現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クラウンあんなにデカくなっちゃって……日本にピッタリなのはカムリだった!? 復活するならどうすりゃ売れる!?!?

ここから本文です

クラウンあんなにデカくなっちゃって……日本にピッタリなのはカムリだった!? 復活するならどうすりゃ売れる!?!?

掲載 35
クラウンあんなにデカくなっちゃって……日本にピッタリなのはカムリだった!? 復活するならどうすりゃ売れる!?!?

 今でも中古車市場で高い人気を誇るカムリ。安全装置に加え、ハイブリッドやエアログレードの設定など魅力的なクルマではあったが、なによりよかったのがそのサイズ感だ。新型のクラウンは正直デカすぎて取り回しがキツイし、カローラだと高級感が足りない……そんな悩みを全部解決できたのがカムリだった。頼むから復活してくれよ!

文/佐々木 亘、写真:TOYOTA

クラウンあんなにデカくなっちゃって……日本にピッタリなのはカムリだった!? 復活するならどうすりゃ売れる!?!?

■カムリは新しきセダンの肖像

なかなか渋いねぇー

 1986年8月から1990年7月まで販売されていた3代目カムリ。Grand Family Saloonと銘打ち、ベーシックな性能を究めて作り込まれた、真面目を絵にかいたようなセダンだ。

 当時流行していたマークIIを代表とするハイソカーの影響を受けつつも、柔らかな曲線が各所に使われたボディデザインには、愛らしさを感じる。

 FFベースの車内は、空間の余裕が大きくあり、時代背景も相まって豪華な内装があしらわれた。

 特にマルーン(深いワインレッドのような色)の内装色は、高級感と温かみがあり、カムリの車格を1ランク以上高めているだろう。

 また、グランドツーリングの新しい世界を広げる、GTグレードも用意。フォーマルもスポーツも、どちらもこなせる万能セダンなのだ。

 基本コンセプトは、家族4人が快適に移動できるセダン。しかし3代目カムリは、中高年はもちろん、30代以下の若年ファミリーや単身者にも愛された。

 もっと若者向けのクルマが多くあったこの時代に、なぜカムリに注目が集まったのだろうか。

■最新技術とデザインの融合

 カムリが人々の注目を集めた要因は、各所の融合にあると思う。

 特に、クルマのデザインは、トレンドや感性だけで作られるものではない。カーデザインと最新テクノロジーの融合が必須であり、カムリはこれを高い次元で成立させている。

 ハードトップの雰囲気を残しつつ、ボディ前後を絞り込んで曲面を作り上げた。各所に曲面があることによって、ライトなどアイテムがうるさく感じないのだ。

 また、当時としては大変だったフラッシュサーフェス・ウィンドウが、全体の調和を生み出す。ドアガラス面とドアフレームの面の段差は、わずか4mm、フロントガラスとモールの段差はわずか3mmしかない。

 空力や風切り音の低減に寄与するとともに、徹底した面一構成が、クルマ全体を一つの塊に仕上げている。

 技術があり、ふんだんに使っているのだが、その技術を決してひけらかさない。現在ではこうしたクルマの作り方は、ミニバンが得意としているだろう。

 対して現代のセダンは、先進性やテクノロジーに引っ張られすぎて、見ていても乗っていてもどこか疲れてしまう。大衆がホッと一息つける空間になっていないのだ。

■クルマをもっと身近な存在にするのがセダンの役割

テクノロジーこそ低いかも知れないが、満足感は高かったのだろう

 プリウスやクラウンも世界へ向けて発信され、国内需要を中心に作られたクルマとは言い難い。ミニバンのように、国内を軸に考えられたクルマが少なくなり、国内のセダン需要も大きく落ち込むこととなった。

 セダン開発はますます海外へ目を向けることとなる。国内のセダンは育たず、人気もますます落ちるだろう。まさに負の連鎖だ。

 3代目カムリでは、V6エンジンを搭載したプロミネントが登場し、これはのちにES250となって北米市場に投入される。

 日本市場を主眼に置いて設計したクルマでも、ESのように十分世界で戦えるのだ。日本車なのに、なぜ世界で戦うために世界向けのクルマを作り続けるのか。日本のセダンは、日本に向けて作ってほしい。それでも十分海外でも売れるはずなのに。

 尖りすぎたデザインや性能は、今も昔も流行の一瞬だけ人気になり、飽きられてしまう。

 長く日本で愛されるのは、少し物足りないくらいの「ふつう」のクルマだと思う。日本のセダンに必要なのは、奥ゆかしさと愛らしさだ。

 3代目カムリのように、偏りが無いセダンが今の日本には必要だろう。論語の中に‘‘中庸の徳たるや、それ至れるかな‘‘という一節がある。

 過不足なく偏りのない徳は、修得者が少ない高度な概念であるが、これを実現するのが日本のクルマづくりではないだろうか。

 中庸こそ日本のセダンが進むべき道である。温故知新が、国内セダン復権のカギだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
ベストカーWeb
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
AUTOSPORT web
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
AUTOCAR JAPAN
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
AUTOSPORT web
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE

みんなのコメント

35件
  • tur********
    日本ではカムリだってデカすぎるのでは?
  • milkyway
    横幅1800mm以下、最小回転半径5.3m以下にしたら、もう少しは売れるかもね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.5468.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.980000.0万円

中古車を検索
カムリの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.5468.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.980000.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村