「LEXUS SHOWCASE」というメディア向けイベントを開催された。そこでは渡辺剛プレジデントがレクサスの今と今後を語った。さらに日本発表を前に、現在開発中のプロトタイプへの試乗なども行われ、新しいモデルラインナップへの理解が深まった1日だった。ここではその詳細をレポートする。(Motor Magazine 2023年11月号より)
至福のひとと時を味わえるLMのラグジュアリーな後席シート
レクサスの動きが実に活発だ。2023年4月には新型LMを上海で、新型LBXをミラノで、6月には新型GXを米国でワールドプレミアしている。それぞれ23年秋から年中に日本でも発表される予定だが、その前に実際に見て触れ、そして走る機会を「LEXUS SHOWCASE」として用意した。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ちなみにこれらは、LM=ラグジュアリームーバー、LBX=レクサス ブレークスルークロスオーバー、GX=グランドクロスオーバーの意味である。このほかにも今回の取材会では、北米専用車のTXやユーザー向けプログラムが開始される水素エンジンのROVコンセプト、市販を控えるステアバイワイヤ(SBW)搭載のRZなど内容は充実していた。
まずはLMから試乗した。全長5125mm、ホイールベース3000mmという堂々としたサイズを有するこのモデルは、後席にレクサスらしいおもてなし機能を備えている。実際に後席に座った印象は、至福といえるもの。
180度までリクライニングするシートの座り心地やマッサージ機能、左右席別に用意されるエンターテインメント機能などラグジュアリーとは何かを表現した空間になっている。フロントの表情に<オラオラ>感がないのもいい。これは世界中のVIPが注目するのもなるほど納得できる。
レクサスを求めている人に向けた製品ラインナップ
次にショートサーキットでLBXとTXに試乗した。前者はコンパクトカーの概念を変え、後者は3列シートSUVである。
LBXは1.5L エンジン+ハイブリッドシステムを搭載する。走り出しはモーターが前面に顔を出すのでとてもスムーズ。右足を踏み込むとエンジンが始動し、レクサスらしい走行フィールが味わえる。初試乗だったが、<これは売れる>と確信した。
全長4190mm、全幅1825mmというコンパクトなレクサスを求めていた人も多いはず。CTからの乗り換えも含め、新規ユーザーも多く獲得できそうなモデルである。
TXのパワートレーンは、2.4L ターボ、2.4L ターボ+ハイブリッドシステムと3.5L V6+プラグインハイブリッドの3種類。レクサスの3列シートに多く需要があることは北米で実証済み。ミニバン好きの多くの日本人の興味を惹きそうなSUVだ。
このほかにも水素エンジンを搭載したROVコンセプトや進化したRZのSBW採用車の試乗、GXのオフロード試乗などもあったが、そのどれもに<本気>を強く感じた。カーボンニュートラル社会はレクサスが牽引していくという固い意志を感じた1日だった。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行)
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