現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > コスト削減に繋がることも! 自動車メーカーが「別グルマ」かのようなビッグマイナーチェンジを行う複雑な事情

ここから本文です

コスト削減に繋がることも! 自動車メーカーが「別グルマ」かのようなビッグマイナーチェンジを行う複雑な事情

掲載 更新 6
コスト削減に繋がることも! 自動車メーカーが「別グルマ」かのようなビッグマイナーチェンジを行う複雑な事情

売れているからこそコストをかけてマイナーチェンジができる

年次改良、商品改良……呼び方はいろいろあるが、多くの量産車は1~2年に1回程度のペースでマイナーチェンジを繰り返している。なかでもバンパー形状をまるっきり変えてしまったり、パワーユニットを大幅に変更したりといった改良が施されたときは「ビッグマイナーチェンジ」と呼ぶことがある。

前のほうがイケメン? マイナーチェンジで理解しがたい見た目になった国産車トップ5

大きく変えるということは、初期のスタイリングやメカニズムの否定といった印象を受けることもある。つまり「売れていないからビッグマイナーチェンジをしたんだ」と考えてしまう。たしかに、そうしたケースはあるだろう。

ただし、ビッグマイナーチェンジをできるということはそれだけコストがかかるわけで、企業としてお金をかける価値があると認めたモデルでしかできないことでもある。さらにいえばマイナーチェンジにしても、その開発には時間がかかる。商品計画としてマイナーチェンジにかける予算を確保できるのは、やはり売れているカテゴリーのモデルに限られる。

最近でいえば2020年3月に欧州で発表されたメルセデス・ベンツEクラスのビッグマイナーチェンジは、まさしく売れているモデルだからこそできる大変身である。ほぼフルモデルチェンジにも思えるほどの変身ぶりだが、これによってフルモデルチェンジ相当の新車効果や商品力アップが認められるのであれば、メーカー的にはおいしい話だ。プラットフォームレベルから一新するよりは、ずっと開発コストを抑えることができるからだ。

一方で、小さなマーケットを狙っているようなクルマではビッグマイナーチェンジを果たすことが予算的に厳しい。こちらも具体例をあげると、2020年1月に発表されたホンダS660のマイナーチェンジはなにが変わったのかマニアでなければわからないほど。パッと見ではウインカーがフェンダーからドアミラー内蔵タイプに変わったこと、アルミホイールの意匠が変更されたことくらいで、イメージはそのままだ。

最新の技術や装備を採用すると生産ラインの効率化につながる

そもそも論でいえば、メーカーとしてはマイナーチェンジをしないまま何年も安定して売れ続ける商品のほうが嬉しい。しかし、ライバルメーカーの競合モデルが存在する限り、そうしたメーカーにとっておいしい状況にはならない。商品力を常に磨き続けなければ競争に打ち勝つどころか、市場での存在感を失うことにもなりかねない。

競争状態のマーケットにおいては、ライバルがフルモデルチェンジをしてしまうと相対的に商品力が失われてしまう。お互いの商品スケジュールもだいたい予想できる。うまくタイミングをはかってビッグマイナーチェンジを実施することで、競争力を維持することは重要だ。フルモデルチェンジをしたときの商品企画が間違っていたからビッグマイナーチェンジを果たすというよりは、ライバルの動向や市場ニーズに合わせたことで、新車デビュー時とはガラリと変わってしまうこともあると理解すべきだろう。

パワートレインなどの大幅変更については、そのモデル単体ではなくメーカー全体のラインアップにおける生産性もポイントとなる。たとえば、ラインアップ中のある車種がフルモデルチェンジによって新設計のエンジンに変わったとして、ほかの車種が旧型エンジンを積んだままでは生産ラインの効率的に嬉しくない状態になる。エンジンの生産方式が大きく変わったときには、既存車種についてもそうそうにマイナーチェンジを実施して、新世代エンジンに変えていったほうが全体の効率が上がるのだ。

新世代パワーユニットになれば燃費などの環境性能も向上して、商品力も上がるわけだが、車種単体ではなくメーカーラインアップ全体を俯瞰してみると、より意味がわかるマイナーチェンジもあったりする。

目立たないマイナーチェンジでいえば、先進安全装備の進化を見ているとラインアップにおける統一にそうした視点から納得できるケースも見受けられる。

いずれにしても、自動車メーカーがビッグマイナーチェンジを果たすのは自社視点でいえば競合他社に対するアドバンテージを得るためだったり、ライバルをキャッチアップするためだったりする。愛車選びにおいては、そうした商品力アップ情報をしっかりとチェックして自分にベストのクルマを見つけてほしい。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フォード・マスタングGT3はニッサンGT-Rと「大きく異なる」「よく考え抜かれたマシン」と本格復帰のマーデンボロー
フォード・マスタングGT3はニッサンGT-Rと「大きく異なる」「よく考え抜かれたマシン」と本格復帰のマーデンボロー
AUTOSPORT web
メルセデスAMG、604馬力の高性能PHEVワゴン『E 53』を米国投入へ…2025年後半
メルセデスAMG、604馬力の高性能PHEVワゴン『E 53』を米国投入へ…2025年後半
レスポンス
1週間に8日乗りたい! アルトワークスというクルマが楽しすぎる件
1週間に8日乗りたい! アルトワークスというクルマが楽しすぎる件
ベストカーWeb

みんなのコメント

6件
  • マイナーチェンジといえば、現行の「マツダ2」

    数年前に、ガソリン車の排気量を1300ccから1500ccに引き上げた。
    それはビックマイナーとも呼べる程の大きな変革だし、良い方向だったと思う。

    しかし、つい最近、車名を「デミオ」から「マツダ2」に変更した。
    しかし、これなどは、リヤのエンブレムが変わっただけで、内装もエンジンなども何も変化無し。
    モデルチェンジでもないこのタイミングで、わざわざ車名変更する理由が分からない。
  • 「別グルマ」かのようなビッグマイナーチェンジ? 
    スカイライン が? ノートに変わった様なビックマイナーチェンジ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

203 . 2万円 315 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94 . 8万円 550 . 0万円

中古車を検索
ホンダ S660の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

203 . 2万円 315 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94 . 8万円 550 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村

ガソリン軽油割引中