■ステーションワゴン&MTはラスト!?
日本ではAT(オートマチック)車の販売比率が98%以上とも言われ、年々MT車は減少していますが、一方でごく一部のモデルにはいまだMT車の設定があります。
そのなかでも、MT車と同様、需要の低下から今ではかなり少なくなったステーションワゴンボディでMTを設定しているモデルがあるのです。
【画像】昔はMT車は良かった!? 今や「名車」のコクピットを画像で見る(27枚)
トヨタ「カローラ」シリーズは1966年のデビュー以来、ベーシックなクルマとして親しまれ、これまでに5000万台以上を世界150以上の国と地域で展開しています。
現在、日本国内では2018年に登場したシリーズ通算12代目の「カローラ」「カローラ スポーツ」「カローラ ツーリング」と、11代目の「カローラ アクシオ(アクシオ)」「カローラ フィールダー(フィールダー)」を販売しています。
このうち現行フィールダーは、アクシオとともに2012年5月に登場。フィールダー単体としては3代目になります。
ボディサイズは全長4400mm×全幅1695mm×全高1475-1500mmと、小型車(5ナンバー)枠に収まるコンパクトサイズです。
コンセプトは「ビッグスペースコンパクト」で、大きさを押さえたボディのなかに大人4人が過ごせる空間と広々とした視界を確保。使い勝手のよさを追求しました。
また、1.5リッターと1.3リッターの2タイプのガソリンエンジンにCVT(無段変速機)または5速MTを組み合わせます。
登場から11年を迎えた現在までに、度重なる改良を実施。
2013年には1.5リッターエンジン+モーター搭載のハイブリッドモデルを新設定したほか、2015年にはデザインの一新と先進運転支援「トヨタ セーフティ センス C」を採用。2017年には再びフロントマスクを中心とするデザインの小変更を実施しています。
モデル途中にはエアロを装備するグレードや、黒を基調にシートやインパネ、ドアトリムをスタイリッシュなホワイトのコーディネートとした「W×B(ダブル バイ ビー)」を設定するなど、一般ユーザーのニーズを見据えたグレードも設けられていました。
現在販売中のモデルは2022年8月に改良が行われたモデルで、「EX」というモノグレード展開へと縮小。一般向けは12代目に任せ、主にビジネスニーズに向けたモデルとなりました。
改良では、ブラック加飾のプロジェクターLEDヘッドライトを装備し精悍さを高めるとともに安全性を向上。また充電用USB-C端子、ナノイーXエアコンを装備し、シート表皮も新たな素材を用いています。
そんなカローラフィールダーですが、現行型登場当初から5速MT搭載グレードを用意しつづけています。
ステーションワゴンでは、2022年に改良でマツダのステーションワゴン「MAZDA6」からMT車が消滅して以来、国産車では最後の1台となっているのです。
トヨタのラインナップのなかでも、2022年10月の改良でカローラ・カローラツーリング・カローラスポーツから6速MTが廃止されたほか、MT搭載グレードを用意していたコンパクトSUV「C-HR」が7月末で生産を終了する予定と縮小が続いています。
ステーションワゴン・MT車設定という、減少しつつあるふたつの特徴を持つフィールダーは、今やかなり貴重な存在になったと言っても過言ではありません。
なお、フィールダーEX・MT車の価格(消費税込)は175万8400円から設定。新型車の価格が軒並み上昇するなか、200万円を切る安価な価格も魅力です。
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