■もはや定着カスタム? Gクラス風ジムニーが爆売れするワケとは
2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジを遂げたスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」。登場から2年以上経つ現在でもその人気は高いといいます。
そんななかで、ジムニーをメルセデス・ベンツ「Gクラス」風に仕立てるカスタマイズが流行っているといいますが、なぜジムニーをGクラスにする傾向が高まっているのでしょうか。
【画像】これぞベビーG!? 本家Gクラスと写真で比較して見る!(21枚)
日本国内だけでなく、世界の市場で大ヒットを飛ばしたスズキ ジムニー。相変わらず、納車まで半年以上という状況です。
しかし、登場から2年間でかなりの台数が納車されたこともあり、アフターパーツ業界も活気を出だしています。
ジムニーといえば、ワンポイントのカスタムよりも、クルマ全体のモディファイを考えるユーザーが多いことで知られています。
そのため、2018年7月のデビュー直後から、さまざまなメーカーがカスタムメニューを提案してきました。
業界に先駆けて、カスタムコンプリートカーを発表したのが、エアロパーツの老舗「ダムド」です。
そのダムドが発表し、ジムニーユーザーの注目を集めたのが、「littele.D」と「littele.G」という2種類のスタイルでした。
littele.Dはランドローバー「ディフェンダー」へのオマージュ、そしてlittele.Gはメルセデス・ベンツ「Gクラス」へのオマージュで生まれたカスタムです。
そもそも現行型ジムニーの発表前、スクープ写真がネットを駆け回ったときに、海外メディアが「ベビーG」という愛称で呼んだことが話題となりました。
たしかに従来にないスクエアなボディ形状は、Gクラスにソックリ。それ故に、ジムニーをGクラスルックにするというカスタムの手法が誕生したのは、当然といえば当然だったのかもしれません。
その後、ダムドに追従するかのうように、各カスタムビルダーがGクラスルックのカスタムジムニーを東京オートサロンなどで発表します。
ユーザーへの取材においては、その反応は賛否両論。なかには、“なぜジムニーを買うのに、わざわざGクラスみたいにしなければならないんだ”という意見も少なからずありました。
それから2年、現在の状況をリサーチしてみると、驚くべきことが分かりました。
ジムニー用のGクラスルックパーツが、飛ぶように売れているというのです。
ダムドの面高翔五社長は、次のように語ります。
「現在、弊社は4タイプのジムニー用カスタムスタイルを提案しており、いずれも好調です。ただ、littele.Gに関しましては、近年にないほど好調な販売数となっています」
また、関西で老舗のエアロパーツメーカー「Kファクトリー」も、Gクラスルックのエアロパーツキットを発売しています。
同社が販売しているのは、その名も「G62」シリーズ。メルセデス-AMG「G63」をオマージュしてデザインしています。
エアロパーツのほか、ヘッドライトユニットやホイール、ドアミラー、モールなど、すべてを装着すると、まさにミニG63。
いま、この商品群も大ヒットしているといいます。同社の吉井寛文社長に話を聞きました。
「もう納品が追いつかない状況です。いま、半年くらい待っていただいている状態ですね。国内だけでなく、海外からの注文も多いので、バックオーダーが溜まってしまうんです」
吉井社長によると、Gクラスルックの商品を購入する人には、ある特徴があるといいます。
「弊社で購入されるお客さんは、圧倒的に本物のGクラスに乗っていらっしゃる人がほとんどですね。
スケールダウンした愛らしさを気に入っていただき、Gクラスの横に並べたいとか、奥様に乗らせたいという人が多いです」。
ちなみに、G62キットの場合、細部パーツやホイール、塗装まで含めると、車両代抜きで200万円。かなり高額なため、購入するのは富裕層が多いのだといいます。
■海外ではどのようなユーザーが関心を寄せている?
海外では、主にどんな国で売れて、どんなユーザーが買っているのでしょうか。再び、ダムドの面高社長に聞きました。
「輸出先は、中東や東南アジアがメインです。アジアだと、インドネシアやフィリピンが多いですね。
これらの地域では、やはりGクラスへの憧れがまだ強いということもありますし、同時にラグジュアリー感の強いスタイルが好まれるという傾向もあると思います。
さらに海外ではJB74(シエラ)なので、Gクラスルックがオーバーフェンダーのスタイルとマッチングがいいという理由もあるのではないでしょうか」
ちなみに面高氏によれば、日本のユーザーのなかにはGクラスというクルマ自体を知らず、ただジムニーのボディとのマッチングがいいという理由から、littele.Gを購入するユーザーも多いそうです。
2年後には、ジムニーシエラ5ドアも登場するのではといわれています。
登場すれば、さらにGクラスルックのカスタムに火が付くのは必至。先代までは硬派なオフロード仕様のカスタムをする人が圧倒的に多かったジムニーですが、カスタム市場の裾野を広げたのも、現行モデルの功績といえるかもしれません。
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