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マイチェンでさらにコスパが良くなった!フォルクスワーゲンの新型「T-Cross」の進化を徹底検証

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マイチェンでさらにコスパが良くなった!フォルクスワーゲンの新型「T-Cross」の進化を徹底検証

今や、ゴルフと並び、大人気のフォルクスワーゲンの1台が、2019年に欧州でデビューした(国内導入は2020年1月)、ポロをベースにコンパクトSUV化されたT-Cross。何しろ、日本国内において2020~2022年に3年連続で輸入SUV販売台数1位に輝いたベストセラーモデルなのである(2023年は兄貴分のT-Rockが1位、T-Crossは2位)。

T-Crossがこの夏、初めての大幅マイナーチェンジ

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人気の秘密は日本の路上にもジャストな全長4135~4140×全幅1760~1785×全高1580mm、ホイールベース2550mmというコンパクトで扱いやすいサイズ、すっきりとした質感の高いエクステリアデザイン、ポップでカラフルなボディカラー、そしてフォルクスワーゲンならではの充実した安全装備、先進運転支援機能などが挙げられ、とくに若年層、購入者の半数を占める女性ユーザーに好評なのだという。

パワーユニットはゴルフ以上の4気筒エンジンに対して、T-Crossは全グレードともに3気筒1Lターボをフォルクスワーゲンではおなじみの7速DSG(2ペダルMT/もちろんAT免許で運転OK)とともに搭載。スペックは116ps、20.4kg-m、WLTCモード燃費17・0km/Lである。

そんなT-Crossがこの夏、初めての大幅なマイナーチェンジを行った。ボディサイズや取り回し性の良さはそのままに、ヘッドライトやバンパーを中心とするエクステリアデザインを刷新。インテリアでは前型で一部のユーザーに不満があった質感を向上。具体的にはダッシュパッドのソフト素材(助手席前)、女性ユーザーからの要望もあったフロントシートヒーターの追加、プレミアムサウンドシステム”beats サウンドシステム”の用意などである(出荷は9月下旬以降)。



先進装備の充実も目玉のひとつ。T-Cross初搭載となるLEDマトリックスヘッドライト(TSI STYLE以上)のほか、全グレードにフォルクスワーゲン最新の運転支援システムであるTravel Assistを標準装備。Travel Assistとは、同一車線内全車速運転支援システムのことで、ACC作動時に先行車との距離を一定に保つほか、ステアリング操作を支援し、車線を維持した高速走行をサポートしてくれる、高速道路を利用したロングドライブでのドライバーのストレスを大幅に低減してくれる機能である。ちなみに作動中は、8インチのデジタルメータークラスターに作動状況が表示され、3車線道路では3つの車線、付近を走行する乗用車とトラックがそれぞれのアイコンで表示されるのだから楽しく安全だ。ちなみにリヤコンビランプはT-Crossのクロス=Xのデザインに変更されている(カッコいい!!)。



マイナーチェンジモデルのグレードは329.9万円のTSI Active、359.9万円のTSI Style、389.5万円のTSI R-Lineの3タイプ。その価格はマイナーチェンジの前のモデルに対して、TSI Activeが+1万7000円、TSI Styleが+2万1000円と、この時代には嬉しい僅かな値上げ(IQ.LIGHT、ダイナミックライトアシストやTravel Assist、デジタルコクピット、シートヒーター、パークディスタンスコントロールなどを含む装備類の充実からむしろ値下げ!?)にとどまる。TSI R-Lineに至っては、パーキングアシスト機能を省くなどして、上記の装備充実にして、なんと10万3000円の”値下げ”なのだから驚くしかない!! 実は、筆者が乗っているフォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアントにも自動駐車機能のパーキングアシストが付いているが、使ったことは1度もない・・・。

今回、試乗したのは、最上級のR-Line。ボディカラーは新色となるグレープイエロー、クリアブルーメタリック、キングズレッドメタリック(全8色)の中でも、マイナーチェンジモデルのテーマカラーとなるグレープイエローだった。

R-Lineと言っても、パワーユニットのスペックは他グレード同じ。しかし装備類として、R-Line専用エンブレム、ステンレスペダルクラスター、専用スポーツコンフォートシート、そして215/45R18サイズのタイヤ&アルミホイールが追加されることになる。



