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150万円以下で自動ブレーキ付き!? トヨタヤリス 意外な超買い得車と人気車だから知りたい要注意点

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150万円以下で自動ブレーキ付き!? トヨタヤリス 意外な超買い得車と人気車だから知りたい要注意点

 2021年最も売れたクルマはトヨタヤリス・シリーズだ(21万2927台)。ただし、このなかには、コンパクトハッチバック「ヤリス」、コンパクトSUV「ヤリスクロス」、スポーツモデル「GRヤリス」の3タイプ分の登録台数が含まれている。いっぽう、車種単体ではホンダN-BOX(18万8940台)が7年連続首位にたった。

 ヤリス・シリーズの内訳をみてみると、ヤリス10万1460台、ヤリスクロス10万3590台、そしてGRヤリスが残りの8000台弱となる。

150万円以下で自動ブレーキ付き!? トヨタヤリス 意外な超買い得車と人気車だから知りたい要注意点

 そこで今回は、このシリーズのトップバッターで登場した「ヤリス」の販売推移、そして購入時に確認しておきたい6つのポイントを解説する。

文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA

大人気な「ヤリス・シリーズ」の販売推移をチェック!!

 2021年に日本国内で最も多く売れたクルマは、トヨタのヤリス・シリーズだ。コンパクトハッチバックのヤリス、コンパクトSUVのヤリスクロス、スポーツモデルのGRヤリスを合計すると、21万2927台が登録された。

 3タイプの内訳は、ヤリスが10万1460台、ヤリスクロスは10万3590台とされ、残りの8000台弱がGRヤリスになる。

 クルマを選ぶ立場で考えると、コンパクトカーのヤリスとSUVのヤリスクロスは別のクルマだ。そこで販売ランキングも別車種として集計すると、国内販売の1位は軽自動車のホンダN-BOX(18万8940台)になり、2位はトヨタルーミー(13万4801台)、3位は軽自動車のスズキスペーシア(12万8881台)と続く。

 このようにヤリスとヤリスクロスを分けると、販売ランキングの順位は下がるが、カテゴリー別にみれば上位に位置する。ヤリスの登録台数は、小型/普通車ではルーミーに次ぐ2位で、立体駐車場を使いやすい全高が1550mm以下の車種では、最も多く売られている。

 ヤリスクロスも2021年はSUVの1位だ。2位はライズ(8万1880台)になる。このようにヤリスとヤリスクロスの販売は好調だから、シリーズ合計では1位になった。ここではコンパクトカーのヤリスについて考えたい。

1L販売も魅力的? なぜここまで売れているのか

軽くて、小さくて、扱いやすいヤリス。ボディサイズは全長3940×全幅1695×全高1500mm、ホイールベース2550mm。車両重量はガソリン車が940~1020kg、ハイブリッド車が1050~1090kg

 まず販売が好調な背景には、複数の理由がある。全長が4m以下のボディは5ナンバーサイズに収まり、最小回転半径は4.8~5.1mだから、小回りの利きも良い。前述のとおり、立体駐車場も利用しやすい。

 ヤリスは車両重量が軽く、燃費性能も全般的に優れている。特にハイブリッドXのWLTCモード燃費は36km/Lで、実走行の燃費も30km/L前後に達する。ヤリスハイブリッドは、日本で購入可能な4輪車のなかでは、燃料代が最も安い。

 安全装備も充実させた。衝突被害軽減ブレーキは、右左折するときに直進車を検知したり、横断歩道上の歩行者にも対応している。

 パワーユニットの選択肢も豊富だ。直列3気筒1.5Lと1.5Lハイブリッドに加えて、設計は古いが、1Lも用意している。

 1Lエンジン搭載車の価格は、1.5Lに比べて14万3000円安い。1LのX・Bパッケージは、衝突被害軽減ブレーキを省いたから推奨できないが、価格自体は139万5000円に収まる。衝突被害軽減ブレーキを標準装着する1.0Xも145万5000円だ。

 販売店では「1Lエンジン車は、法人のお客様やレンタカー向けに設定されたが、実際には一般のお客様も購入されている。買い物など街中の短距離移動が中心なら、1Lエンジンでも不満はなく、価格の安さが魅力になる」という。

 以上のような理由により、ヤリスの販売は好調だが、購入時に注意すべき欠点もある。それは以下のとおりだ。

せまい? 乗り心地は? ヤリス購入時に確認しておきたい6つのポイント

1、外観のデザイン:後方視界が悪い

 ボディはコンパクトで小回りも利くが、サイドウインドーの下端を後ろに向けて大きく持ち上げたから、斜め後方や真後ろの視界が悪い。後方の様子を映すモニターを装着しても、死角は残るので、後退時には自分で直接確認したい。このときに後方が見えにくいやリスは、事故の危険も増えてしまう。

