現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ある意味フェラーリやランボルギーニより希少な国産スーパースポーツ、ホンダ NSX【EDGE’S Attention】

ここから本文です

ある意味フェラーリやランボルギーニより希少な国産スーパースポーツ、ホンダ NSX【EDGE’S Attention】

掲載 更新 23
ある意味フェラーリやランボルギーニより希少な国産スーパースポーツ、ホンダ NSX【EDGE’S Attention】

そんなエッジィなモデルにEDGE編集部から「アテンション プリーズ!」。

今回はミッドシップスーパースポーツ、2代目となるホンダNSXをお届けする。 

ホンダ NSXのカタログを見る

進化を続ける“スポーツカー”

確かにデビュー当初の開発責任者は日本人ではなかったけれど、だからといってそこにホンダイズムが見当たらないという話にはならない。フェラーリにだってイタリア人以外はごまんといる。突っ込みどころがあるとすれば「米国産であること」だが、専門メーカーならまだしも、ホンダというジェネラルブランドの特殊な車両である。純血主義にこだわるとそもそも立ち行かない。

2021年1月の段階でホンダの公式サイトでNSXのページを開くと、「現行モデルの販売は終了いたしました」という赤字の文言を価格の下に見つけることになる。これは2代目の販売が終わったというわけではなく、あくまでも年次モデルの受注が終わったということ。またしばらくすれば新しい色でもまとって、もしくは大なり小なりの改良を伴って、再販されることになるだろう。

NSXはデビュー以来、スポーツカーらしく進化をやめてはいない。そう聞いて「なぜ?」と思った方は、NSXはデビューしてまだ間もないのに……と“何となく”思っている人たちだろう。これはある意味仕方がない。輸入される台数が年間生産台数の約5%、100台程度といわれているから、街中で遭遇する機会はフェラーリ(輸入台数約500台)やランボルギーニ(同約300台)よりも少ないのだ。見かけないモデルは古くならないものなので「え? もう改良しちゃうの?」、という反応になる。実際には16年8月に日本デビューだったから、すでに5年目に入っている。

もっとも、年次改良は欧米ブランドの常ではあるし、日本でも採用するブランドが増えてきた。毎年積極的に改良を加える日産GT-Rのような例もある。もちろん、どんなモデルでもいわゆるランニングチェンジはあるもので、人知れず細かな部分が改良されていた、などということはよくある話だ。

スーパーカー界に詳しい人の反応はまた少し違うと思う。年産2000~3000台レベルのモデルの場合、内外装の変更や走りの性能に関わるような改良は4~6年に一度のマイナーチェンジだけ、だ。ランニングチェンジはあるし、しばらくぶりに乗ると完成度が上がっていて印象が変わったということもありがちだが、具体的にその内容が発表されることはない。そうしないと先に買った顧客に申し訳が立たないからだ。

つまり、スーパーカー好きにとっては年次改良というシステムそのものに是非が生じてしまう。良くなればなるほど「最初からそうしろよ」と言われるのだ。顧客のロイヤリティを損なわないためにもスーパーカーブランドの多くは改良型の追加に慎重で、実際、「そろそろ新しいのが出るかも」と初期型オーナーたちが進んで思い始めたときを見計らってマイチェン版が登場する。経過年数や累計の生産台数を考慮しつつ、カスタマーに納得して乗り替えてもらえるタイミングを計っているのだ。 

立ちはだかるのは“断絶”と“偉大すぎる初代”

2代目NSXは、決してデキの悪いスーパースポーツではない。むしろ上出来だけれどもNSXを名乗ったがゆえ賛否両論を巻き起こしたように思う。

偉大すぎる初代の存在がまずは立ちはだかった。成功した初代はいつだって偉大で、問題はその財産をどう引き継ぐか。NSXの場合、06年に初代が生産を終えてから、次世代の登場が12年にアナウンスされるまで6年の断絶があった。さらに、正式デビューまで4年もの歳月を要した。つまり、NSXというスーパースポーツの新車が存在しない期間が実に約10年にも及んだのだ。

偉大な初代をいきなり超えることは難しいもの。だからこそ何かを引き継ぎ、何かを捨てながら、スポーツカーは進化しなければならない。その残す何かが後々ブランドの真髄となり、DNAだと呼ばれることになる。断絶さえしなければ徐々に進化させていくことが可能だった。

