一般道・高速道 見所/気になる所
(前編でオフロード性能を検証した取材班。後編は、新東名に乗り西へ進んだ)
【画像】新型レクサスLX 3つのグレード【比べる】 全136枚
新型レクサスLXは66.3kg-mの最大トルクを発生するだけあって、2.5tを超える車重を意識させない。
極低速域でのコントロール性はオフロードセクションで確認済みだが、悠々たる力強さは高速域に至っても衰えることはない。
操縦特性は安定性最優先の設定。俊敏性とか精度感は低めであり悪く言えば鈍重とも評せるが、安定性とコントロール性が高いレベルで両立されているのがミソ。
ロールは深めだが、サスストローク速度は抑えられ、揺れ返しもごく僅か。追舵への回頭反応も穏やかであり、加減速でのラインの変化も同様。
操縦感覚では前輪ばかりに仕事をさせているような感じだが、予想外の反応がなく扱いやすく安心感がすこぶる高い。サイズ・重量をあまり意識せずに操れるのが見所だ。
乗り心地も穏やか。
前記したとおりサスストローク速度の抑制が利いているため「ふんわり」というタイプではないが、適度に路面感覚を残しながら刺激を抑えている。
鷹揚な味わいと据わりの程よいバランスである。ただ、22インチ・ホイール仕様の後席では、バネ下重量の重さを意識させるリアサス周りの揺動感が気になった。同系シャシーではかなり抑えられているが、乗用車系の乗り味に慣れていると違和感を覚えるかもしれない。
内装について 2列目シートは?
車体全長はRXのロング仕様よりも10cm長く、SUVでは最大級。当然、キャビンスペースも最大級だが、あくまでも本格クロカン車対比での話。
大きなエンジンと車輪に、ラダーフレームとタフな駆動系。乗用車全般ではスペース効率は低い。
そこに3列シートまで入れれば、セカンドシートの居住性はゆったりというほどでもなくなる。
標準車とオフロードには2列(5名定員)と3列(7名定員)シートを設定し、最上級のエグゼクティブは4名定員の2列シートのみとなる。
エグゼクティブの後席には電動リクライニングや電動マッサージ機能が備わり、助手席には前方スライド拡大とバックレスト背面のオットマンが備わる。
ただし、2列/3列シートとも後席(セカンド)にスライド機能はなく、リムジンのように4名で悠々と寛げるほどではない。
価格差でみるLXの立ち位置
広いとも狭いとも言いづらい微妙な按配なのだが、内装の設えは派手さを抑えて落ち着いた雰囲気。
アップライトな着座姿勢でも収まりのいいシートは車窓からの風景を楽しむにはいい。アウトドア趣味にも違和感のないインテリアである。
新型LXは、最も安価な標準車が1250万円、オフロードは1290万円、最上級のエグゼクティブは1800万円の設定。
ちなみにRX450hLは796万円、LS500hエグゼクティブは1690万円から1792万円である。
一方、基本シャシーやボディシェルを共用するランドクルーザーのガソリン車は、GXの510万円からGRスポーツの770万円。
VXやGRスポーツにOPテンコ盛りでもレクサスLXの標準車には届かない。
「乗りたい」に答えるブランド
ランドクルーザーは全車で電動デフロック装備可能であり、悪路踏破性でLXと同等水準。オフロード性能の項で述べた「凄い!を簡単に」は、ランドクルーザーにもそのまま当て嵌まる。
しかし、オンロードのスポーツ性に特化させるとか、差別性をことさらにしなかったことに安堵したのも否定できない。
ランドクルーザーの美点を損なわずにレクサスらしさをプラスα。そうできたところも新生レクサスの見所なのかもしれない。
大雑把に纏めれば、レクサス基準の内装・装備にランドクルーザーの踏破性を組み合わせたのがLX。
操安性や乗り心地の向上もあるが、オン&オフロード性能やキャビン実用性など使い勝手を基準にすればランドクルーザーで十分。
やはり、先ずレクサスありきで考えるべき。「ハードクロカンでもレクサスに乗りたい」が大事であり、その期待に十分に答えられるモデルである。
LX600エグゼクティブ スペック
レクサスLX600エグゼクティブ
価格:1800万円
全長:5100mm
全幅:1990mm
全高:1895mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:8.0km/L(WLTCモード)
CO2排出量:290g/km
車両重量:2600kg
パワートレイン:V型6気筒3444ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:415ps/5200rpm
最大トルク:66.3kg-m/2000-3600rpm
ギアボックス:10速オートマティック
乗車定員:4名
最低地上高:210mm
LX600標準車 スペック
レクサスLX600(5人乗り仕様)
価格:1250万円
全長:5100mm
全幅:1990mm
全高:1885mm(試乗車は1895mm)
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:8.0km/L(WLTCモード)
CO2排出量:290g/km
車両重量:2550kg
パワートレイン:V型6気筒3444ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:415ps/5200rpm
最大トルク:66.3kg-m/2000-3600rpm
ギアボックス:10速オートマティック
乗車定員:5名
最低地上高:200mm(試乗車は210mm)
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