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若い世代が買っている ロールス・ロイス、新型車はすべてBEVに エンジン車は現行世代で最後

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若い世代が買っている ロールス・ロイス、新型車はすべてBEVに エンジン車は現行世代で最後

現行モデルがブランド最後のV12搭載車に

ロールス・ロイスは、2030年末までにEV専用ブランドに移行する計画で、今後の新型車はすべてEVとなる予定である。

【画像】平均7000万円超の超高級車ブランド【ロールス・ロイス初のEV、スペクターを写真でじっくり見る】 全47枚

ロールス・ロイス初の市販EVであるスペクターは、今年後半に生産が開始される予定だ。同社のトルステン・ミュラー・エトヴェシュCEOは、ファントム、ゴースト、カリナンの現行モデル群はV12エンジンを引き続き使用するが、それ以降は電気駆動に切り替えると発言した。

ミュラー・エトヴェシュCEOは「2030年末までにV12は廃止されます。シリーズ2(現行モデルの改良型)はV12を、新型車はすべてEVになります」と述べた。

また、中間的なハイブリッドモデルは発売せず、ガソリンエンジンからEVに直接移行することを改めて確認した。ミュラー・エトヴェシュCEOは「小さな会社なので、すべてを手に入れるつもりはありません」としている。

「V12に愛想を尽かしたわけではありませんし、新しい要求に応えるために投資もしていくつもりです。V12からEVへの変化は素敵なことです」

スペクター以降の新型車の発売時期や、生産期間は確約されていない。「10年、あるいはそれ以上です。初代ファントムは14年でした。ファントムは当社の販売台数の10%を占め、価格も100万ユーロ(約1億4000万円)を超えますから、(V12の使用が)ずっと続いていても不思議はないでしょう」

ファントム・クーペの精神的後継車であるスペクターは、第一にロール・ロイス、第二にEVとして開発されており、そのように認識されることを目指しているという。

販売台数にはこだわらない姿勢

ロールス・ロイスの2022年の販売台数は6000台強となり、オーダーメイドのパーソナライゼーションがかつてないほど増えたおかげで、車両の平均価格が初めて50万ユーロ(約7000万円)を超えた。ミュラー・エトヴェシュCEOは、同社は台数目標を追わずに需要のみに導かれているとし、将来のためにお金を貯めるのではなく、お金を使って人生を楽しみたいという購入者の考え方に変化が見られると述べた。

「需要に応じた販売をしているので、年によっては6000台を下回ることもあるでしょう。決して量を押しつけることはしませんし、あくまでも需要に応じたものです。しかし、不況と無縁ではありません。重要なのは(購入者の)お金ではなく、気分です。自分の会社の調子が悪ければ、買いたい気持ちにはならないでしょう」

「パンデミックで蓄積された財産が『今こそ』という形で使われているため、当社のビジネスが堅固になっているのです。人々は今を生きているのであって、15年、20年先のことを考えているわけではありません。お金だけでなく、ライフスタイルも変わってきています。暮らしの意識が変わったことを、わたし達は強く実感しています。お金だけでなく、ライフスタイルにおいても、人々はその日その日を大切にするようになりました」

「高級品やラグジュアリーは数量ではありません。高級ハンドバッグが何個売れたという話を耳にすることはないでしょう。わたしは台数にはこだわらないので、価格とマージンが重要なのです。台数について言われることはありませんし、台数目標もありません。BMWは、ロールス・ロイスが自然な成長によって発展し、収益性を重視していることについて信頼してくれています」

「7000台になったとしても大きな違いはありません。クライアントとどう向き合い、どうアプローチしていくか。ロールス・ロイスは、5ケタ(1万台以上)の量販ブランドにはなりません」

「当社の顧客は、50万ユーロ(約7000万円)という価格をエクスクルーシブなものとして気に入ってくれています。6000台や6500台といった販売台数ではなく、この数字こそロールス・ロイスがいかにエクスクルーシブであるかを定義するものなのです」

ロールス・ロイスは人気のパーソナライゼーションをさらに発展させるため、グッドウッドの拠点を拡張し、新しい塗装工場などの施設を追加する予定だ。新施設は2025年末から2026年初頭までに完成予定だという。「最新の技術を求めており、これによって自由と新しいアイデアを得ることができます」

若い世代に向けた新しいアプローチ

ミュラー・エトヴェシュCEOは、今後も超限定生産のモデルを作る予定であることを明かし、「近いうちに公開するので見ていてほしい」と語った。3~4台を限度とし、隔年で発売する予定だという。

「これは、長くお付き合いしているお客様を招待して行うものです。長い長いプロジェクトで一緒に仕事をするのですから、彼らのことをよく知っておく必要があるのです」

ミュラー・エトヴェシュCEOは現職に就いて13年になるが、その間、顧客の平均年齢が56歳から42歳に下がっているのを目の当たりにしてきた。また、女性の購入者の割合も1%未満から17%程度に増えている。

ロールス・ロイスの購入者は、運転手を雇うのではなく自分で運転するために買う人がはるかに多く、その割合もかつて20%だったのが今では約80%になった。

世界的に富裕層のプロフィールが変化し、ロールス・ロイスのモデル自体もこのような新しい購買層に呼応して大きく変化している。「もし、クーペ、サルーン、コンバーチブル、ブラックバッジ、そしてブランドの若返りなどで彼らのニーズに応えてこなかったら、失敗していたでしょう。ブランドはそのままに、新しいタイプの富裕層向けに調整したのです」

ミュラー・エトヴェシュCEOによると、ベントレーと対になっていた20~30年前とは「まったく違う」ブランドになったという。「彼らは彼らの道を見つけ、わたし達はわたし達の道を見つけたのです。わたし達は全く異なるセグメントで事業を展開しています。クルマというセグメントではなく、ラグジュアリーの工房であり、製品だけでなくお客様に対する振る舞いも含めて真のラグジュアリーブランドになることを目指してきました」

「BMWは、初代ファントムで正しい判断を下しました。初代ファントムは、ロールス・ロイスが最高峰であり、高い価格を設定し、他の誰にもできないものを提供するという明確な意思表示でした。最初から小型で安価なロールス・ロイスで台数を追いかけることはしませんでした」

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みんなのコメント

6件
  • 高額な価格もそうですが、都心ではこの車が置ける駐車場を確保することも高いハードルです。
  • これ新車で買う若い世代ってどんな人?
    起業に成功した人とかなら拍付けになるし、税金対策とかで必要かもだが、親に買ってもらう人とかだとちょっと理解が及ばない。
    そもそもロールスロイスってそんなにいい車か?価格に比して。
    少なくとも、10年ほど前に乗せてもらった記憶があるファントムより、現行のセンチュリーのほうが乗り心地良かった気がする。
    最新のロールスはもっとすごいと言われればそうかもしらんが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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