現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新型デリカミニ、ついに発売! 好評デザインをどう進化させたのか?

ここから本文です

新型デリカミニ、ついに発売! 好評デザインをどう進化させたのか?

掲載 9
新型デリカミニ、ついに発売! 好評デザインをどう進化させたのか?

2025年10月29日、いよいよ発売となった三菱の新型デリカミニ。先代からわずか2年でのモデルチェンジが話題となっていますが、一見よく似たその新しいスタイリングの意図はいったいどこにあるのか。今回は、エクステリアデザインをまとめたデザイナーの後藤氏に話を聞いてみました。

●デザイン本部 デザイン・戦略部 デザインマネージャー エクステリアデザイン担当 後藤淳さん

【本日発表】日産の新型リーフ、航続距離は最大702km、価格は約520万円から!

■「やんちゃ坊主」を継承しつつ、より力強さを打ち出す

ーーはじめに。新型は日産のルークスとボディの多くを共有していますが、実際の開発はどのような体制で行われたのでしょうか?

「難しい質問ですね(笑)。確かにボディの一部は共有していますが、それぞれで独自の目標を持っていますので、両者のコンセプトが成立するカタチでの共同開発を行ったということです。スケッチやクレイモデルなどについても合同で検討を進めましたね(デザイン本部 デザイン・戦略部 デザインマネージャー エクステリアデザイン担当 後藤淳さん(以下同)」

ーーなるほど。では、デリカミニとしてのデザインコンセプトを教えてください

「まず『デイリーアドベンチャー -日常に冒険を-#2』は、先代と同じコンセプトの進化を#2として設定しました。先代は非常に好評をいただいたので、これは最初から決まっていました。また、新型では「ROOMY&TOUGH」として、デリカの広々した室内空間と力強い足まわりの組み合わせ、という価値をさらに高める狙いがあります。今回はフルモデルチェンジとして、デリカらしさより明快にしっかり打ち出そうという意図ですね」

ーーフロントフェイスについては基本的に先代を踏襲していますが、継承したかった部分と、逆に変えたかったところはどこでしょう?

「先代は小学生くらいの『やんちゃ坊主』をイメージしましたが、そのパーソナリティは継承したかった部分ですね。やはり軽自動車は身近な存在でありたい。一方で、三菱車としての信頼感も表現したいと考え、フロントでは特に「目」の印象を強くするため、リング部分を立ててしっかりと凛々しく前を向いているイメージを意識しました」

ーーそのヘッドランプは最近流行のいわゆる「ジト目」ですが、これは継承しつつさらに強調したと?

「はい。ただ、3次元的なフロント部の形状の中では、ランプを正面視で真円にすると上側をカットしたときに楕円に見えてしまうんです。そこで意図的に崩した円形にしたり、どのアングルから見てもきれいな円に見えるように、かなりトライアルを重ねたところですね」

ーー先代は「ダイナミックシールド」のシールド部分が別パーツになっていましたが、新型では一体感のある造形に変更されましたね

「そうですね。人とクルマを守るというダイナミックシールドの考え方は変えず、新型は一体化してシームレスかつ3次元的にカタマリ感を出しています。新型として次世代感を表現したいという意図もあります。加えて、フェンダーから回り込んだブラックのフォグランプベゼルを取り囲むエリアが両側から『守られ感』を強調しているんですよ」

■厚いボディパネルで安心感・安全感を打ち出す

ーー次に、ドアハンドル部で山形になる特徴的なキャラクターラインについて。日産のルークスではここでボディカラーを切り分けていますが、デリカミニとしてはどのような意図がありますか?

「新型のボディは上部の”D”形状のフレームをモチーフにしたキャビンを樽形のロアボディが受け止める立体構成としていて、山形部分はその上下を嵌合させる役割になっているんですね。また、このキャラクターラインはボディをぐるりと囲む地平線のシルエットが立ち上がって山の稜線になるモチーフで、私たちは『やまのせライン』と呼んでいます。それがリヤガーニッシュにも山形につながり、ライセンスプレート部の逆山形と上下でヘキサゴンの形状にもなって、三菱の他のモデルと共通の表現にもなっているんです」

ーー先代のリヤでは、まさにデリカのイメージとしてガンメタリックのガーニッシュに車名が刻まれていましたが、新型ではボディ同色になりましたね

「はい。先に説明したやまのせラインと一体で考えた結果ですね。やはり安心感や安全感を出すため、ボディパネルをしっかり見せて、リヤパネルの上下の厚みを出しているワケです。ちなみに、オプションでマットブラックに色替えできるパーツも用意していますよ」

ーーアルミホイールは今回2種類のデザインがありますが、どんな意図がありますか?

