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【ホンダ フィット マイナーチェンジ新型試乗&開発者の話】デザインの変化は小さいが走りの変化は大きい!

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【ホンダ フィット マイナーチェンジ新型試乗&開発者の話】デザインの変化は小さいが走りの変化は大きい!

2022年10月6日に、ホンダの5ドアハッチバック・コンパクトカー「FIT(フィット)」がマイナーチェンジし発売されました。筆者が参加した新型試乗会のレポートをお届け!ホンダは地味な部署(失礼!)でもスゴイことをしていました!

新型フィット、どこが変わった?

【2022年最新版】カーリースのメリット・デメリットを徹底解説!

画像キャプションなしでマイナーチェンジ前後のフィットの画像を並べてみました。どちらがマイナーチェンジ後の新型でしょうか?

冒頭1枚目、2枚目目と同じ並び順で、フロントマスクを切り取った画像で比較してみてください。

異なるところは、

左右のヘッドライトの間の鼻先

バンパー形状

ヘッドライトの内側

が主なポイントです。

下の画像のほうが、角が取れてマイルドですっきりとした印象になったと思いませんか?ヘッドライトの内側の瞳に相当する部分は、下の画像ではブラックアウトされ、穏やかなイメージになりました。

正解は、下の画像がマイナーチェンジ後のフィットです。

マイナーチェンジで変更点まとめ

前述のフロントのデザイン変更のほか、マイナーチェンジで変更・追加されたポイントは以下のとおりです。

➢ ハイブリッド「e:HEV(イーエイチイーブイ)」のモーターを強化。最高出力10kWアップの90kW(123PS)へ。

➢ 新色「スレートグレー・パール」追加。

➢ 安全装備を強化。トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、急アクセル抑制機能を標準装備化(全車)。ブラインドスポットインフォメーション、後退出庫サポートを一部グレードにオプション設定。

➢ 「NESS」グレードを廃止。スポーツグレード「RS」を追加。

車両価格

新型フィットの価格は、199万7,600~248万6,000円。

主力グレードの「HOME」e:HEV・FF車の価格は、217万5,800円。マイナーチェンジ前の同グレードの価格は、206万8,000円で10万7,800円(10.5%)のアップとなりました。

パワーアップした新型フィットの走りは?

モーター最高出力が10kWアップしたことに加え、制御系もしっかりとチューニングされて、コンパクトカーらしからぬ出足の良さ、高速巡航時の静粛性の高さと、質感高い走りを披露しました。

足回りはマイナーチェンジ前のモデルと同一ということですが、乗り心地や操縦安定性も向上したように感じました。マイナーチェンジのプラシーボ効果ということで片付けてしまいたいところですが、フィットの駆動の大部分がモーターとなることから、モーターの出力向上が、体感的な乗り心地や操縦安定性の向上につながったと解釈しています。

クロスターはマイナーチェンジの恩恵が大きく感じる

フィット クロスター e:HEV 4WD。ボディカラーは「フィヨルドミスト・パール」。価格は262万0,200円。

最初に試乗したのはクロスオーバーグレードの「CROSSTAR(クロスター)e:HEV」AWDでした。

モーターだけでも最高主力123PS、253N・mの最大トルクを発生するという、コンパクトカーに十分すぎるパワートレインが与えられています。このハイパワーを四輪で駆動させて、FF(前輪駆動)モデルより悪くなるはずがありません。

クロスターは、ほかのグレードの最低地上高(FF:13.5cm、4WD:15.0cm)より少し高く(FF:16.0cm、4WD:15.5cm)、サスペンションもそれに合わせて少し長くなっています。タイヤはRS、LUXEと同じ16インチですが、このちょっと長めの足と4WDの組み合わせは、市街地走行からワインディングまで、快適な乗り心地と高い操縦安定性をもたらしてくれました。ちょっと濡れたワインディングでは、4WDの恩恵を十分に感じます。

復活新グレード「RS」の走りはいかに?

「RS」e:HEV・FFのみの設定。ボディカラーは「クリスタルブラック・パール」。価格は234万6,300円。

2代目、3代目フィットに設定されていたスポーツグレード「RS」が、今回の4代目のマイナーチェンジで復活しました。「RS」は「Road Sailing(ロード セーリング=航海)」の頭文字をとったものです。Racing Sport ではありませんので、ガッチガチのスポーツモデルではありません。

RSのパワートレインは、ほかのグレードと全く同じです。足回りだけにRS専用ものが奢られています。

その乗り味は、ファミリーカーとしての乗り心地を失わずして、ステアリングの応答性の良さ、操縦安定性を高めて、走りを愉しめるものでした。これは、あっぱれ!な乗り味でしたね。

先代フィットRSのユーザーで、現行モデルのRSを心待ちにしていた方、お待たせしました。先代のRSのスピリットを受け継いだ新型RSは大きく進化しています。e:HEVですから、走行性能と燃費を両立した走りの良さには、すみません、先代は霞んでしまいます。

【動画】記事では書けないこともYouTubeでは……



【総合評価】筆者独断と偏見による新型フィットの評価は●点!

