外装や内装のサイズ どう変わった?
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
【画像】新型トヨタ・アクアとヤリス、迷ったら……【画像でくらべる】 全117枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
7月19日に新型が発表されたアクア。初代モデルは2011年12月に登場しているから、およそ10年ぶりのフルモデルチェンジと、近年の国産車では異例のロングスパンとも言える。
そんな新型アクアは従来型とどのような変化があるのだろうか? カタログから読み取ることができる数値を中心に徹底比較してみたい。
まずはボディサイズ。旧型は全長4050mm×全幅1695mm×全高1455mmの5ナンバーサイズ。
一方の新型は全長4050mm×全幅1695mm×全高1485mm(2WD車)と、全高が30mm高くなった以外は先代と同じサイズとなっている。
これは先代アクアにおいてルーフが低いことで圧迫感が少なからずある、という意見が多かったための対処ではないだろうか。
なお、ボディ全長は変わらないものの、ホイールベースは旧型の2550mmから2600mmへと50mm伸ばされており、室内空間の拡大と安定した走行性能に繋がっているはずだ。
室内空間に関しては旧型が長さ2015mm×幅1395mm×高さ1175mm。新型は長さ1830mm×幅1425mm×高さ1190mmと長さ方向には短くなっているものの、幅と高さは新型が大きくなっている。
室内長は数値上短くなっているが、これはダッシュボード端から計測しているためであり、前述のようにホイールベースが50mm伸びている新型の方が、実際の有効室内空間スペースは広くなっていると言えるだろう。
大きく向上した新型アクアの燃費性能
先代に引き続きハイブリッド専用車となるアクアは、1.5Lエンジンとモーターを組み合わせたTHS-IIを採用しているのは不変。
しかし、搭載されるエンジンは1NZ-FXE型からM15A-FXE型へ、モーターも1LM型から1NM型へと置き換えられ、ヤリス・ハイブリッドと同様のパワートレイン構成となった。
ただし駆動用バッテリーに高出力な「バイポーラ型ニッケル水素電池」を世界初採用(Bグレードを除く)した。
従来型比2倍のバッテリー出力やアクセル操作への応答性の向上、電気のみでの走行可能速度域の拡大など、ハイブリッド車としての本質をより磨き上げることでヤリス・ハイブリッドとの差別化を図っている。
そしてバイポーラ型ニッケル水素電池搭載グレードでは、アクセルペダルのオンオフで車速をコントロールできる「快感ペダル」なるものも備わった。
これは日産のワンペダルドライブと同様のものだが、ついにトヨタも導入に踏み切ったということになる。
ボディサイズは先代とほぼ不変でありながら、プラットフォームにはトヨタのTNGAプラットフォームを採用し、高剛性を実現しながらも重量増を最小限に留めている。
燃費性能については、従来型がWLTCモード燃費29.8km/Lだったのに対し、新型では35.8km/Lと大きく向上(共に最も低燃費なグレードで比較)。
動力性能でも燃費性能でも先代モデルを大きく上回る実力を持ち合わせていることが分かる。
また、新型アクアでは待望のE-Four(電気式4WD)が登場。降雪地域に住むユーザーにとっては嬉しい選択肢の拡大と言えるのではないだろうか。
ヤリス・ハイブリッドと迷った場合は
先代アクアはデビュー時、169万円からというハイブリッド車としては異例の低価格が話題を集めた。
先代最終型でも、181万8300円~212万6300円(GR系やクロスオーバー、特別仕様車は含まない価格)と、ハイブリッド車としては買いやすい価格をキープしていた。
一方の新型は、198万円~259万8000円とやや高値となった印象であるが、全グレードに先進安全装備である「トヨタ・セーフティ・センス」が標準装備となるほか、LEDヘッドライトや7インチモニターのディスプレイオーディオも全グレード標準装備となるため、むしろ実質的な値下げとも言えそうだ。
そしてトヨタのハイブリッド車にはおなじみの装備となったAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントに加え、非常時に外部給電をすることができるシステムも標準装備。
これはガソリンが満タンの状態であれば、一般的な家庭5日分の電力を供給できるというもので、有事の際に心強い存在になることは間違いない。
また、オプション設定とはなるが、駐車補助機能のトヨタチームメイト「アドバンストパーク」や、ブラインドスポットモニターも用意される。
クラスを超えた充実装備が備わっているという印象となっている。
そのため、同クラスにヤリス・ハイブリッドが存在してはいるものの、より先進的なハイブリッド車が欲しい人はアクアへ、スタンダードなハイブリッドコンパクトが欲しい人はヤリスへと、うまくキャラクター分けができていると考える。
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