この記事をまとめると
■2024年2月の車名別新車販売ランキングが自販連と全軽自協から発表された
ダイハツの不正があったのにN-BOXの数字が伸びていない! 1月の新車販売台数を分析して見えた意外な事実
■ホンダN-BOXは新型になってからの売れ行きが落ちつつある
■スズキ・スペーシアの調子がいいほか、登録車ではカローラシリーズがトップになった
令和5年度に1番売れたクルマがほぼ確定!
いよいよ4月になると2024年3月単月の車名(通称名)別新車販売ランキングが発表となり、同時に2023事業年度締め(2023年4月~2024年3月)での年間新車販売ランキングも確定することになる。ただし、コロナ禍も含めここ数年は、2月単月の新車販売ランキングが発表された段階で事業年度締めでの年間新車販売台数ナンバー1もほぼ確定している。
そのようななか、自販連(日本自動車販売協会連合会/登録車)及び全軽自協(全国軽自動車協会連合会/軽自動車)それぞれが発表した2024年2月単月締めでの車名(通称名)別新車ランキングを、登録車と軽自動車で合算(含軽統計)した。すると、ナンバー1となったのは常連となるホンダN-BOXとなった。計算してみるとN-BOXの2023年4月から2024年2月までの累計販売台数は20万台弱となっている。
ライバルのスズキ・スペーシアが11万台強、ダイハツ・タントが12万台強、そして登録車のみでの販売トップの常連となるトヨタ・ヤリスが約17万台となっており、N-BOXとの台数差がもっとも少ないヤリスでも3万台ほど現時点でN-BOXが差をつけているので、2023事業年度締めでの年間新車販売ナンバー1でもN-BOXが1位になることはほぼ確実になっているといっていいだろう。
ちなみにN-BOXは、2023年3月単月では2万7811台を販売している。これをベースに仮に2024年3月も2.7万台販売したとすると、2022事業年度締めでの年間販売台数20万4734台を超える可能性も十分に高まっている。新型N-BOXは、2023年10月6日に正式発売となった。ほぼ1カ月フルカウントとなる2023年10月、11月、12月こそ前年同期比100%を超えているものの、年が明けてから1月と2月は前年同期比100%割れとなっている。しかも2024年になってからは、ほかの軽乗用車の販売台数が前年比で100%超えするのも珍しくないなか、100%割れが続いている。
供給体制など販売条件がまったく同じではないので、単純に統計数値だけで比較するのは多少乱暴にも見えるが、新型になってからはやや息切れ気味のようにも見える。新型正式発売月の10月も、先代在庫車が販売台数を押し上げたということは否定できない。
「それでも事業年度締め年間販売台数では2022事業年度を超えるとしているではないか」というご指摘があるかと思うが、2023事業年度内で新型に切り替わったのは10月以降、つまり先代の販売台数が大きく貢献しているのである。
来年度はカローラが上位に食い込む可能性あり
ランキングに話を戻すと、スズキ・スペーシアが2位となっている。タントなどダイハツ車がランキングをかなり落としているのはいまさら説明するのもなんだが、一連の不祥事による供給停止が響いている。スペーシアは2024年1月比で133.1%、前年同月比で153.9%となっているので、ある程度はダイハツの新車を買うことのできないユーザーが流れてきていると見てもいいかもしれない。
登録車で最上位は3位に入っているトヨタ・カローラシリーズとなっている。2月は改良を控えたセダン、ツーリング、スポーツのオーダーストップが続いていたが、3月に入ってから確認すると、改良後モデルの予約受注が始まっていた。
いまは販売現場には事前に正式な発売日などの情報が入ってこないとのことだが、4月に入ると正式発売になるのではないかとのことなので、改良前バックオーダーの消化を急いだ結果といえるかもしれない。
ちなみに本稿執筆時点で注文すると、ツーリングのガソリン車を除くと、早ければ6月あたりには納車となるので、ヤリス系よりは納期が短めにもなっているのも特徴だ。なので、しばらくカローラが登録車のみでトップになるかもしれない。オーダーストップではなかったカローラクロスは、本稿執筆時点で注文しても2024年内納車が間に合えばかなりラッキーといったレベルなので、2月に受注しても販売台数としてはカウント対象外となっている。
トヨタ以外では、日産ではノート系、ホンダではフリードなど納期がほぼ平時レベルとなっているモデルがより目立っているように見える。
登録車のみのランキングでは、トップ10のうちトヨタ車が5台となっている。ランクインモデルが少ないように見えるのは、ダイハツのスキャンダルの影響で供給停止となっているルーミーの落ち込みもあるが、トヨタ以外のメーカーは納期遅延もほぼ解消されており、事業年度末決算セールの前半戦である2月に合わせて年末から年初にかけて売れ筋で納期の短めなモデルを優先して販売してきたことも影響しているといっていいだろう。
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