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ロータスのラインナップが大幅縮小! アルピーヌと組んでどう変わるのか!?

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ロータスのラインナップが大幅縮小! アルピーヌと組んでどう変わるのか!?

 ロータスカーズは2021年1月25日(現地時間)、『エリーゼ』『エキシージ』『エヴォーラ』を2021年で生産終了すると発表した。

 ドライバー重視のロードカーを生み出し続けてきた英国の名門「ロータス」はどう変わろうとしているのか!? またもしこれから新車で手に入れたいという人は購入することが可能なのか?

トヨタスバル共同開発車情報キャッチ!! 2022年秋発売を目指す4WDスポーツ開発中!!

 今、そしてこれからのロータスについて、レポートしていきたい。

文/大音安弘
写真/LOTUS

【画像ギャラリー】エリーゼ世代のロータスと未来のロータスを暗示するクルマたち

■名門にも時代の波が押し寄せる! エリーゼ世代の生産が終了

 多くのクルマ好きを虜にしてきた英国のライトウェイトスポーツの名門「ロータス」が、2021年1月25日、プレスリリースを配信。

 現行市販モデルである『エリーゼ』『エキシージ』『エヴォーラ』のすべてが2021年に生産終了することを明かした。モデルライフが長いことや、英国での自動車に対する規制の強化の影響から、どの段階で生産終了がアナウンスされるかに注目が集まっていたが、2021年内を持って、その歴史に幕を閉じることになった。

 1995年に発表された『エリーゼ』は、ロータス史に残るエポックメイキングな1台であった。ライトウェイトスポーツの基本に忠実な軽量コンパクトなスポーツカーであるとともに、特徴的なアルミニウム製バスタブフレーム構造を採用するなど、ロータスとしても新たな技術的チャレンジを盛り込んだ意欲作であった。その代表例が、ボディ剛性を高めるための構造接着剤だ。今や多くの量産車のモノコックボディに採用されているが、いち早くエリーゼは軽量高剛性化の手段として活用していた。

写真のエリーゼスポーツ220IIは、1798cc、直列4気筒スーパーチャージャーエンジンをミッドシップに搭載。最高出力220ps、車両重量924kg、ミッションは6速MTのベーシックな構成

 2000年には、サーキット指向を強めた『エキシージ』を投入。ライトウェイトスポーツの魅力を追求したエリーゼとスパルタンなエキシージのコンビは、スポーツカーメーカー、ロータスの名を再び世界に轟かせる大ヒット作となった。その後、エリーゼ姉妹は、バリエーションの拡大を続け、2006年にはグランツーリスモ指向の「ヨーロッパS」を投入。ただこれは短命に終わり、そのあとを2008年登場の2+2クーペ『エヴォーラ』が受け継ぎ、現在へと至る。

写真はエキシージ スポーツ350GPエディション。3.5L V6スーパーチャージャーエンジン搭載で最高出力350ps、往年のF1ロータス チームのJPSカラーをまとい、国内20台で限定販売された

 現代のロータスは、日本とも縁の深いクルマでもある。英国ローバー社の破綻により、エンジン供給を2004年からトヨタが担当。その後、一部のモデルを除き、ほとんどのロータス車に、トヨタエンジンが搭載されている。それらには、独自のチューニングが加えられ高性能化が図られているが、トヨタエンジンによる信頼性の高さもロータス車の強い武器となり、より多くの人に愛されるようになった。

 トヨタが供給したのは、直列4気筒エンジンとV6エンジンであった。しかし、ロータスは、それ以外にレクサスFシリーズに搭載されるV10の供給を望んだが、トヨタ側が断ったという噂もある。もしロータスに、5.0L V10が提供されていたらと、どんなクルマが仕上げられたのだろうか。しかしながら、今となっては決して実現しない夢となってしまった。

■スポーツカーは引退? それとも? 次世代ロータスはどうなるのか!?

 エリーゼ姉妹の生産を終えると、当然、ロータスの市販車は失われてしまうことになる。もちろん、ロータスは未来へと動く。それが市販モデルの一新の決定だ。

 『Type131』と呼ぶ次世代スポーツカーを次なる主力にすることを明かしている。そのプロトタイプの生産は、2021年より英国本社のあるヘセルの工場で行われるという。つまり、次世代ロータスも伝統どおり英国での生産が継続されることになる。これは現在の株主が、中国のGeely(吉利)とマレーシアのEtika(エティカ)であるが、英国拠点に活動を続け、ロータスブランドを守っていくことの表明といえるだろう。

 さらに今後のロータス成長のために、新たな生産設備への投資も決定しており、その総額は1億ポンド以上(140億円以上)にも達するというから驚く。この投資には、ふたつあるサブアッセンブリ施設を統合、効率を高め、生産台数を増加させるのが狙い。これは2018年に公表したビジネス戦略「VISION 80」に含まれるものであり、ロータスは自身が描く未来にまっすぐに突き進んでいることを強調している。

 雇用についても強化を行い、新たに250名を採用する計画だという。新たな従業員は、ロータスカーズだけでなく、エンジニアリングコンサルタント部門のロータスエンジニアリングの仕事に従事するメンバーも含まれている。

 ロータスは、自車開発だけでなく、多くの自動車メーカーのプロジェクトにも参画している。日本でもトヨタ『セリカXX』やいすゞ『ジェミニ』などロータスの技術提携が謳われているモデルが多く存在する。近年では、テスラの第一弾モデル「ロードスター」の開発製造にも大きく携わったことも有名だ。ロータスの技術を売ることも、同社を支える伝統的なビジネスのひとつなのである。

■ロータスの次代を担う新型車『Type131』とは?

