現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > オフロードオプション付きのコンフォートグライダー「メルセデスGLE 450 d 4MATIC」は万能SUVか?

ここから本文です

オフロードオプション付きのコンフォートグライダー「メルセデスGLE 450 d 4MATIC」は万能SUVか?

掲載 2
オフロードオプション付きのコンフォートグライダー「メルセデスGLE 450 d 4MATIC」は万能SUVか?

メルセデスGLE 450 d 4MATICをテスト。オフロードオプション付きのコンフォートグライダー。メルセデスはGLEを改良し、最上級ディーゼルにパワーとトルクを与えた。豪華なコンフォートグライダーには何でもできる。

「メルセデスGLE」の最新フェイスリフトでは、外観はほとんど変わらず、主にパワーアップが図られた。すべてのディーゼルがマイルドハイブリッド化された。我々が試乗した最上級グレードの「450 dディーゼル」では、48ボルトのスタータージェネレーターが3.0リッターの巨大な総出力に20馬力貢献している: 同排気量の先代「400 d」の330馬力の代わりに367馬力が出力され、トルクは50Nm増の750Nmとなった。これは、伝説的に獰猛な初代シリーズ(2002-08年)の「VWトゥアレグV10 TDI」がドライブシャフトに発生させたのと同じトルクである。2002年にAUTO BILD誌で初めてドライビングレヴューを行った筆者は、このトルクがシャフトをひしゃげるのではないかと心配したものだ。

サーキットでも公道でも1,030馬力!「フェラーリ SF90 XXストラダーレ」にフィオラノで初試乗!

ヒッチアップドライバーは「GLE」の常連客の一人であり、彼らにとっては、事前に入力されたトレーラーデータに対して最も問題の少ないルートを推奨する新しいヒッチアップルートプランナーが興味を引くことだろう。もうひとつの革新は、Android AutoとApple CarPlayがワイヤレスで動作するようになったことだ。レザーのアームチェアに乗り込もう。シート高は79cmと通常のSUVよりSUVらしい高さで、センターコンソールのエアサスペンションのトグルスイッチでさらに7cm高くすることができる。

通常、21インチホイールの採用は低速域の快適性を損なうが、「GLE」はそうではない。「GLE」は巨大なホイールと驚くほどうまく付き合っている。轍の上でも、直進性を妨げることはない。ドライバーはステアリング操作に集中する必要がない。チューリンゲン工場で製造された直列6気筒ディーゼルエンジン、"ケレダエンジン"は、よく消音されたヒューという音を発するが、それ以上のことはない。

試乗車のオフロード装備は、SUVの基準からすると異例なほど充実している。通常、最高級カテゴリーのSUVにしか見られないものばかりだ。たとえば、以下のようなものだ: 厚さ3.5ミリのスチール製フロントアンダーライドプロテクション(アクティブサスペンションを装備した7,735ユーロ(約123万円)のパッケージで、155ユーロ(約2万4千円)の追加料金でフルメタルのアンダーライドプロテクションを注文できる)、あるいはランドローバー流の「透明ボンネット」は、中央のスクリーンを通して地面を見ることができ、同時に前輪の位置を表示する。

GLEは45度の勾配を登ることができる

後者には、パーキングアシスタントパッケージの一部として360度カメラが装備され、例えば急勾配の坂道でも空以上のものを確実に見ることができる。注意: GLEは45度または100%の勾配を登ることができる。オフロードモードのトランスファーケースには、すべてのギアを短縮するオフロードステージが追加されているからだ。さらに、スプリングストラットは個別に制御できる。

さらに視覚的に壮観なのは、電動油圧式で約2.5トンのクルマを上下に跳ね上げ、凸凹道でも水平に保つことができるフリードライブモードだ。この自動バウンスシステムは、フェイスリフト以前から搭載されていたもので、オフロードを走るドライバーの古くからのテクニックを真似たものだ。ローライダー的なエンターテインメント性があるため、ショーダンスに悪用されることをよく理解しているダイムラーの開発者は、おそらくエネルギー消費と摩耗を考慮して、約0.5分後にスイッチが切れるようにプログラムしている。

全輪駆動に関しては、初代「GLE」や現行「GLC(センターデフを介した本格的なフルタイム四輪駆動を採用)」とは異なり、一般的なSUVのような多板クラッチという昔ながらのものだ。グリップの良い路面では、「GLE」は後輪駆動車として作動し、後輪がスリップしたときやアクセルを強く踏み込んだときに、瞬時にフロントアクスルへの動力接続を確立する!

