デザイナーは元アウディ
2023年、日本の自動車界における大きな話題は、BYDの日本上陸だったのでは。1月の「ATTO3」、9月の「ドルフィン」と、クロスオーバー型のピュアEVが続けて発売されました。なにしろ、性能と装備と価格のバランスがよく、かなりバリューフォーマネー。出来がよくて、価格はこなれているのです。これからEVに本腰を入れていこうという日本のメーカーにとって脅威かもしれません。別の見方をすると、EVに対する垣根を低くしてくれたかもしれません。スムーズに走れて、装備は豊富で、デザインもなかなか優れている。アクは強くないですが、独自のコンセプトがしっかりあって、製品にポリシーが感じられるのが強みです。23年10月に開催されたジャパンモビリティショーで、BYDブースの華を飾ったのが第3弾「シール」です。全長4800mm、ホイールベース2920mmの、比較的余裕あるサイズのセダン。元アウディのデザインディレクターが手がけたスタイルは品がよく、流麗で、SUVはちょっと……と敬遠しているひとには喜ばれるのではないでしょうか。
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BYDの強み「CTB」ってなんだ?
私が実車に接したのは、23年10月初旬の珠海国際サーキット。シールの技術的な目玉は「CTB=Cell to Body(セル・トゥ・ボディ)」。従来のEVはバッテリーセルをモジュール化して、それを求められる容量に応じてパックに収めていました。シールは違います。BYD独自の薄型「ブレードバッテリー」を使いつつ、モジュールとパックを省略して、バッテリーをボディ構造の一部にしているのです。メリットは、同じ容量でも従来の方式よりコンパクトにまとまること。実際に搭載されるLFPバッテリーは82.5kWhと大きな容量ですが、シールの全高は1460mmに抑えられています。優れたパッケージングではないでしょうか。中国では外国人による公道での運転が基本的に認められていないため、初めての試乗はサーキットに限られていました。なので、日常的にどうか、はっきりわかりませんが、少なくともサーキットでは高い速度でのドライブを安心に楽しめました。ツインモーターのAWDモデルは、静止から時速100kmまで加速するのに、スポーツカーなみに3.8秒しかかからないとされています。ドライブモードを「スポーツ」にすると、なるほど、という感じで、アクセルペダルの踏み込み量に即座に反応してくれ、ぐんぐんと加速。珠海のサーキットでは900メートルの直線路の途中で上限の180kmに達してしまいました。
乗れば好きになれそう?
サスペンションは前後ともに可変ダンパーを装着。モーターのトルクを制御することで車両姿勢を安定させるシステムが採用されています。とくに滑りやすい路面で効果的とBYDではしています。足まわりはやや硬めの印象だったので、サーキットではコーナリング中の姿勢がしっかり安定しているいっぽう、日常で乗るにはどうでしょう。それは次の機会を待たないといけません。充電能力は高くて、クルマ側の受け入れは150kW。150kWの急速充電器が使えれば、バッテリー残量が10パーセントのとき、80パーセントまでチャージするのに37分しかかからないそうです。30パーセント残っていれば、26分です。ミニバンやSUVがトレンドの日本で、ファストバックスタイルの流麗なセダンがどこまで受け入れられるか。現時点で見通すのはむずかしいですが、乗れば好きになれそうな出来です。SPECSBYD シール AWD|BYD Seal AWD全長×全幅×全高:4800x1875x1460mmホイールベース:2920mm車重:2185kg電気モーター×2:全輪駆動最高出力:390kW最大トルク:670Nmバッテリー容量:82.5kWh巡航距離:520km(WLTP)価格:未定
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みんなのコメント
その記事に対する反応も肯定的なものが多いです。
中国留学生が宣伝活動を支持されているのかもしれません。
いずれにしても、C国のスパイ活動を奨励するような記事は注意する必要があります。