「4WD用の15インチは悪路を走破するトレッキングシューズのソールをイメージした四角いブロックパターンで、これはボディ各所にもちりばめたモチーフでもあります。一方、2WDの14インチも四角がモチーフなのですが、足まわりを大胆な印象にするため四角形をホイールからはみ出すほど大きくしたデザインにしています」

ーーでは最後に。新型はわずか2年間でモデルチェンジとなりましたが、そこでの難しさなどはありましたか?

「はい、どのように進化を見せるかについてはいろいろと議論しましたね。初期のスケッチ段階ではかなり幅広い提案をしましたが、先代も意識しながら『次期モデルとしての適切な落としどころ』を検討しました。一方で新型はフルモデルチェンジですから、やりたいことができたというか、よりコンセプトを反映させやすかったとは言えます。やはりゼロから考えられたのはよかったと思います」

ーー後藤さんは先代も担当したということですから、そこはより強く感じられたということですね。本日はありがとうございました。

〈文=すぎもと たかよし〉

文:driver@web すぎもと たかよし
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

スズキ「“新”ジムニーシエラ」が“真っ黒”な「レトロ仕様」に!? ”誰でも買える”「公式カスタム」の「ブラックリバイバル」が渋すぎる! その内容とは?
スズキ「“新”ジムニーシエラ」が“真っ黒”な「レトロ仕様」に!? ”誰でも買える”「公式カスタム」の「ブラックリバイバル」が渋すぎる! その内容とは?
くるまのニュース
ホンダ「新型CR-V」初公開! めちゃゴツい「黒色&メタル塗装」仕上げが超カッコイイ! 高級感すごい“RSブラックED”の「タフプレミアム」アクセサリーも登場へ!
ホンダ「新型CR-V」初公開! めちゃゴツい「黒色&メタル塗装」仕上げが超カッコイイ! 高級感すごい“RSブラックED”の「タフプレミアム」アクセサリーも登場へ!
くるまのニュース
トヨタ「“スターレット”クロス」に反響あり! 「ライズ」くらいのちょうどいいサイズに「良いね~」の声も! MTが選べる「ちいさいSUV」南ア仕様に注目!
トヨタ「“スターレット”クロス」に反響あり! 「ライズ」くらいのちょうどいいサイズに「良いね~」の声も! MTが選べる「ちいさいSUV」南ア仕様に注目!
くるまのニュース
日産はモビリティショーでこれまで以上に大きく、よりパワフルで、よりクールなモデル、新型「日産パトロール」を発表!
日産はモビリティショーでこれまで以上に大きく、よりパワフルで、よりクールなモデル、新型「日産パトロール」を発表!
AutoBild Japan
トヨタ新型「ハイラックス」実車公開! 9代目に全面刷新で何が変わった? 日本仕様はどうなる? タイ開催のイベントで見た印象とは
トヨタ新型「ハイラックス」実車公開! 9代目に全面刷新で何が変わった? 日本仕様はどうなる? タイ開催のイベントで見た印象とは
くるまのニュース
見た目がとても素敵な「トヨタ カローラ コンセプト」 角張ったモダンなラインとシンプルなフォルムの上品でスポーティなデザイン
見た目がとても素敵な「トヨタ カローラ コンセプト」 角張ったモダンなラインとシンプルなフォルムの上品でスポーティなデザイン
AutoBild Japan
スズキ「黒い“レトロ”軽SUV」に注目! 「カクカクデザイン」もカッコいい本格四駆に“公式”裏メニュー!? ジムニー「ブラックヘリテージスタイル」がスゴい
スズキ「黒い“レトロ”軽SUV」に注目! 「カクカクデザイン」もカッコいい本格四駆に“公式”裏メニュー!? ジムニー「ブラックヘリテージスタイル」がスゴい
くるまのニュース
ホンダの新「最上級ミニバン」“超スポーティ仕様”がスゴい! ホンモノの「“カーボン”エアロパーツ」×「独創バイザー」で超カッコいい! 一部改良の「新オデッセイ」向け「無限」カスタマイズアイテムに注目
ホンダの新「最上級ミニバン」“超スポーティ仕様”がスゴい! ホンモノの「“カーボン”エアロパーツ」×「独創バイザー」で超カッコいい! 一部改良の「新オデッセイ」向け「無限」カスタマイズアイテムに注目
くるまのニュース
マツダ「次期MAZDA 2」!? 新型「コンパクトカー」に大注目! “ちいさなボディ”に次世代「魂動デザイン」採用! 美しい「ネオ・オーセンティック」仕上げの「ビジョン・クロスコンパクト」についてデザイナーに聞いた!
