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BMWの最上級SUV 「X7」に登場したディーゼル+48Vハイブリッドの実力とは

掲載 更新 20
BMWの最上級SUV 「X7」に登場したディーゼル+48Vハイブリッドの実力とは

■従来の「35d」に比べて75馬力・80Nmも向上

 スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)とBMW流に分類されるXシリーズは、1999年にデビューした「X5」から始まりました。

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 世界的にもSUV人気が高まったこともあり、Xシリーズも続々とラインナップを増やし、いまでは「X1」、「X2」、「X3」、「X4」、「X5」、「X6」、「X7」と、7種類のボディが用意されています。ちなみに、数字が偶数なのはリアウインドウが傾斜したクーペタイプ(BMW流にいうとSAC)です。

 Xシリーズのなかでも一番大きなボディで3列シートを持つX7は、2019年に登場しました。

 X5にも3列シート仕様がありますが、その3列目はやはりX7のほうがレッグルーム、ヘッドクリアランスともにゆとりがあり、大人でも乗ることができます。

 BMWのセダンのフラッグシップは「7シリーズ」ですが、X7はその大きさ、ラグジュアリーさという点でもXシリーズの頂点に君臨しています。その風格を表しているのは大きなキドニーグリルであり、他のXシリーズにはないエクステリアデザインの重厚感、骨太感があります。

 今回試乗したのは、そんなX7に加わった新しいパワートレイン、ディーゼルエンジンのマイルドハイブリッドです。48Vで駆動するベルトドライブのスターター・ジェネレーターを持っています。

 3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンは、シーケンシャル・ツイン可変ジオメトリーターボチャージャーを備え、最高出力340馬力/4400rpm、最大トルク700Nm/1750-2250rpmを発揮します。これは現行モデルの「35d」に比べて、出力は75馬力、トルクは80Nmも高くなっています。

 さらに48Vの電気モーターが加わりますが、定格出力6.9kW、最高出力8kW(11馬力)を発揮し、トルクは始動時53Nm/500rpm、エンジンアシスト時には35Nm/2500rpmを絞り出すことができます。

 X7の車両重量は2.5トンを超えますが、低回転から発揮できるエンジンの太いトルクと、タイムラグなく力を発揮する電気モーターのアシストにより、アクセルペダルを踏み込んだときには予想より遥かに軽快に走ることができます。

 反対にアクセルペダルを戻すとコースティング状態になり、惰性で走る距離が長くなるようにセッティングされています。車重が重いことは、この時にはメリットとして作用します。

 ブレーキを踏むと48Vバッテリーに回生するわけで、ここがマイルドハイブリッドといわれる所以です。

 今回試乗したX7 xDrive 40d Mスポーツパッケージは、オプションの6人乗りになっていました。これは2列目シートが左右で独立した2座席、いわゆるキャプテンシートになっているからです。1列目の運転席/助手席はもちろん、2列目も3列目も電動で動かすことができるところは、さすが高級車と思わせます。

 テールゲートを開けるとそこにもスイッチがたくさん並んでいますが、このスイッチで3列目のシートを畳んだり、戻したりすることができます。3列目に乗り込むときには2列目シートのスイッチによって、ワンタッチ操作だけで自動的にシートが前にスライドし、バックレストは前に倒れていって、乗り込みしやすくなります。

 3列目に乗り込むときやラゲッジルームの荷物の載せ下ろしの場合には、エアサスペンションのメリットを活かして車高調整(低くすること)も可能です。

■乗り心地は快適そのもの 大きいボディながら軽快な走り

 乗り心地は、さすが車重が2.5トンもあるため快適そのものです。285/45R21 113YXLと大きく薄いランフラットタイヤですが、ドタバタせずにまろやかな乗り味でまったく不満はありません。

 さらに「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」と呼ばれる、快適性とハンドリング特性を両立させるサスペンションコントロールシステムが効果を発揮します。

 これは、まずダイナミック・ドライブと呼ぶアクティブスタビライザーがボディの横揺れを最小にし、ウインドシールドのステレオカメラが検知した前方の路面情報を元に、ダンパーとエアサスペンションの調整をおこない、上下動を最小にして最上の乗り心地を提供してくれるものです。

 テールゲートは上下に分割して開きますが、手でボタンを押し、上と下を独立して電動開閉させることも可能ですが、リモコンスイッチを使ったり、足の動きで指示すると、ワンアクションで上下のテールゲートの開閉が可能です。

 最後にハンドリング性能ですが、この大きさと重量をどう調理しているか気になるところです。しかし、ここはさすがBMWというレベルに仕上がっているので心配は入りません。ハンドルに正確にライントレースができるし、走る、曲がる、止まるという基本性能がすべて軽快です。

 その秘密は、ボンネットを開けるとわかります。エンジンルームには左右のストラットタワーから斜め前と後ろ向きに頑強そうな補強バーが4本入っています。この他にもフロア下にも補強バーが入り、ハードな走行にも負けないボディ剛性を出しているのです。

 単に大きくて重厚でラグジュアリーなSUVを作っているのではなく「駆けぬける歓び」も忘れずBMWらしい走りができるので、SAVと呼ぶのでしょう。

BMW X7 xDrive 40d M Sport

・車両価格(消費税込):1286万円
・試乗車オプション込価格:1520万8000円
・全長:5165mm
・全幅:2000mm
・全高:1835mm
・ホイールベース:3105mm
・車両重量:2510kg
・エンジン形式:直列6気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:2992cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・エンジン最高出力:340ps/4400rpm
・エンジン最大トルク:700Nm/1750-2250rpm
・モーター最高出力:11ps/10000rpm
・モーター最大トルク:53Nm/500rpm
・WLTCモード燃費:11.9km/L

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みんなのコメント

20件
  • 今まではクリーンディーゼルで何とか誤魔化してきたけど
    EV化で変更を余儀なくされた欧州車は、日本に後れを取った
    ハイブリッド技術は燃費で勝てないから苦肉の策でディーゼル
    と組み合わせた。
    付け焼き刃的な技術だから数年後には廃止される組み合わせだよ。
  • レクサスがマシに見えるひどいデザイン
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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