価格だってそうだ。NSXにしては高すぎるという人がいる。そりゃそうだ、みんなそうなっているのだから。初代が誕生した頃のフェラーリV8ミッドシップモデルの価格も今や倍以上である。軽自動車だってそうだ。NSXだけが不当に高くなったとは言えない。不当に高いと思わせる状況を、モデルの断絶が生んでしまっただけなのだ。 デビュー当初には「レジェンドみたいな内装でまるで2000万円級のスーパーカーらしくない」などとも酷評されている。当たり前である。ホンダのフラッグシップサルーンと同じ系統のデザインが採用されていなかったとすれば、それこそブランドとして大問題だ。NSXはホンダ(アキュラ)であって、それ以外の何物でもない。

恐らく現行型は初代NSXの志を受け継ぎ、よりツアラー色を強めたミッドシップスーパースポーツを目指して開発されたのであろう。もちろん北米市場の要望も大きい。そのことは室内の幅の広さやトランクルームにもよく現れている。それは間違っていなかった。

残るもうひとつのNSXらしさ=スポーツカーとしての存在感を、今、煮詰めている最中だとみる。当初に比べてより一層ドライバーオリエンテッドなハンドリングマシンになってきた。公式サイトで次にまた“販売終了”のフレーズの消える日が待ち遠しい。 文/西川 淳、写真/ホンダ

ホンダ NSX(初代)の中古車はこちらホンダ NSX(2代目・現行型)の中古車はこちらホンダ NSXのカタログを見るカーセンサーEDGE.netはこちら

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
AUTOSPORT web
Team HRC、S耐の2年計画を完遂。初期メンバーの武藤「楽しい環境がいつまでも続けばいいな」
Team HRC、S耐の2年計画を完遂。初期メンバーの武藤「楽しい環境がいつまでも続けばいいな」
AUTOSPORT web
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
くるまのニュース
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
VAGUE
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
ベストカーWeb
ミニバンなら日本車……とも言い切れんぞ! ちょっとマイナーだけどヨーロッパにも個性派ミニバンが存在した
ミニバンなら日本車……とも言い切れんぞ! ちょっとマイナーだけどヨーロッパにも個性派ミニバンが存在した
WEB CARTOP
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
くるまのニュース
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
motorsport.com 日本版
コンチネンタル、車内の生体情報を検知する革新的ディスプレイ発表へ…CES 2025
コンチネンタル、車内の生体情報を検知する革新的ディスプレイ発表へ…CES 2025
レスポンス
[圧倒的燃費]と環境性能! [トヨタ・ヤリス]を超えるクルマってぶっちゃけある? 
[圧倒的燃費]と環境性能! [トヨタ・ヤリス]を超えるクルマってぶっちゃけある? 
ベストカーWeb
給与が高いスイスに拠点を置くザウバーは例外? ハースF1小松代表、FIAが検討する予算上限”優遇措置”に反論「皆反対している。シンプルなままでいい」
給与が高いスイスに拠点を置くザウバーは例外? ハースF1小松代表、FIAが検討する予算上限”優遇措置”に反論「皆反対している。シンプルなままでいい」
motorsport.com 日本版
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
くるまのニュース
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
バイクのニュース
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
レスポンス
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
ベストカーWeb
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レスポンス
メルセデスが3セッション連続で最速! 終盤の赤旗中断で、アタック未完了のマシン多数……勢力図は不明瞭|F1ラスベガスGPフリー走行3回目
メルセデスが3セッション連続で最速! 終盤の赤旗中断で、アタック未完了のマシン多数……勢力図は不明瞭|F1ラスベガスGPフリー走行3回目
motorsport.com 日本版
ルノーがハイブリッド車に使ったF1直系の技術……って聞くとなんかたぎる! 「ドッグクラッチ」ってそもそも何?
ルノーがハイブリッド車に使ったF1直系の技術……って聞くとなんかたぎる! 「ドッグクラッチ」ってそもそも何?
WEB CARTOP

みんなのコメント

23件
  • 同価格帯にランボルギーニウラカン、フェラーリローマ、マセラティMC20などがある中でNSXを買う人を尊敬します。
  • NSXはホンダ車ではあるけど、国産車では無く輸入車です
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索
NSXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村