マツダ「次期MAZDA 2」!? 新型「コンパクトカー」に大注目! “ちいさなボディ”に次世代「魂動デザイン」採用! 美しい「ネオ・オーセンティック」仕上げの「ビジョン・クロスコンパクト」についてデザイナーに聞いた!
くるまのニュース
「間違いなく正解」新型トヨタ『RAV4』がSNSで話題沸騰! 注目グレードはやはり「GRスポーツ」
「間違いなく正解」新型トヨタ『RAV4』がSNSで話題沸騰! 注目グレードはやはり「GRスポーツ」
レスポンス
SUVなのに「走りが楽しい」の声 日産「エクストレイルNISMO」登場から3か月 販売店に寄せられる反響とは
SUVなのに「走りが楽しい」の声 日産「エクストレイルNISMO」登場から3か月 販売店に寄せられる反響とは
VAGUE
【新型CR-V】ミニバン卒業組へ! 走り・広さ両立の旗艦SUVがついに日本発売
【新型CR-V】ミニバン卒業組へ! 走り・広さ両立の旗艦SUVがついに日本発売
グーネット
CR-V e:HEVはアコードを超えたホンダのフラッグシップSUV!! 超豪華装備満載で子育て卒業組のハートを狙い撃ち!!
CR-V e:HEVはアコードを超えたホンダのフラッグシップSUV!! 超豪華装備満載で子育て卒業組のハートを狙い撃ち!!
ベストカーWeb
ホンダもマツダもダイハツも! 僕らに刺さった“小さいクルマ”━━YOKOHAMA Car Sessionの「ジャパンモビリティショー2025」潜入レポ!
ホンダもマツダもダイハツも! 僕らに刺さった“小さいクルマ”━━YOKOHAMA Car Sessionの「ジャパンモビリティショー2025」潜入レポ!
くるくら
新車215万円! スズキ「“新型”コンパクトSUV」に“問合せ殺到”! 8年越しの「“全面刷新レベル”の改良」で精悍顔×走行性能強化! 「新型クロスビー」が販売店でも話題に
新車215万円! スズキ「“新型”コンパクトSUV」に“問合せ殺到”! 8年越しの「“全面刷新レベル”の改良」で精悍顔×走行性能強化! 「新型クロスビー」が販売店でも話題に
くるまのニュース
1530万円! 新「“ちいさな”高級車」に反響殺到! 「レトロな個性と豪華さがイイ」「馬力2倍ってめちゃ速そう」の声も! 美学が詰まった手作りの「ウッド&ピケット・ミニ by カラム」英国モデルに注目!
1530万円! 新「“ちいさな”高級車」に反響殺到! 「レトロな個性と豪華さがイイ」「馬力2倍ってめちゃ速そう」の声も! 美学が詰まった手作りの「ウッド&ピケット・ミニ by カラム」英国モデルに注目!
くるまのニュース
「王者の実力を証明する」新型ホンダ CR-V、本命のハイブリッドを26年2月発売へ、「RS」グレードのみに一本化
「王者の実力を証明する」新型ホンダ CR-V、本命のハイブリッドを26年2月発売へ、「RS」グレードのみに一本化
レスポンス
【ホンダ】全てにおいて高次元 究極のオールラウンダーとなった新型「CR-V」
【ホンダ】全てにおいて高次元 究極のオールラウンダーとなった新型「CR-V」
Auto Prove

みんなのコメント

9件
  • typ********
    新型で無くなったもの…マイルドハイブリッド、パドルシフト、3本スポークステアリング、ライトニングブルーマイカ・サンシャインオレンジメタリックetc…
  • glo********
    パドルシフトが無くなってしまったので買うのを止めた

    使いこなせない人が多数なので無くしたらしい、と

    これだからATしか運転した事ない(出来ない)連中はダメなんだよなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

196 . 5万円 290 . 7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

133 . 0万円 359 . 1万円

中古車を検索
三菱 デリカミニの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

196 . 5万円 290 . 7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

133 . 0万円 359 . 1万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村