試乗車には、そのほか、オプションの純正インフォテイメントシステム・ディスカバリープロ、およびプレミアムサウンドシステム”beats” サウンドシステム(300W、8チャンネル、6スピーカー/荷室下にサブウーファー完備)などが装備されていた。



さて、T-Crossがデビューした時の試乗印象を思い出せば、エクステリアのデザイン性、3気筒エンジンとは思えないトルキーでスムーズな動力性能、フォルクスワーゲンらしい剛性感たっぷりの乗り味に感動できたものだったが、重箱の隅をつつけば、低速域でのエンジンの3気筒感、中低速域の足回りのバタつきが気にならないでもなかった。

乗り心地も目から鱗の快適さに進化

そんなことを頭に浮かべながら、新型T-CrossのR-Lineを走らせれば、思わず、「おっ、これはいい!!」と頬が緩んだ。パワーユニットに変更はないが、熟成が進んだのか、エンジンのスムーズさ、トルク感は一枚上手になり、トルキーに、伸びやかに加速を開始。しかも、マイナーチェンジ以前のモデルに比べ、車内の静かさが圧倒的に違うのである(マイナーチェンジの目玉のひとつ)。その車内の静粛性の高さから、ロングドライブでの騒音による乗員全員のストレス低減はもちろん、オプション装備されたプレミアムサウンドシステム”beats” サウンドシステムの迫力、音の良さも、存分に堪能できるというわけだ。

乗り心地もまた、目から鱗の快適さに進化した。R-Lineは唯一、スポーティな18インチタイヤを履いているのだが、良路での滑るような上質な乗り心地はもちろん、荒れた路面や段差を乗り越えた時のマナーも素晴らしいの一言。フォルクスワーゲン全車に共通する強靭なボディ剛性、足回り剛性の高さもあって、文句なしのフラットライド、快適感を見せつけてくれたのである。マイナーチェンジ前(初期型)のモデルに見られた足回りのバタつきも見事に解消。とにかく、一般道、高速走行を含め、「気持ちのいい」走りっぷりを披露してくれたのだった。

動力性能の高さにも改めて驚かされた。首都高速道路進入路のキツい上り坂、そして追い越し加速でもエンジンのトルクはモリモリと盛り上がり、高速巡行時を含め、3気筒1Lエンジン(ターボ付きだが)とは到底、思えない余裕のパフォーマンスを発揮してくれたのである(大人2名乗車時)。もう少しパワーとトルクが欲しい・・・というシーンに遭遇したとしても、全グレードに標準装備されるパドルシフトでシフトダウン(-)してやれば解決する。

ここで、T-Crossのパッケージについて報告すると、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で前席頭上に120mm、後席頭上に120mm、膝周りに40~180mm(後席スライド位置による)と、さすがにポロベースだけに後席が広々しているとは言い難いが(ゴルフ以上にある後席エアコン吹き出し口はなし)、前席優先のカップルズカーだと思えばどうということはない(後席は子供の乗車ならまったく問題なし)。

クラス最大級とされるラゲッジルームも、地上715mmの開口部に段差がなく(重い荷物の出し入れに有効)、幅1000mm、奥行き630~770mm(後席スライド位置)、高さ700mmと、なるほど、コンパクトSUVとして十二分なスペース、455Lを誇る容量を備えていると言っていい。もちろん、6:4分割の後席両方をややフラットに倒せば、さらに1281Lもの大容量になるから使い勝手がいい。

もっとも、ゴルフ以上に以前から装備されている電子パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能は依然、未搭載。ここはベース車のポロもそうであり、連動しているところが、オプションのナビゲーションの使い勝手とともに、新型T-Crossでほぼ唯一、ちょっと残念な部分ではある・・・(ACCの渋滞追従機能にもかかわる)。とはいえ、T-Crossの全方位の進化は素晴らしく、誰にでも薦めたくなる輸入コンパクトSUVであることは、以前にも増して間違いないところだ。

なお、試乗車のR-Lineには、メーカーオプションのDiscover Proパッケージ(ナビ)16万5000円、セーフティパッケージ8万8000円、”beats” サウンドシステムパッケージ6万6000円、ディーラーオプションのフロアマット(テキスタイル)3万7290円が装備され、オプション込みの価格は425万1290円とのこと。

文/青山尚暉
写真/青山尚暉 フォルクスワーゲン

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