現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マジでヤバい! 2023年は本当の本当に正念場!!! 「新たな黒船」中国BYD来襲で日本に迫るタイムリミット

ここから本文です

マジでヤバい! 2023年は本当の本当に正念場!!! 「新たな黒船」中国BYD来襲で日本に迫るタイムリミット

掲載 77
マジでヤバい! 2023年は本当の本当に正念場!!! 「新たな黒船」中国BYD来襲で日本に迫るタイムリミット

 2022年7月21日、中国のBYDが日本の乗用車市場にEVで参入すると発表した。これが日本メーカー、そして日本にとってどれほどの脅威を示すものなのか? 自動車評論家 国沢光宏氏が解説する。

※本稿は2022年8月のものです
文/国沢光宏、写真/BYD、ベストカー編集部 ほか、撮影/平野学
初出:『ベストカー』2022年9月26日号

マジでヤバい! 2023年は本当の本当に正念場!!! 「新たな黒船」中国BYD来襲で日本に迫るタイムリミット

■中国車の進化のスピード感は日本の4年分を1年で進むイメージ

 BYDの日本進出は、2010年にリーフを出して以後、電気自動車についちゃ“鎖国”を続けてきた我が国にとっての黒船になるかもしれません。

 実際、直近の12年、日本の電気自動車はほとんど進化してこなかった。考えていただきたい。欧州における2010年と言えば、リチウム電池を搭載した電気自動車など一車種もなかった。

 なのに今や50車種を超えるモデルが登場し、販売比率だって10%に届こうという状況。

 日産サクラが売れて今年やっと1%に届くだろうと言われている日本は、客観的に評価したら電気自動車後進国です。

2022年7月21日、日本乗用車市場参入発表を行った会場では、今後日本に導入される3モデルがお披露目された。左からセダンの「SEAL」、SUVの「ATTO3」、コンパクトの「DOLPHIN」。各モデルの詳細は画像ギャラリーでお伝えしたい

 さてBYDだ。ベストカーを読むようなクルマ通であっても、中国車と聞いたら実物も見ないでガラクタと考えることだろう。

 確かに15年前のBYDといえばパクり車ばっかり作ってましたね。けれど中国のモーターショーに行くたびに進化していた。日本にとって最も厳しいのは、人材の流出だと思う。

 誰でも知っているような車種の実験担当者やデザイナー、サスペンション屋さんなど複数。衝突安全のプロみたいな人だっている。

 日本だけでなく欧州メーカーの優れた技術者まで揃えているから凄い!

日本で初めて国交省から認可を受けた中国自動車メーカーとなったBYD。写真は車両の販売・関連サービスを行うBYD Auto Japanの代表取締役社長、東福寺厚樹氏

 さらに驚くのが進化のスピード感。日本の4年分を1年で進むイメージでいいと思う。

 鎖国していた12年間で追いつかれ抜かれようとしている。そして抜かれたら追いつくのは難しいかもしれない。

■充放電可能回数3000回。1回の充電で300kmなら90万km

BYDジャパン株式会社 代表取締役社長/劉学亮氏

 そもそも決定的なのが電気自動車の中核となる電池。私は以前からリン酸鉄電池を高く評価している。

 正極にコバルトやニッケル使う3元系リチウム電池と違って燃えない(熱に強いだけでなく釘を刺しても大丈夫)。

 そして充放電可能回数3000回を超える。1回の充電で300km走れるなら90万kmということになる。

 材料のリン酸鉄は稀少金属じゃないため安価。電気自動車用の電池として考えたら申し分ない。

 今まで日本の技術者にリン酸鉄リチウム電池の話を聞くと、皆さん一笑に付す。伝家の宝刀である全固体電池を振りかざせば、すべて切り倒せると思っているようだ。

 リン酸鉄リチウム電池を使うBYD車は、20万km走っても電池容量は新車に限りなく近い状況だと思っていいだろう。

 もちろん熱に強いため、急速充電を繰り返した時の耐久性だって高い。長い寿命を持っていれば、リセールバリューだって期待できる。

BYDの最新型リン酸鉄リチウムイオン電池、「ブレードバッテリー」。厳しいとされる釘刺し試験においても発火せず、表面温度もほぼ変わらないなど高い安全性を誇る。バッテリー保証は8年/15万km

■今回のBYDの発表は日本にとって「けっこう深刻」

 今回BYDが発表した内容、中国の自動車産業を見てきた私からすると、日本にとって「けっこう深刻な状況」のように思う。

 BYDは中国の政府系自動車メーカーじゃないため、経営難=破綻。昨今の中国の政情を考えたら中国一本足打法は危うい。

 日本と言えば、世界3位の自動車販売台数というだけでなく、ユーザーのレベルだって高い。日本でクルマを売れれば世界で通用する品質や性能と言ってよかろう。

 BYDとて、日本で簡単に売れるとは思ってない。それだけに本気で勝負に来ているのだった。

 日本の自動車メーカーにとって当面の心配事は価格。仮にヤリスクラスの『ドルフィン』が250万円くらいだったとしよう。

 今年の補助金を考えると200万円切り。東京都なんか150万円だ。90万km使えるクルマが150万円! 供給台数に余裕あったら、補助金の予算を使い切ってしまう。

 補助金なくなったら日本製の電気自動車なんか高くて買えない。海外市場だけじゃなく鎖国を続けてきた我が国でも猛威を振るう可能性大だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
motorsport.com 日本版
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

77件
  • 中国ですらEV車1000万台に対して充電スポットが300万か所しかなくほとんどが都市部で地方は
    ごくわずかで充電待ちで5時間とか、ガソリン車が10時間で行ける目的地に40時間もかかる。
    普及させるには充電スポットが今の100倍は必要だよ。
  • 信用出来るようになってから購入すればいい。バスは20%しか充電出来ない大韓民国車よりは中国製バスの方がまだ信用している。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村