新型コロナウイルスの影響で、クルマで通勤する人やそれを認める企業が増えている。そうなると注目度が高まるのが燃費の良いコンパクトカーだ。
SUVと並び、人気の高いコンパクトカー。メーカーも話題性のあるモデルを次々に市場に投入しているが、最近ではトヨタが『ヴィッツ』改め『ヤリス』を投入。また、今年2月にはホンダが4代目となる『フィット』を発売した。ただ『フィット』の場合、『ヤリス』とは違って、方向性がスポーティーというよりファミリー重視で中身も大きく異なる。
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そして5月にスズキが『スイフト』をマイナーチェンジ。同車はスズキがきちんと開発費用を注ぎ込んで、欧州市場で多くのライバルたちと互角に渡り合っているモデルだ。走りの良さは国内外でも評価は高い。今回の変更は、安全装備の拡充が中心だが、発売から3年半を経ており熟成度も高い。
『ヤリス』『スイフト』は両車ともハイブリッドを名乗っているが実はモーターの使い方が違うということをご存じだろうか。『スイフト』は減速する時などに発電して充電。スタート時や加速する時はその電力でモーターを動かしてエンジンをアシストする。一方の『ヤリス』は発電能力が高く、充電容量も大きいので、モーターの力も強い。カタログ値を見ても『スイフト』が3.1PS、50Nmに対し、『ヤリス』は80PS、141Nmで性能が高い。実際にEVモードのボタンもあるが、EVのみでも1~2kmなら走行可能だ。これも燃費の差につながる。
走りに関しては『スイフト』は床面の骨格をしっかり造り、そこに高剛性ボディーを構築している。サスペンションも欧州での走り込みによって鍛え上げられている。ただ乗り心地はやや硬め。スポーツモデルの『スイフトスポーツ』でなくともキビキビとした走りを楽しめるのがうれしい。
『ヤリス』はボディー全体の骨格を固めてサスペンションも構造材を兼ねる設計だ。ちなみに、『ヤリス』のテストドライバーのチーフは同社の豊田章男社長。レーシングドライバーでもある同氏のこだわりがたっぷり詰まっている。今回の試乗時もうねりや段差のある高速コーナーなどでリアサスの粘りを見せつけられた。無段変速に手動変速、FFに4WDと選択肢も多く、標準で装備される安全性能も充実している。価格は若干『スイフト』が高めだが、2台とも間違いなくコスパは高い。
情熱を掻き立てる走りと低燃費のハイブリッド
スズキ『スイフト ハイブリッド』
Specification
■全長×全幅×全高:3855×1695×1500mm
■ホイールベース:2450mm
■車両重量:910kg
■排気量:1242cc
■エンジン形式:直列4気筒DOHC+直流同期モーター
■最高出力:91PS/6000rpm+3.1PS
■最大トルク:118Nm/4400rpm+50Nm
■変速機:自動無段
■燃費:21.0km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:187万9900円
※「RS」のFF車
上級スポーティーグレードのRSはフロントグリル中央に赤いバーが入る。ボンネットやバンパー部分は歩行者被害軽減のための衝突吸収構造を採用。ライト類は明るく省エネのLEDを採用。
ホイールベースと全長は『ヤリス』より85mm短いが、全高は1.5mで同じ。ホイールは16インチを装着。ボディーが赤、ルーフは黒のツートンだが、リアピラー部分で塗り分けている。
RSは後ろ姿もルーフスポイラーとリアフォグランプ内蔵のリアバンパーが専用装備。リアゲート開口部は地上から約720mmとやや高め。0→100km加速は12秒台でもう少しパンチがほしい。
走りの雰囲気重視なら『スイフト』
エンジンルーム
横置きされたエンジンは直列4気筒1.2L。直流同期モーターを搭載する。ハイブリッドSL/SGは交流同期モーターのフルハイブリッド。
運転席と各種装備
速度計に燃料計を、エンジン回転計に水温計を配置する。中央のモニターはタッチパネル式(オプション)。
シートスペース
運転席にはアームレストが付く。後席の着座位置はやや高めで、足元はやや狭いがつま先が前席下に入る。頭上は身長170cmまでならOK。
ラゲージスペース
開口部は高めだが、ラゲージの床面は低め。床面のボードは1段だけ。後席の背もたれは6対4で前倒するがラゲージ床との段差がある。
【ココがポイント!】7速のマニュアルシフトが楽しめるパドルレバー
メインの変速はCVTだが、セレクターをMにシフトすると、ハンドルは装着されているパドルレバーで7速のマニュアルシフトが楽しめる。エンジン回転計はアナログ式メーター。
【ココがポイント!】デュアルセンサーでブレーキサポート
フロントガラスに設置した単眼カメラとレーザーレーダーの2種類のセンサーで前方の様子を検知し、人にもクルマにも対応する衝突被害軽減ブレーキを作動する。
グローバルで十分戦えるほどレベルが高い
[運転性能]パドルシフトを備え、2500回転からのレスポンスは俊敏。ハンドリングもキビキビ感はある。17点
[居住性]フロントウインドウの角度が立ち気味なので着座位置が高めでも圧迫感は感じない。19点
[装備の充実度]安全装備や全方位モニター付きメモリーナビはあるが、標準装備の範囲が限定されている。18点
[デザイン]伊トリノのデザインスタジオと一緒に造り上げた最終型は、グローバルでも支持される秀作。18点
[爽快感]シフトする楽しさやエンジンとの対話など、クルマを操ることを体感させてくれるクルマ。18点
[評価点数]90点
取材・文/石川真禧照
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みんなのコメント
日本ではこれが鉄則。村請制度の時代から同調圧力が支配する島国ニッポン。
「自分だけ違うクルマを選ぶなんておこがましい」
目立つやつは馬鹿。村八分の時代から続く伝統的いじめ文化。
俺は誇りを持ってスイフトに乗る。