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中国勢ブースはニューモデル続々登場で華やかな一方……「日本車メーカー」ブースは閑古鳥なところも!?【広州モーターショー2023】

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中国勢ブースはニューモデル続々登場で華やかな一方……「日本車メーカー」ブースは閑古鳥なところも!?【広州モーターショー2023】

 2023年11月17~26日まで開催された中国・広州モーターショー2023。2003年に第1回が始まり、以後毎年開催されているモーターショーだが、今回広州市現地を訪れ、感じたことをレポートしよう。

文、写真/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生

中国勢ブースはニューモデル続々登場で華やかな一方……「日本車メーカー」ブースは閑古鳥なところも!?【広州モーターショー2023】

■毎年開催の広州モーターショーだが、熱気は衰えず!

広州モーターショー2023プレスデー初日の会場前での筆者

 来場者数は現地での発表によると、約84万7000人。ジャパンモビリティショーが4年ぶりに開催され、111万2000人を記録したことを思えば「なんだ、大したことないじゃん」と思うかもしれないが、前述したように広州モーターショーは毎年開催されている。

 広州モーターショー公式サイトでの発表によれば、展示されていたモデル数は1132台で、そのうちNEV(新エネルギー車)は約4割に当たる469台だった。ワールドプレミアされたモデルは全部で59台。

 7カ月前の2023年4月に私が訪れた上海モーターショー2023では1413台が展示され、ワールドプレミアが93台、来場者数は90万6000人を記録していたことを思えば、広州モーターショー2023の規模は確かにやや小さい。だが、上海モーターショーは今や世界最大のモーターショーであり、しかも4年ぶりの開催だったことを思えば、決して引けは取らないだろう。

 ジャパンモビリティショーではインポーターの出展はメルセデスベンツとBMW、そしてBYDのたった3社だったのに対し、広州ではメルセデスベンツとBMW以外にVWやアウディ、ランボルギーニ、ベントレー、ロールスロイス、PSA、日本からは撤退したフォードなどなど華やかなもの。

 今回の広州モーターショーの中心はBYDのクーペSUV、「シーライオン07」など中国メーカーからの出展だったのだが、日本車メーカーでも中国仕様の新型カムリやブリーズPHEV、アコードPHEV、さらに日産から中国仕様パスファインダーなどがワールドプレミアされた。

 ちなみに日本車メーカーでブースを出展していたのがトヨタの一汽トヨタ、広汽トヨタで、中国トヨタ(TMCI)としての出展はなし。また、ホンダも広汽ホンダと東風ホンダがブースを構えていたほか、日産も東風日産がブースを展開。さらにマツダとスバルもブースを出展していた。

[articlelink]

■閑散としていた日本車メーカーブースに一抹の寂寥感も……

新型カムリを8台ほど用意してワールドプレミアを実施した広汽トヨタブースには中国勢に負けないくらいの人だかりが

 開催期間中、広州現地からモーターショーの速報を何度かお届けしてきたが、やはり最も肌で感じたのは日本車メーカーのブースに人があまりいないということだ。

 もちろん、トヨタ系2社とホンダ系2社は前述のワールドプレミアモデルの出展以外に、出展面積や内容面などもかなり頑張っていた。レクサスもレクサス車以外に新型センチュリーを展示するなど存在感を示していたと思う。

 ただ、日本メーカーのブースのなかには正直閑散としていたところもあったのだ。一方、その隣の中国メーカーのブースにはわんさか人が押しかけ、おなじみの若い女性ティックトッカーたちがズラリと並んでスマホで動画配信をしている。

広州モーターショー2023でのマツダブースの様子

 マツダでは現地生産されるCX-50にPHEV仕様がワールドプレミアされ、ダンサーたちによるパフォーマンスがブースで展開されたのだが、見ている人の数はほかの中国車ブースよりも明らかに少なかった。

広州モーターショー2023でのスバルブースの様子

 また、スバルは今回のショーにワールドプレミアモデル自体なし。スポーツモデルのBRZ STI Sportを中心にSUVのクロストレック、フォレスター、レガシィアウトバックなどが展示されていたが、そこそこの広さのあったブースなのに人が……いないのである。

 折しも2023年3月から中国現地工場での稼働を停止していた三菱自動車は同年10月、正式に広汽三菱汽車を広汽汽車に譲渡して中国市場からの撤退を正式に表明している。現地メディアの人間からは、「日本メーカーで次に撤退するのはどこなのか?」といった話題も頻繁に持ち上がっているとも聞いた。

■EVを作るために内燃機関を持つPHEV仕様も生産され続けている?

中国メーカーからは多くのNEV、EVやPHEVのニューモデルが出展されていたのだが……

 これも現地メディアの人間から聞いた話だが、NEV普及へ急速に進展している中国だが、あまりに競争が激しいため、淘汰されているところも目立ってきているようだ。ちなみに中国政府からのNEV補助金はすでに終了しているのが現状。

 日本でのBYDは現在、ATTO3にドルフィン、そして今後販売が予定されるSEALなどすべてがEVなのだが、中国国内のラインナップは前述の海洋シリーズ以外にもさまざまなブランドを持ち、さらにPHEV仕様も設定されている。つまり、中国国内でも完全に内燃機関の生産が終わったワケではない。

 ジャパンモビリティショーではBYDのサブブランドであるDENZA D9のBEVが出展され、今後日本市場での販売が予定されているが、こちらも中国国内ではPHEV仕様が販売されている。

 現地メディアの人間に聞いたところ、値引き競争にさらされ、利幅が薄いとされるEVを中国で生産するためには内燃機関を内包するPHEVを併売しないと成り立たないのだという指摘を受けた。

 このあたりは急速にEVシフトへ突き進んでいる中国国内自動車事情の「光と影」を感じざるを得なかった。今後、BYD以外にも日本進出を狙う中国メーカーがあるとのことだったが、詳細がわかり次第、またレポートしたいと思う。

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みんなのコメント

35件
  • rea********
    中国のEVブームも淘汰の時代になってチラホラ新興メーカーの中には倒産や撤退を余儀なくされた所もあるみたいだから、各ブースも必死だわな。
    只、クルマの魅力じゃなくて食べ物やお姉さんの肌で人呼んだりしてるブースもあるとかないとか?
  • ケン
    政策で補助金とエンジン車のナンバー登録にかなり高額取られるからBEVしか売れなくなってるんでしょ。
    そりゃ出さないよ。
    日本車だけじゃないんでしょ?
    日本メーカーがEVに手を出さないのは中国に牛耳られたバッテリーや原材料では供給も不安定でそちらに行かないだけ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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