■新型プリウスどう思う?
1997年に誕生以来、ハイブリッド車の先駆者として名高いトヨタ「プリウス」が、5代目へとフルモデルチェンジしました。
トヨタ新型「プリウス」ついに「センターメーター」廃止! 使いやすさ変わる? ユーザーの反応は
新型プリウスは、従来モデルよりも長くワイドに、そして低くなり、新たにスポーティさという魅力を追加し、スタイリッシュだと評判も上々です。
一方で、ファミリーユースというよりスタイル重視のプレミアム路線を目指すなど、キャラクターチェンジともいえる路線変更は、一部で賛否両論となっているようです。
そこで今回は、歴代プリウスのオーナーに、新型について聞いてみました。実用性や燃費性能の追求をやめてスタイリッシュ&スポーティな路線への変更をどう捉えているのでしょうか。
3代目プリウスを乗り続けているTさん(50代男性)は、スタイリッシュに生まれ変わった新型の方向性は魅力的ではあるものの、さらに運転がしにくくならないかを懸念しているといいます。
「かなり長く30プリウスを乗り続けていますが、もともとフロントが急に落ちているので、前方の車両感覚が掴みにくいんです。
新型はカッコ良くなって魅力的ですが、Aピラーがさらに寝かされ、運転席の圧迫感や前方が遠く感じるのかが気になります。
70代の両親も運転する場合、乗降性や後方視界の悪そうなデザインは不安ですし、高齢者には優しくなさそうなのが心配です」
プリウスが属するCセグメントは、コンパクトカーとミドルクラスの中間に位置する絶妙なポジション。大きすぎるのはイヤだけどコンパクトカーにも乗りたくない歴代オーナーも多く、大胆な路線変更は賛否両論あるようです。
「きっと新しい価値観の提案なんだと思います。もはや燃費が良いのは当たり前で、そこから+αな魅力が必要だった、その答えが『スポーティさ』だったのかなと。
実際に乗れば間違いなく良いクルマなんでしょうが、サイズアップも含めてもう少し実用性を優先しても良かったかなとは思います」(3代目プリウスオーナー Tさん)
やはりプリウスには実用性を求める声が多いようです。とくに運転初心者や高齢者にとって、乗降性や視認性は非常に重要なポイント。このあたりは、実際に販売されてからユーザーがどのように評価するのか気になるところです。
一方で、このスタイリッシュ路線を歓迎する声もあります。
現在はコンパクトカーに乗っているEさん(30代男性)は、以前3代目を所有していました。4代目プリウスの“攻めすぎたデザイン”を敬遠したこともあり、5代目となる新型プリウスはかなり好印象だといいます。
「4代目は、とくに2018年にマイナーチェンジされる前の前期型は、正直いって完成度が厳しかったと思います。
その点、新型は顔こそ斬新な印象ですが新型『クラウン』で免疫もありましたし、リアのスタイルもハッチバックらしく、それでいてさらなる近未来感も感じさせてくれる気がします。
しかも低くワイドになったおかげで輸入車にも劣らないスタイリッシュさを感じますし、これなら乗ってみたいと思います。
PHEVならではの鋭い加速もかなり気になりますし、試乗できるチャンスが来たらトライしてみたいです」
Aさんの意見を聞くと、やはりクルマは性能だけでなく全体のデザインもまとまっている必要があるといえそうです。
■新型プリウスの特徴は?
新型プリウスで目を引くのは、これまでとは違う伸びやかなプロポーションです。2代目から続く5ドアハッチバックスタイルは継承するものの、明らかに低さを強調。さらに新型クラウンにも採用された「ハンマーヘッド」をモチーフとし、最新のトヨタらしいフロントフェイスに一新されました。
全長4600mm×全幅1780mm×1430mmとなった新型プリウスは、従来モデルよりも少し長く少しワイドになっただけでなく、車高が40mm低くなっています。
全高が1600mmを超えるモデルが多いSUVがメインの現在では、かなり低く構えた印象を与え、スポーティさを強調しているように感じます。
新型プリウスでもうひとつ注目されるのは、パワートレインの刷新です。1.8リッターハイブリッドのほか、2リッターハイブリッドを設定。さらに、2リッタープラグインハイブリッド(PHEV)の3種類をラインナップします。
最高出力は1.8ハイブリッドが140馬力、2リッターハイブリッドが193馬力、2リッターPHEVに至っては223馬力で0-100km/h加速が6.7秒という俊足ぶり。実は、2022年12月現在ではWLTC燃費が公表されていないのですが、スポーティさを強調するかのように、馬力や加速は明らかになっています。
経済性を重視した1.8リッターハイブリッド、大きな電力エネルギーでモーターを駆動して鋭い加速を実現したPHEV、両方のイイトコ取りを狙う2リッターハイブリッドと、ユーザーが求める性能を松竹梅で用意するあたりは「さすがはトヨタ」といったところでしょう。
スポーティ路線に舵を切った新型プリウスですが、実用性を多少犠牲にしても、今では希少になったスポーツ4ドアクーペのようなプレミアム路線を目指しているようです。
これにはいくつかの要因が考えられますが、プリウス以外にもトヨタはハイブリッド車のラインナップを数多く用意しており、世界初の量産ハイブリッド車という役目は十分に果たしたことや、強豪が多いCセグメントクラスで存在感を保つには新しい魅力が必要だったことが挙げられます。
これは新型クラウンと同じ流れのよう見え、クラウンという名を存続させるために、クロスオーバーやSUVを加えるという決断をしたトヨタは、プリウスを継続させるために大胆な変革をおこなったのでしょう。
また、ハイブリッド車でも燃費以外の楽しさを提供できることをアピールすることも可能となり、スポーティさを前面に押し出すなら、それ相応のスタイルが必要だったということなのかもしれません。
※ ※ ※
新型プリウスは、既存のユーザーより、新しいユーザーにアピールするデザインになっている印象もあります。
スポーティ路線への変更にはいろいろな意見がありますが、それでもスタイリッシュな新型プリウスが「売れる」ことは確実だといえそうです。
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みんなのコメント
パクりという後ろめたさが一番の不安です。
オマケに加速性能ばかり進化して、止まれないから
死亡事故多発だろうね。
運転者じゃなくて、歩道を歩いてる子供が◯ぬ