筆者が試乗したクルマを10項目×5段階で評価、★1つを2点として100点満点の総合評価として採点します。各項目、評価の理由をお伝えしますが、あくまで筆者のインプレッションによるものですので、ご参考としてご覧ください。

1   内外装デザイン   デザインの良さ、ボディカラーや

インテリアカラーのバリエーションなどを評価   

2   パワートレイン   パワートレインの良し悪しを評価   

3   足回り   乗り心地の良さ、操縦安定性などを評価   

4   燃費・電費   燃費、電費を評価   

5   居住性   室内空間の広さ、静粛性などの

快適性を評価   

6   装備・使い勝手   装備の充実度、使い勝手の良さを評価   

7   安全装備・運転支援   予防安全技術、運転支援システムなどの

先進技術装備を評価   

8   価格   コストパフォーマンスの良さ、お買い得感を評価   

9   乗りやすさ   小回りが効くなどの取り回し性の良さ、

普段使いでの運転のしやすさなどを評価。   

10   クルマの愉しさ   スペックを考慮しないで、純粋にクルマを所有するよろこびや、

ドライビング・プレジャー(走る愉しさ)を筆者の独断と偏見で評価   

後席は座面も下方向に沈み込むダブルフォールディング機構で低床フラットな荷室に。また、逆に座面を後方に跳ね上げると、センタータンクレイアウトで低いフロアに背の高いものを載せることもできるユーティリティーの高い設計になっている。

総合評価は90点!高得点です!

1   内外装デザイン   ★★★   フィットのフロントデザインは評価が分かれる。

エクステリアデザインの個人的評価は★2つだが、開放感があってクリーンで実用的なインテリアは★4つ。   

2   パワートレイン   ★★★★★   モーター出力向上でさらに良くなった。

アクセル全開時のエンジン音やステップATのようなシフトチェンジは実に小気味よい。

走り好きな方はぜひRSを。ただ、4WDのクロスター e:HEVも捨てがたい。   

3   足回り   ★★★★★   マイナーチェンジ前と足回りは変わらない。

RSの足回りはしっかりスポーティーだが、ファミリーカーとしての乗り心地を忘れていない。

上質な乗り味は、4WDのクロスター e:HEV。ダウンサイザーなら雪が降らない地域でも後者がおすすめ。

コンパクトカーとは思えない上質な乗り味。   

4   燃費・電費   ★★★★   e:HEVは燃費優先ではない。走りと燃費を両立。

かといって悪くはない。   

5   居住性   ★★★★★   リアシートのアレンジはホンダならでは。

コンパクトカーでもリビングにいるような居住性。

国産コンパクトカーの中では最も居住性に優れるだろう。   

6   装備・使い勝手   ★★★★★   装備に不足はない。使い勝手も十分。

居住性の高さと相まって★5つ。   

7   安全装備・運転支援   ★★★★★   Honda SENSINGは全車標準装備。

上級モデルにしか装備されなかった

先進技術がマイナーチェンジで採用されるようになった。   

8   価格   ★★★★   先進的なハイブリッドを搭載しての

この価格なら合格。   

9   乗りやすさ   ★★★★★   5ナンバーのコンパクトカーの中では

最も乗りやすい部類だと思う。   

10   クルマの愉しさ   ★★★★   ★5つにしたかったが、RSに装備されるパドルシフトがギアシフトではなく、

回生ブレーキ調整だったことが気になった

(むしろ、パドルシフトにしてほしいという要望はホンダに伝えた)ので★4つ。

クロスター e:HEV 4WDには★5つあげたい。   

「LUXE(リュクス)」のインテリア。

販売台数では負けるフィットも、その個性がぴったりハマるユーザーは多い

ライバルのトヨタヤリス、日産ノートと、販売台数が大きく水を開けられてしまったフィット(ヤリスの販売台数はSUVのヤリス クロスも込みですが…)。どれも良いクルマですが、それぞれに個性があります。

ヤリスは、ヤリス クロスがラインナップされているため、後席を重要視するならそちらへどうぞ、というトヨタお得意のフルラインナップからくる、パーソナルユースが主軸のクルマとなっています。燃費を重要視するなら、文句なしでヤリス。

電動車の上質な走りをコンパクトカーでも求める方なら、ノート。100%モーター駆動ならではの走りに惚れる方は後を絶ちません。

ガソリンエンジンが持つ魅力を味わいつつ、電気の走りも味わいつつ、走りも味わいたいならフィット。また、ユーティリティーの高さを求める方もフィットがおすすめです。

アイキャッチ画像は、フィット RS。撮影場所は、箱根スカイライン。天気が良ければ富士山が見える絶景撮影ポイント。

【動画】新型フィット開発担当者に訊く!こんな部署があんなことをしていた!



(撮影・文:宇野 智)※本記事冒頭の画像4枚はホンダ広報。

※この記事は、2022年11月時点での情報で執筆しています。

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