アクスルのアーティキュレーションは地味で、独立サスペンションを備えたこのような設計ではほとんど特筆する価値はないが、個別に制御可能なエアスプリングが少なくとも部分的にはそれに取って代わる。ちなみに、車高の調整幅は約7cmである。

GLEなら悪路も問題なし

左のステアリングホイールのスポークにあるスライダーでコックピットのオフロードビューを呼び出し、中央のメニューでオフロードモードを選択する。そして、フリーライドモード、個別のサスペンションストラットコントロール、前述のステアリングポジションインジケーター付き透明ボンネットがドライバーをアシストする。

メルセデスは悪路をものともしない。オフロード写真を撮らせてもらったバートゼーゲベルク近郊のアンドレセングラベルワークスの坂道でさえ、巨大な「GLE」は一貫してあらゆる逆境を寄せ付けない。このクラスで同等のサスペンションの快適性を提供するのは、同じように快適性を重視する「ランドローバー ディスカバリー」だけだ。

ボディワークや追加パーツも、写真撮影中のドライブではまったく音を立てない。これが「Mクラス」の末裔だとは信じがたい。

快適性は明らかに「GLE」のコアな利点だ。オフロードもこなせるのか?間違いなくイエスだ。しかし、砂のピットでは地獄のように気をつけなければならない。第一に、脆弱な21インチホイール、第二に、エグゾーストに気をつけなければならない。そして、ミラーなしの全幅は2.01メートルと広大だ。

「GLE」は「レンジローバー」のようなピンストライプの冒険家ではなく、オフロードオプションを備えた「コンフォートグライダー」と言った方が正確だろう。残念なことに、アラバマ州タスカルーサで製造されたメルセデスは、価格の面で英国の創始者に少し近づいている - テスト車の価格117,000ユーロ(約1,870万円)。ベーシックな「450 d」は97,979ユーロ(約1,565万円)からである。