*購入時の確認方法:縦列駐車や車庫入れを行って、運転のしやすさや後退時の安全性を確認したい。

2、居住性:後席の足元空間が狭く着座姿勢も窮屈だ

 前席の居住性や座り心地は、特に上質とはいえないが、コンパクトカーの平均水準に達している。しかし後席には注意したい。

 後席はまず足元空間が狭い。身長170cmの大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ少々だ。基本部分を共通化したトヨタアクアは、同じ測り方をして後席の膝先に握りコブシ2つ弱の余裕があるから、ヤリスは明らかに狭い。

 しかもヤリスは全高が1500mmと若干低く、天井を後ろに向けて下降させたから、後席は頭上空間も少ない。身長170cmの大人が座って、指2本分程度の余裕に留まる。天井が低いため、着座姿勢も腰が落ち込み、膝が持ち上がりやすい。

 後席はドアの開口部も上側が少し下降しているから、頭を下げて乗り降りする。

*購入時の確認方法:運転席に座って運転姿勢を調節してから、その後ろ側(後席の右側)に座り、足元空間や着座姿勢、座り心地、乗降性などを確認したい。

3、荷室:リヤゲートが寝ていて背の高い荷物を積みにくい

 荷室長(荷室の奥行寸法)は、ホンダフィットや日産ノートと比べて大差はない。しかしヤリスは、ライバル車に比べてリヤゲートを寝かせた。しかも前述の通り全高が1500mmと低めで、天井を後ろに向けて下降させたから、荷室高も不足気味だ。そのために背の高い荷物は積みにくい。

*購入時の確認方法:ベビーカーなど特定の荷物を積むユーザーは、販売店の試乗車を使って、実際に試してみる。荷物を積んだ状態で後方が見えるか、といった運転のしやすさも確かめる。

4、運転感覚:登坂路で3気筒エンジン特有の粗いノイズが響く

 ヤリスは全車が直列3気筒エンジンを搭載する。そのためにノーマルエンジンの場合、登坂路などでアクセルペダルを踏み込むと、3気筒特有の少し粗いノイズが響く。ハイブリッドはモーター駆動を併用するから、ノーマルエンジンに比べると静かだが、それでも走行状態に応じてノイズが耳障りに感じる。

*購入時の確認方法:頻繁に走る生活圏内に登坂路がある場合、販売店の試乗車を使って実際に走りたい。ノイズの感じ方は人によって異なるので、ユーザーが自分で確認することが大切だ。

5、運転感覚:乗り心地が硬めに感じる

 ヤリスは前述のように燃費性能が優れているので、タイヤも14/15インチを中心に、転がり抵抗の小さなタイプが装着されている。しかも価格を安く抑える必要があり、足まわりのパーツなどはコストダウンされているから、乗り心地が悪影響を受けやすい。

 最も注意したいのは、14インチ(175/70R14)タイヤを装着したグレードだ。タイヤは転がり抵抗を抑えたタイプで、指定空気圧も前輪が250kPa、後輪は240kPaと高いから、タイヤの硬さを意識させる。路上を細かく跳ねるような感覚になるから、粗さが目立ってしまう。

*購入時の確認方法:乗り心地の悪い14インチタイヤは、2WDのXやGに標準装着されている。タイヤサイズによって乗り心地が大きく異なるから、自分で購入する仕様を試乗することが大切だ。

 路面が比較的荒れている街中を時速30~40kmで走ると、乗り心地を確認しやすい。交通の流れを滞らせないように注意しながら、速度が下がったときに、乗り心地をチェックする。16インチタイヤを装着したZとも乗り比べてみたい。

6、価格の割安度:ハイブリッドならヤリスよりもアクアが割安

 ヤリスハイブリッドZの価格は232万4000円、アクアはハイブリッド専用車でZは240万円だ。従ってアクアZの価格は、ヤリスハイブリッドZよりも7万6000円高い。

 ところがヤリスハイブリッドZでは、アクアZが標準装着するアルミホイールと、100V・1500Wの電源コンセントがオプション設定になっている。この2つのオプション価格を合計すると12万6500円で、ヤリスハイブリッドZの車両価格も加えると245万500円だ。

 つまり装備内容を同程度にして比べると、アクアZが約5万円安い。しかも後席の居住性、内装の質感、動力性能、走行安定性、乗り心地はアクアが優れているので、ヤリスハイブリッドよりも断然買い得だ。

*購入時の結論:ヤリスで選ぶ価値があるのは、ノーマルエンジン搭載車になる。ハイブリッドはアクアを買いたい。

 今まで述べてきた欠点を確認して、納得したうえで、ヤリスを選んで頂きたい。

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みんなのコメント

45件
  • クルマを選ぶ立場で考えると、コンパクトカーのヤリスとSUVのヤリスクロスは別のクルマだ。
    筆者の言うとおり。販売台数を別々にしてほしいよ。
  • 自動ブレーキって言うな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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