■ベースグレードでも充実の装備だが、購入者はどこに注目している?
いまや日本で一番売れているミニバンとなったトヨタ「アルファード」。その迫力かつ高級感のあるデザインから高級ミニバンともいわれています。
しかし、設定されるグレードの価格も国産モデルかつミニバンにおいては超高級で、最上級グレードの775万2000円となり、エントリーグレードの352万円とは約400万円の差が存在。なぜこれほどまでの価格差があるのでしょうか。
アルファードを超える? トヨタが新型高級ミニバン「マジェスティ」発表!
3代目となる現行モデルは2015年に登場しました。日本自動車販売連合会によると2020年11月の新車販売台数では1万109台を記録し、登録車ランキングで3位に輝いています。
外観デザインは、大胆なフロントフェイスが特徴的で、メッキ加飾が施された大型の格子状グリルと、精悍なヘッドランプデザインは高級感があり、圧倒的な存在感を与えています。
ボディサイズは、全長4945mm×全幅1850mm×全高1935mm。姉妹モデルである「ヴェルファイア」とは外観デザインで差別化が図られています。
高級ミニバンといわれるゆえんは、価格や外観デザインだけではありません。
内装は、緻密な作り込みが魅力で、ドライバーや同乗者に高い満足度と快適なひとときを提供する上質さと、グレードに応じたさまざまなシートレイアウトが大きな特徴となっています。
7人乗り仕様では、2列目に独立式シートを採用。大型アームレストやオットマンを備えた豪華なグレードも設定されています。
3列目シートは両サイドへ跳ね上げて格納することも可能で、大型のスーツケースなど荷物を積んでもゆとりある空間を確保。
高品質な室内空間は「まるでファーストクラスのような乗り心地」といわれるほど、ユーザーから高い評価を得ています。
アルファードのラインナップは、ガソリン車/ハイブリッド車、2WD/4WDが選択可能で、グレードはベースグレード「X」(352万円)から最上級の「Executive Lounge S」(775万2000円)までとなり、前述のとおり400万円以上の価格幅がある車種は珍しいです。
パワートレインは、ガソリン車は2.5リッター直列4気筒エンジンと3.5リッターV型6気筒エンジンの2種類。ハイブリッド車では、2.5リッター直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせています。
基本的なスペックやパワートレインにおいてグレードによる違いはそれほどまでないほか、安全装備ではトヨタセーフティセンスをはじめ充実の装備となっており、ベースグレードから最上級グレードで大きな差は無いように思えます。
では、なぜグレード間で400万円以上もの価格差があるのはなぜでしょうか。トヨタの販売店スタッフは次のように話します。
「価格の差の違いは色々とありますが、ナビがついているかどうかでかなり価格が変わってきます。
最上級グレードでは運転席のナビとは別に、後席にもディスプレイがついており、スピーカーは『JBLプレミアムサウンドシステム』を採用していて、音質が非常に良いのが特徴です。
グレードによってシートの質感も変わってきます。エントリーグレードだと、布がメインのファブリック生地ですが、最上級グレードでは本革を採用していて、一気に高級感が増します。高級志向の人は高いグレードを選ぶ人が多くいらっしゃいます」
また別のトヨタ販売店スタッフは、以下のように話します。
「アルファードはグレードが上がるほど、『2列目が充実』します。
独立性・機能性・オプション装備は格段にアップするため、同乗者に対する『おもてなし』感は別格です。
最上級グレードは法人の契約が多いのも、こういった背景があります」
※ ※ ※
実際にエントリーグレードと最上級グレードの最大の違いは、外見からは見分けがつかない内装にあり、とくに販売店スタッフがいう2列目シートの作り込みが最大の違いです。
ファーストクラスのような2列目シートにはLEDの読書灯が装備され、「リヤエンターテインメントシステム」やナビゲーションなどもフル装備となっています。
最上級グレードは、役員用の社用車や公用車としても高く評価され、まさにエグゼクティブのためのラウンジといえる至高の1台です。
また、専用パーツや装備が多数採用されており、まさにアルファードのコンセプトである「最高の質的贅沢を極めるクルマ」を最高の形で具現化したものといえます。
■アルファード、気になるオプションは何がある?
高級ミニバンこと、アルファードにおいて、人気のグレードやオプションにはどのようなものが設定されているのでしょうか。
前述のトヨタの販売店スタッフは、アルファードの販売動向について、以下のように話します。
「高級志向であれば最上級グレードのExecutive Lounge。それ以外であればベースグレードのXと、極端に分かれている印象があります。
アルファードは同乗者の快適性を追求しているため、VIPを乗せるという使い方であれば問答無用で最上級グレードが好まれ、家族連れの人や荷物を積む機会が多い人などはXという感じで選ばれています。
外観デザインでは、通常グレードとSグレードでフロントマスクのデザインが異なっていますが、割合的には半分半分という印象です。
コロナ前であれば中国などから日本に来られた人が購入するケースが多くありました」
また、アルファードの人気オプションについては、次のように話します。
「アルファードはエントリーグレードのXでも、基本的なオプションや安全装備は一通り標準装備されているため、追加する人は少ない印象です。
オプションを増やしたいという人は、追加ではなく初めから最上級グレードを選ばれる人が多いです。
内外装ともに黒のカラーリングは、下取り・買取り価格は高くなる傾向があるため人気です」
※ ※ ※
アルファードは、国内外の中古車市場でも高い人気を誇ります。条件次第では、購入金額の6割ほどの下取り価格が提示されることもあるといいます。
また、人気の背景について、前述の販売店スタッフは「かつては『いつかはクラウン』という憧れを抱く人がいましたが、現在ではクラウンよりも『いつかはアルファード』という人のほうが多いかもしれません」と話します。
憧れの対象がクラウンからアルファードになったことで、アルファード自体のブランドが確立化されたことが、昨今の人気を土台となっているのかもしれません。
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みんなのコメント
タクシーや取引先のお迎えでこれが来たら最高ですな
内装は高級感が溢れ、豪華に見える作りに誰もが
参ってしまう気持ちは分かる。
500万未満でもこれ以上何を望むのかとさえ思うほど
豪華。普通はこの辺りのグレードで満足するが、
この価格で此れだけ立派なんだから上位グレードは
リムジンのようだろうと富裕層に想像させる。
トヨタの販売戦略は日本人の好みを知り尽くしてる
のかとさえ思わせる車。