタートした初戦で、一発の速さは見せられていると思いますし、(勝つ)可能性は見せられていると思います。4位で終えられたのはそこまで悲観するほどの状況ではないと思います。特に今回は新型マシンになってデータもないなかでした」と今回のデータが次に生かされる模様。
もちろん次戦に向けての課題もあり、「ストレートスピードはドゥカティとヤマハはやっぱり速いです。序盤はなんとか抑え込もうと思いましたが、差が出ちゃうと厳しかったです。まだまだバイク面で詰められることはあると思いますし、ヤマハとドゥカティのファクトリー、ヨシムラもスズキファクトリーみたいな状況のなか、プライベーターで挑む難しさでもありました」と話す。
「やりがいは感じられましたし、レースしてすごく楽しかったです。可能性は見せられたので、ここから自分たちがどう成長していくのか、どうトップまでたどり着くのかを一緒に楽しみながら見ていてもらいたいです」
「ダンロップタイヤ、プライベーターチームというパッケージではみんなの想像を超えたのかなと思います。目標はあくまでも3年間でチャンピオンを獲ることなので、そこに向けてしっかりみんなで仕事をしていきます。4位は欲しかったものではないですが、ここから頑張ります」
「もちろんポールは全戦獲りに行こうと思っていますし、そこはこだわるポイントですが、しっかりレースに向けて開発をしないといけないのでそこは見失わないようやっていきたいです」
デビュー戦からトップを走るポテンシャルを見せたDUNLOP Racing Team with YAHAGIの長島。すぐに表彰台、そして優勝を獲得するように開発を進めていくことだろう。今年のJSB1000は優勝争いから目が離せなくなりそうだ。
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みんなのコメント
スペシャル使ってるどこかのチームが危険をアピールしたのではって。
みての通り、市販タイヤは順位争いも熾烈で面白い。
スペシャルはさようなら👋
プラクティスまではバンバンNewがでてきてたのに、、、