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ホンダに「Z」あった!? 4人乗り“軽量”ボディに画期的「ミッドシップ4WD」採用! 快速「ターボ」モデルも存在! 短命に終わった「斬新ハンドリングマシン」とは何だったのか

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ホンダに「Z」あった!? 4人乗り“軽量”ボディに画期的「ミッドシップ4WD」採用! 快速「ターボ」モデルも存在! 短命に終わった「斬新ハンドリングマシン」とは何だったのか

■「Z」がホンダにもあった! しかも「MR」です

「Zがつく国産車といえば?」と聞かれたら、どんな車種を思い浮かべるでしょうか。
 
 多くの人は、デビューから55年以上を誇る日産の名スポーツカー、「フェアレディZ」を挙げるかもしれません。
 
 ところが国産車には、他にもホンダにズバリ「Z」というクルマがありました。

【画像】超カッコイイ! これが「ホンダのZ」です! 画像で見る(56枚)

 ホンダZは、1970年代と1990年代に2度、どちらも軽自動車として販売されました。

 初代Zは、当時ホンダが販売していた軽乗用車「NIII360」をベースに、軽自動車初のスペシャリティカーとして1970年10月に誕生。

 直列2気筒空冷4ストローク354ccエンジン、前輪駆動のメカニズム、2000mmのホイールベースはNIII360と共通。

 ただし、NIII360の実用的なデザインと異なるクーペ風のボディは、全高を65mm低めていただけでなく、リアウィンドウの周囲を黒い樹脂で囲うなど、スペシャリティカーらしいスタイリッシュなデザインを持っていました。

 その独特なリアスタイルから、「水中メガネ」とも称されています。

 しかし、1971年6月に登場したNIII360の後継車「ライフ」が水冷エンジンを搭載したため、同年11月にZがマイナーチェンジを受けた際にベース車をライフに変更。

 エンジンがライフ用水冷ユニットに換装されたほか、ホイールベースも2080mmに延長されました。さらに1972年秋、ボディをピラーレスハードトップに変更。さらにスペシャリティカーらしいクルマに発展しています。

 その初代ライフは1974年6月に生産を終えましたが、24年後の1998年10月、再びホンダにZを名乗る軽自動車が現れました。

 2代目(と呼ぶにはいささか間が空いている気もしますが)のZは、名前こそ同じであるものの初代Zとは系譜的・コンセプト的になんら関係はありません。

 しかし、エキセントリックさでは初代にも負けず劣らずの変わったモデルでした。

 というのも、2代目Zは背が高くてスクエアな3ドアハッチバック車で、しかも15インチの大径タイヤを履くSUV的な外観ながらも、なんとエンジンを後席下に置く「ミッドシップ」を採用していたのです。

 しかも駆動方式は4WDというのですから、さらに驚かされます。軽自動車としては異例に贅沢な設計です。

 車体寸法に上限がある軽自動車で車内を広くするためには、一般的にはボンネット内にエンジンを横向きに置くFF(前輪駆動)で設計されます。

 さらに1970年代頃までは、車体後端にエンジンを押し込むRR(リアエンジン・リアドライブ)も、高いスペース効率が発揮できるとされた時期もありました。しかしZのように、MR(ミッドシップ・リアドライブ)で空間を確保する例は稀です。

■なぜ「ミッドシップ軽SUV」が生まれたのか

 ではなぜホンダは、2代目ZでMRを採用したのでしょうか。その答えは、ズバリ「理想を突き詰めたから」といえるものでした。

 ZはSUV風のモデルで車高を高く設計できるため、床下にパワートレーンを集中配置が可能に。これによりボンネットも短くなり、小型車並みの長い室内有効長を実現。リアシートも畳めるなど、高い実用性も備えています。

 エンジンを車体中央に載せるMRは回頭性・ハンドリングの良さが特徴ですが、Zでもそれを生かした良好な操縦性も獲得。50:50という理想的な前後重量配分により、高い走行性能を持っていたのです。

 床下に縦置き・横倒しで搭載された「E072」型直列3気筒エンジンは、インタークーラーターボを備える「Zターボ」では64馬力を発生。

 そのパワーは、エンジンより前に配置される4速ATを経て、ビスカスカップリング式のリアルタイム4WDにより路面に伝達します。

 最低地上高は195mm、アプローチアングル・デパーチャーアングルはそれぞれ40°・50°もあり、悪路走行でも強さを発揮しました。

 ホンダでは、この構造を「UM-4(アンダーフロア・ミッドシップ4WD)」と称していましたが、実は同社の軽商用車「アクティ」で用いていた技術の応用でした。

 とはいえ、だとしてもアクティ4WDのメカニズムを軽乗用車に流用しよう、という発想はふつうなら生まれないもの。さらに発売のゴーサインも出ないでしょう。

 コンセプトの斬新さ、思い切りの良さがある2代目Zは、いかにもホンダらしい独創的な1台です。

 しかし2代目Zの販売は低迷。2002年で生産を終えた後も、直接的な後継モデルは生まれませんでした。

 不振に終わった理由は、3ドアだったこと、凝ったメカニズムゆえに車重が重くなったことや当時の軽自動車としては高価格だったことなどいくつか考えられます。

 ところが、SUVがごく一般的なジャンルになった現代の目線で2代目Zを振り返ると、スポーツカーのようなハンドリングと悪路走破性の両立、ジムニーに比べて圧倒的に広い室内など、目を見張る美点はいくつも見つかり、魅力的なSUVに感じられるのです。

 ホンダに限らず1990年代・2000年代には「今ならもっと売れたのに」と思わせるクルマが散見されますが、2代目Zもまさにその1台といってもよいでしょう。

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みんなのコメント

21件
  • cor********
    2代目はパーソナルSUVとして軽自動車枠で最大に室内長を使いたかったんでそ。いわば軽自動車のCR-V。結果として大径タイヤを収めるだけのノーズ長があればそこにエンジン入ったんじゃね?で必ずしも成功とは言えんけど。
    むしろ自動車雑誌が「ホンダのミッドシップ!ターボ!走りに期待!!」とか勝手に煽っておいて「重すぎる」「走らない」「重心高い」とか好き勝手に貶してたじゃん
  • KTM
    2代目ZはMTがあれば今も中古車市場を含めてかなり高い割合で存続していただろうな。
    私はMT化して乗れないだろうかと真剣に考えたけど、だったらジムニー買うよなってらなってやめました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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