かつてはカローラVSサニー、クラウンVSセドリック/グロリア、比較的最近ではウィッシュVSストリームなど「トヨタ車とそのライバル」といった関係が数多くあり、こうしたライバル関係が日本車のレベルアップにつながってきた。
ここ数年は日本の自動車業界がトヨタ一強となりつつあり、トヨタ車を脅かすほどのライバル車は少なくなっている。そんな状況下で、強力なトヨタ車に対し、販売台数も含め善戦しているライバル対決をカテゴリーごとに5つ選出し、対トヨタ車で見たライバル車の実力を評価したい。
羨望のエース級グレード名たち【トヨタ、日産、ホンダ、マツダ編】
文:永田恵一/写真:編集部
人気SUVのハリアーをCX-5は超えているか?
【2018年3月 販売台数】
〇CX-5/9289台
●ハリアー/6570台
マツダ CX-5/全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm、価格帯:249万4800-352万6200円。全長はハリアーが4725mmと長いが幅と高さはほぼ同等。価格帯もバッティングする
この2台は、ゴージャスな内外装を持つハリアー、質実剛健に近いCX-5という対照的なキャラクターを持つ。
車の機能的な部分だけを見れば、ハリアーのパワートレーンはハイブリッドが目立つだけ、ハンドリングや乗り心地も普通と、目に付く部分はない。
それに対し、CX-5はパワフルかつ低燃費でSUVにピッタリのディーゼルエンジンを持ち、乗り心地も良好と、華や楽しさこそ薄いものの、CX-5の圧勝だ。
しかし、「華」という面では、ハリアーは一見ゴージャスなインテリアや華やかさのあるスタイルなど、車に強い興味のない人であれば、400万円程度の普通の人が出せる上限の価格で買える車として選ぶ人が多いのもよく分かる。
といったことを総合すると、同じミドルSUVでもそれぞれキャラクターが違うことを加味して勝敗は引き分けとする。
販売首位争うノートはアクアより良いのか?
【2018年3月 販売台数】
〇ノート(e-POWER含む)/1万9349台
●アクア/1万4778台
日産 ノート e-POWER/全長×全幅×全高:4100×1695×1520mm、価格帯:190万1880-240万840円。ボディサイズはアクアよりひと回り大きい。JC08モード燃費はノートe-POWER(Sを除く)が34.0km/L、アクアは34.4km/L(Lを除く)
アクアも実用燃費がノート e-POWERに対し若干いい傾向にある以外は、ハリアーと同様に機能的には全体的にごく普通である。
ただ、ハイブリッドであることが原因ではないにせよ、3時間も乗っているとなぜか「あまり乗りたくない」と感じてくる強いストレスを覚えるのが非常に気になる。
対するノート e-POWERは、0-400m加速16秒台、0-100km/h加速8秒台(ベストカー実測値)という爽快な動力性能や、電気自動車に近い静かさやスムースさといったシリーズハイブリッドのメリット、ワンペダルドライブの面白さを持つ。
ボディが大きいので当然ながらキャビンやラゲッジスペースの広さなど、アクアに対するアドバンテージは多い。
それだけに勝敗も文句なくノート e-POWERの圧勝で、2018年1月から3カ月連続で販売台数ランキング1位になるほど売れているのもよく理解できる。
ミニバン王者のノア/ヴォクシーに挑むセレナの実力
【2018年3月 販売台数】
〇ノア・ヴォクシー(※台数は合計)/1万9020台
●セレナ/1万5080台
日産 セレナe-POWER/全長×全幅×全高:4690×1695×1865mm、価格帯:243万5400-343万6560円(※オーテック除く)。ノア/ヴォクシーとはサイズ、価格もがっぷり四つ。e-POWERの追加でさらなる販売増を狙う
ノア/ヴォクシーはいい意味でトヨタ車らしいというか、多くの評価項目でソツのないミドルハイトミニバンで、売れているのもよく分かる。
一方のセレナはプラットホームの古さが大きな原因となっている床の高さのせいで、乗降性の悪さやハンドリングの腰高感といった弱みを持つ。
しかし、ノート同様にe-POWERやワンペダルドライブ、自動ブレーキの性能の高さやプロパイロット、シートアレンジやバックドアのガラス部分だけ開閉できる機能といったアドバンテージも多い。
こうした部分を総合するとアドバンテージの多さを決め手にセレナを勝者とする。
“後発”のC-HRに対する人気車ヴェゼルの実力は?
【2018年3月 販売台数】
〇C-HR/1万990台
●ヴェゼル/9030台
ホンダ ヴェゼル/全長×全幅×全高:4330×1770×1605mm、価格帯:207万5000-292万6000円。サイズ・価格ともに競合するヴェゼルとC-HR。ヴェゼルはC-HRの登場以前から人気SUVの地位を確立し、現在も売れ続ける優良車だ
この2台はボディサイズなどから同じ車格に見えるが、プラットホームを見ればC-HRがプリウス、ヴェゼルがフィットとそもそもの車格がやや違う。
この点も踏まえてそれぞれのアドバンテージを挙げると、C-HRは乗り心地とハンドリングのバランス、インテリアなどの質感、停止まで対応するACC(先行車追従型クルコン)。
ヴェゼルは、キャビン&ラゲッジスペースの広さ、最低地上高の高さ、価格の安さ、といったことが浮かぶ。
これらを総合すると、2台の意外なキャラクターの違いも加味して勝敗は引き分けとする。
先駆者フリードは王者シエンタを越えているか?
【2018年3月 販売台数】
〇シエンタ/1万1460台
●フリード/9312台
ホンダ フリード/全長×全幅×全高:4265×1695×1710mm、価格帯:188万-272万8200円(※モデューロX除く)。先駆者と後発の強豪車。かつてのストリームVSウィッシュを思わせるフリードとシエンタ
もともとはホンダがモビリオで開拓したコンパクトミニバンというジャンルにトヨタが後から参入し、シエンタが主導権を奪っていったという時期もあるこの2台。
まず2台とも、このサイズできちんと使える3列目を確保していること自体が凄い。
このことを前提に2台を比べると、フリードには純ガソリンエンジン車のパワフルさ、ACCが幅広いグレードに着く、2列シートのフリード+も持つという対シエンタのアドバンテージを持つ。
逆にシエンタのフリードに対するアドバンテージは残念ながらほとんど浮かばず、この勝負はフリードの圧勝とする。
◆ ◆ ◆
冒頭にトヨタの一人勝ちと書きながら、ライバル対決をしてみるとトヨタ車が“勝者”となった勝負はなく、力の入った車であればトヨタ車の牙城を崩せるチャンスもあることがよく分かる。
トヨタ車だけが良くなってもニッポンの自動車は面白くならない!
それだけに、トヨタ以外のメーカーにも86やGR系のライバルも含めて、今からでも遅くないので、トヨタの一人勝ちにならないよう頑張ってほしい。
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