結論「メルセデスGLE」は、依然として抜群に快適なSUVである。オフロードも走れるが、そのためにはあまりにも高すぎる。

Text: Rolf Klein and Mirko Menke Photo: Christoph Boerries / AUTO BILD

こんな記事も読まれています

ヤマハ、クラッチローのワイルドカード参戦計画を発表。イタリアGPを皮切りに計3戦に出走/MotoGP
ヤマハ、クラッチローのワイルドカード参戦計画を発表。イタリアGPを皮切りに計3戦に出走/MotoGP
AUTOSPORT web
新型CX-80が待ち遠しい! マツダが今年も良いSUVを揃えて来た 今季注目のSUVも交えて一挙公開
新型CX-80が待ち遠しい! マツダが今年も良いSUVを揃えて来た 今季注目のSUVも交えて一挙公開
ベストカーWeb
周冠宇、中国マクドナルドのビーフバーガー・アンバサダーに就任
周冠宇、中国マクドナルドのビーフバーガー・アンバサダーに就任
AUTOSPORT web
【輸入車BEV販売比率1位のアウディ】 急速充電ステーションを東京都千代田区にオープン
【輸入車BEV販売比率1位のアウディ】 急速充電ステーションを東京都千代田区にオープン
AUTOCAR JAPAN
フリード&シエンタの対抗馬はこれでいい! 日産にはキューブキュービックという3列ミニバンがあったじゃないか!
フリード&シエンタの対抗馬はこれでいい! 日産にはキューブキュービックという3列ミニバンがあったじゃないか!
ベストカーWeb
【MotoGP】クアルタラロ、タイヤ内圧違反でスペインGPスプリント3位失う。代わってペドロサが2017年以来の表彰台
【MotoGP】クアルタラロ、タイヤ内圧違反でスペインGPスプリント3位失う。代わってペドロサが2017年以来の表彰台
motorsport.com 日本版
ニュルの頭文字を掲げる電気自動車【ヒョンデ Nブランド】
ニュルの頭文字を掲げる電気自動車【ヒョンデ Nブランド】
グーネット
自由に闊歩するロバたちはゴールドラッシュの名残り!? オートマンは街まるごとテーマパークのような観光スポットです【ルート66旅_49】
自由に闊歩するロバたちはゴールドラッシュの名残り!? オートマンは街まるごとテーマパークのような観光スポットです【ルート66旅_49】
Auto Messe Web
ジャガー、してやったり! 完璧チームプレイで他チーム翻弄ワンツーフィニッシュ|フォーミュラE第8戦モナコ
ジャガー、してやったり! 完璧チームプレイで他チーム翻弄ワンツーフィニッシュ|フォーミュラE第8戦モナコ
motorsport.com 日本版
ボルボの雪上テスト現場へ潜入! EX30でエルク避けを体験 ソフト開発での重要性も増す
ボルボの雪上テスト現場へ潜入! EX30でエルク避けを体験 ソフト開発での重要性も増す
AUTOCAR JAPAN
MotoGPスペインGPスプリント|マルク・マルケス、転倒で勝利幻に……荒れた展開生き残りマルティンが制す
MotoGPスペインGPスプリント|マルク・マルケス、転倒で勝利幻に……荒れた展開生き残りマルティンが制す
motorsport.com 日本版
なんちゃってセレブが「オートモビルカウンシル 2024」に潜入。インパクト大賞は「ランボルギーニ」顔のソファです
なんちゃってセレブが「オートモビルカウンシル 2024」に潜入。インパクト大賞は「ランボルギーニ」顔のソファです
Auto Messe Web
複数年契約を結んだヒュルケンベルグはアウディF1の一員に「ドイツ製PUを搭載し自動車ブランドを代表するのは光栄なこと」
複数年契約を結んだヒュルケンベルグはアウディF1の一員に「ドイツ製PUを搭載し自動車ブランドを代表するのは光栄なこと」
AUTOSPORT web
フェラーリの『499P』理解度は約8割。「残り20%をうまくコントロールする必要がある」
フェラーリの『499P』理解度は約8割。「残り20%をうまくコントロールする必要がある」
AUTOSPORT web
6MT搭載! 新型「“FR”クーペ」公開! 830馬力超えV8搭載の「最強モデル」! 60年で“最も楽しい”「スーパースネーク」米に爆誕
6MT搭載! 新型「“FR”クーペ」公開! 830馬力超えV8搭載の「最強モデル」! 60年で“最も楽しい”「スーパースネーク」米に爆誕
くるまのニュース
レッドブルF1の技術責任者、退団か 「圧勝」支えたエイドリアン・ニューウェイ氏、チーム内騒動で不満?
レッドブルF1の技術責任者、退団か 「圧勝」支えたエイドリアン・ニューウェイ氏、チーム内騒動で不満?
AUTOCAR JAPAN
ニコ・ヒュルケンベルグ、今シーズン限りでハースF1を離脱。2025年にザウバーへ移籍
ニコ・ヒュルケンベルグ、今シーズン限りでハースF1を離脱。2025年にザウバーへ移籍
AUTOSPORT web
ランボルギーニがレースを目指す理由とは? 最高技術責任者とドライバーが語る「スピードを超えた情熱」の先にある「ランボ体験」の創造を知ろう
ランボルギーニがレースを目指す理由とは? 最高技術責任者とドライバーが語る「スピードを超えた情熱」の先にある「ランボ体験」の創造を知ろう
Auto Messe Web

みんなのコメント

2件
  • kvg********
    日本のメーカーと方向性が違うしなあ。
    まさか、欧州で売れなくなったディーゼルを、欧州以外に売りまくっているのではないよな。
    自分は、ドイツの会社にも、まともなストロングハイブリッド車を造って欲しいと思うけど。
  • 菅間 俊行
    3Lディーゼルで360馬力ってすごいな。日本のディーゼルも見習って欲しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

982.01264.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8985.0万円

中古車を検索
ディスカバリーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

982.01264.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8985.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村