 気になる新スポーツカー『Type131』については、現時点ではほとんど情報がないが、このモデルは、まだピュアエンジン車だという。

フル電動EVハイパーカーの「ロータス エヴァイア(Evija)」。全世界130台を限定生産、2020年中に生産開始……とアナウンスされている

 ティザー写真には、すでに公開済みのEVスポーツ『エヴァイア』とともに、ベールに包まれた3台のマシンが展示されている。これらのうちいずれかが、もしくはすべてがType131ということのようだ。

EVハイパーカーのエヴァイアとベールを被った新たなスポーツカー「Type 131」を含む3台。ロータスの新たな時代の幕があけを予感させる

 ただすべてボディサイズやノーズの長さなどが異なることが確認できる。おそらく次世代スポーツも、個性の異なるバリエーションを備えるのだろう。将来的には、エヴァイアに象徴されるように、電動化の道へと突き進むようだが、Type131は、エリーゼに引き続き、エンジン車の魅力を堪能できる一台となるようなので、その点は大いに期待したい。

 また「VISION 80」では、先進運転支援機能などのGeelyの技術も取り入れていくともあるので、モデルによっては、先進機能が充実されるだろう。また新モデルについては、米国と中国を主眼に置くことも決定されているので、ロータス初のクロスオーバーモデルが誕生する可能性も十分にある。現時点では、情報があまりにも少ないので、ここは続報を待つことにしよう。

■電動化も視野に入れるか!? アルピーヌとの協業も発表

 ロータスについては、隣国フランスのルノーからも新たな情報がもたらされた。それがアルピーヌとの協業だ。

 2021年1月14日に行ったルノーグループ全体の新戦略の発表では、経営改善に向けて、大鉈を振るうことを明らかに。その中には、復活したばかりのアルピーヌのイメージチェンジも含まれており、クラシックピュアスポーツからアヴァンギャルドスポーツへとシフト。ピュアEVのみの特別感あるスポーツブランドに成長させていくというのだ。

 その戦略の重要なパートナーとなるのが、ロータスだ。アルピーヌと協力し、次世代EVスポーツを開発することが示された。アライアンスの新世代プラットフォーム「CMF-B」や「CMF-EV」の活用したアルピーヌEVモデルも用意されるようだが、ロータスとの協業は、エヴァイアをベースにしたスーパーカーではないかとも考えられる。

1970年代にラリーで活躍したA110をオマージュして2017年に開発された新生アルピーヌA110。軽量コンパクトなミッドシップスポーツカーだが普段使いもこなせる快適性を備える

 アルピーヌが大きな舵を切る上では、やはり象徴的な存在が必要となる。それをロータスとのタッグで実現させるのではないだろうか。ともかく『A110』の復活を超えるサプライズを期待していいはずだ。この段階で、ロータスの名を前面に出しているのも、新生アルピーヌがスポーツカーファンの期待を裏切らない存在であることをアピールすることが狙いなのだろう。

■まだ間に合うのか!? 現行型新車はいつまで買える!?

 もっとも、次世代よりも熟成されたロータスを手にしたいと考えるファンも多いはずだ。そこでインポーターであるLCIに取材を行った。

 2021年で現行型ロータスモデルの生産終了が公表されたばかりだが、残念ながら、日本からの新規オーダーはすでに受付終了。いちから自分好みのロータスをオーダーすることは叶わないのが現状だ。

 しかし、嘆くのはまだ早い。エリーゼこそ在庫が少ないそうだが、エキシージとエヴォーラに関しては、ある程度の在庫が確保されているとのこと。つまり新車を購入することは可能なのだ。ただし、在庫は仕様と色が限られるので、早い者勝ちである点は変わらない。正直、趣味性の高いクルマは値落ちが少なく、多少頑張っても新車を狙ったほうがお得なケースも多い。それだけに今が絶好の機会と言えるだろう。

 とはいえ、予算的にも中古車狙いという人も多いはず。もし中古車から選ぶなら、エンジンについては注意したい。フェイズ2には、ローバーKユニットとトヨタユニットの両方が存在するが、年式的にもローバーKユニット車に現実的な価格帯が付けられていることがある。ただ冷却性能などはトヨタユニットが大きく上回るため、その点も含め、販売店の意見にも耳を傾けつつ、じっくりと選んで欲しい。

【画像ギャラリー】エリーゼ世代のロータスと未来のロータスを暗示するクルマたち

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みんなのコメント

2件
  • かなり前に、カプチーノのチューンドタービン交換車に乗っていた頃、エリーゼに試乗したけど、サイドシルのあまりの太さと、ドア開口部の縦幅の短さに、乗り込みがハンパなく大変で、肝心の走りはワイドトレッドの分安定していたが、パワーを含めてこれならチューンドカプチーノでいいじゃん!・・・と感じて買い替えには至らなかった。

    エリーゼ買って吊るしのまま大切に乗るより、カプチーノをハードチューンして走りまくった方が絶対に楽しいよ!!
  • エンジンはロータスが作るのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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