■軽トラの国内市場は縮小、続々と生産・販売終了するメーカーたち
近年、日本の軽自動車市場は盛り上がりを見せるなか、販売台数が減少しているジャンルもあります。
いわゆる「軽トラック」です。すでに多くのメーカーで自社開発をおこなっておらず、現在では、スズキ、ダイハツ、そしてホンダですが、すでにホンダは撤退を発表しています。
昨今は、海外市場でも人気になりつつある、軽トラック市場はどうなるのでしょうか。
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日本の新車販売台数のうち、4割は軽自動車です。なかでもホンダ「N-BOX」の人気は圧倒的で、2020年4月から9月では9万612台と2位以下を大きく引き離しています。
一方、シェアを拡大しつつある軽自動車の自家用車以外のジャンルでは不調なのが、通称軽トラック。
N-BOXが好調のホンダですが、1977年に登場した「アクティトラック」は、2021年6月をもって生産終了することが発表されています。
また、「アクティバン」の後継として、N-BOXの派生車となる「N-VAN」がデビュー済みですが、アクティトラックの後継モデルは登場していません。
このようにメーカーが生産・販売を終了している背景には、軽トラック市場の縮小が関係しています。
全国軽自動車協会連合会によれば、軽トラの販売台数のピークは1979年から1983年で、ピーク時の年間販売台数は約40万台から43万台でした。
しかし、昨今では農業規模の縮小による需要の減少を受けて販売台数は減少を続けており、直近の2019年の軽トラックの販売台数は約17万台と、軽自動車市場の1割以下まで落ち込んでいます。
そして、前述のとおりホンダのアクティトラックが撤退すると、残るはスズキ「キャリイ」、ダイハツ「ハイゼット」の2車種とそのOEM車しかありません。
撤退する理由として、ホンダは「新たに設けられる排出ガス規制をクリアしたり、義務化される衝突被害ブレーキに順次対応する開発費用をかけたりしても収益を望めない」ことを挙げています。
実際に、軽自動車は薄利多売のクルマです。軽自動車でありながら荷物の運搬をメインにしており、トラックとしての十分な耐久性を備える必要があるにも関わらず、価格は割安に抑えなければならないからです。
このように、コストをかけても利益が出にくい構造によって、ホンダ・スズキ・ダイハツ以外のメーカーはすでに開発から手を引いています。
なお、日産や三菱はスズキからのOEM車を販売しており、開発から自社で手掛けているわけではありません。
以上から、軽トラックの販売はスズキ・ダイハツからのOEMなしでは成り立たないといえます。
一方のホンダは、提携やOEMを好まない企業といわれています。
三菱が日産の傘下に入り、マツダやスバル、スズキまでトヨタの仲間づくりの一員になっても、ホンダはどことも組まずに独自路線を貫き続けています。
軽トラックに関しても同様で、OEMに頼らずに開発から一貫して手掛けてきた姿勢が撤退につながったと考えられます。
1970年代まで軽自動車販売の約半分が軽トラックであったことを考えると、日本国内においては斜陽なジャンルといわざるを得ないでしょう。
現在の軽トラの状況について、ある中古車販売店スタッフは以下のように話します。
「軽トラは『1度買ったらダメになるまで乗る』という人が非常に多いです。乗らなくなったあとも中古車として売るのではなく、そのまま処分される人もいらっしゃいます。
そのため、数年で乗り換えるというクルマではないので、縮小されるのはやむを得ません。
今はまだ流通がありますが、今後はどんどん軽トラが『消えていく』でしょう。
そうなれば、農家など、本当に必要としている人が手に入れることができなくなるのでは、という不安はあります」
■国内では縮小傾向も、海外では人気を上げる
しかし、縮小を続ける軽トラも、海外では人気が高くなっています。
もともと軽トラックは全幅1.4m以下で田んぼのあぜ道、林道などの入り組んだ道路でもストレスなく走る働くクルマで、最小回転半径3.6m程度と小回りが利きます。そのうえトラックの積載量も約350kgと、積載能力の高さも十分です。
この軽トラックがアメリカをはじめとした全世界で大人気なのは、アメリカの「ピックアップトラック」が非常に大型のものが多いことが理由のひとつとされます。
小回りの利く日本の軽自動車は使いやすくて燃費も良いため、農業従事者を中心に使いやすいと評判なのです。
農場が日本と比較にならないくらい広いアメリカでは、徒歩での農作業は効率が悪くなります。
そこでゴルフカートのように移動する手段として、小回りが利いて運転しやすい軽トラックが求められています。
アメリカでは一部の州を除き、日本仕様の右ハンドルは公道走行できません。一方で「25年ルール」といって、25年経過したクルマであれば公道を走行できるようになります。
発売から25年経過した日本車を自由に輸入できるようになったことで、昭和や平成初期のクルマが次々とアメリカに渡っています。
「Mini truck」や「Kei Truck」と日本語でそのまま呼ばれることもあり、中古軽トラック専門店まで登場しています。
今後も日本の農業の衰退で手放された軽トラックは、アメリカをはじめとした海外で活躍する余地があるのです。
※ ※ ※
軽トラックの需要は農業が衰退中の日本では縮小傾向ですが、北米を中心に人気を博しています。
中古車を含めたグローバルな展開が、軽トラック復活のカギになるかもしれません。
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みんなのコメント
昔の本田とは違う。
今こそ、イスズからmu-XとD-MAXを入れてくれ!