■日産「すごいスカイライン」は何が凄い!?
日産は、2024年5月22日から24日までパシフィコ横浜で開催された自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA(以下、人テク展)」にて、「ProPILOT-コンセプトゼロ 試作車」の実車を公開しました。
【画像】「えっ…!」これが日産の公開した「試作モデル」です!(35枚)
人テク展はクルマに関わる最新技術の展覧会で、自動車メーカーのみならず車体・部品メーカーも参加し、将来実用化される生産技術なども登場することから、業界内外から広く注目を集めるイベントとなっています。
ここで日産は今回、同社の長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を通じた環境問題や社会課題への対応を紹介するとともに、カーボンニュートラル実現に向け進化を続ける日産独自の電動化技術や、交通事故の死者数を実質ゼロを目指す最先端のクルマの知能化技術を展示しました。
また、この出展の一環として実車公開されたのが「ProPILOT-コンセプトゼロ 試作車」です。
同車は高級スポーツセダン「スカイライン」をベースに、クルマの緊急回避性能を飛躍的に向上させる運転支援技術「グラウンド・トゥルース・パーセプション」を搭載。
その名の通り現在も“試作車”の状態ではあるものの、過去に行なわれたデモンストレーションでは同車が実際に完全自動でステアリングを切ってブレーキをかけるなど緊急回避操作をおこない、交差点から飛び出してきたバイクや歩行者を安全に回避する様子が公開されています。
交差点での出会い頭の事故は、信号や標識の見落としや片方あるいは双方のドライバーの不注意により発生する、重大な被害に繋がるトラブルです。
日産はこうした事故を防ぐため、高性能なセンシング技術「次世代LiDAR(ライダー)」と優れた判断能力によって衝突を自動回避する技術を用い、極めて判断が難しい複雑な状況においてもクルマが周囲の情報を正確に捉え、瞬時に危険を回避することを可能としました。
さらにこのシステムは、衝突回避のために急ブレーキを作動させた後であっても、危険が無くなり次第ブレーキを解除するなど状況の変化を把握して次の動きに向けた行動を行うので、本当の意味での「自動運転」を可能にする技術のひとつといえるでしょう。
もちろん、このような最新システムは市販車に搭載され普及しなければ意味がありませんし、すぐに完全自動運転が可能な世界が訪れるわけでもありませんが、日産の自動運転技術が新たなステージに進んでいることを示すものであることは間違いありません。
日産はこの技術の開発について2020年代半ばに完了させ、順次新型車へ搭載。2030年までに全ての新型車に搭載することを目指しており、引き続き期待と注目が集まります。
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